融資の申し込みなど様々な場面で必要になってくるのが、登記事項証明書

もしかしたら、”登記簿謄本”という言葉の方が耳なじみのある方が多いかもしれません。

どちらも似ているので混乱しがちですが、それぞれの意味合いは少し異なります。

そこで本記事では…

  • 登記事項証明書と登記簿謄本の違いは?
  • どこに取りに行くのか?
  • 家から出ないで、取得できるのか?

などの疑問にお答えします。

しっかりと目を通してから取得して頂ければ、間違えることはありません。

登記事項証明書=登記簿謄本

登記事項証明書=登記簿謄本

“登記事項証明書”と“登記簿謄本”は、法務局における保存方法の違いにより発生した言葉です。

  • 登記事項証明書…登記事項を電子データとして保存
  • 登記簿謄本…登記事項を紙媒体して保存

のどちらを取得しても、証明する内容は同じです。

つまり、登記を行った場所の保存方法により名称が変わる、と覚えておきましょう。

新しく会社を設立した方には関係ありませんが…現在、法務局では紙媒体からデータへと保存方法を移行しているため、登記簿謄本を取得するのは難しいかもしれません。

会社設立後、登記事項証明書はいつ必要?

登記申請が無事に完了し、登記事項証明書を取得しに行こうとしたものの…何に使うか分からない方。

以下のような予定はありませんか?

  • 事務所を借りる
  • 社会保険手続き
  • 法人口座を開設する
  • 銀行融資を申し込む
  • 決算申告する
  • 登記を変更申請する
  • 会社を移転する
  • 他社の情報を取得する
  • 補助金を申請する

場合によっては、提出時に直近〇ヶ月未満のものなど指示があるかもしれませんので、注意が必要です。

交付申請書に記載がある5種類の証明書

登記事項証明書を取得するには、法務局で交付申請書を記入する必要があります。

まずは、コチラの書類をご覧ください。

登記事項証明書交付申請書 全体図

この書類には、

  1. 全部事項証明書(謄本)
  2. 一部事項証明書(抄本)
  3. 代表者事項証明書
  4. コンピュータ化以前の閉鎖登記簿の謄抄本
  5. 概要記録事項証明書

の5種類ありますが、必要なものをチェックして申請を行います。

どれを選ぶか考える前に、まずは書類にある”謄本””抄本”の意味を理解しておきましょう。

謄本・抄本とは…
  • 登記簿謄本(=全部事項証明書)…登記簿のすべての情報が写されているもの
  • 登記簿抄本=一部事項証明書)…登記簿の一部の情報だけ写されているもの

のように、写される情報量により、名称が異なります。

登記事項証明書はデータとして情報を保存しているため、謄本としても抄本としても取得が可能です。

 

では早速、①~⑤までの5種類を見てみましょう!

①全部事項証明書(謄本)

全部事項証明書は、すべての事項が写されているものであり、謄本という意味です

全部事項証明書

そしてこの謄本は、

  1. 履歴事項証明書…証明書の請求日の3年前の日が属する1月1日以降の情報(登記・抹消など)をすべて記載したもの
  2. 現在事項証明書…現在、効力を有する情報(登記)のみを記載したもの
  3. 閉鎖事項証明書…履歴事項証明書には載っていない、証明書の請求日の3年前の日が属する1月1日以前の(抹消など)情報を記載したもの

に分かれています。

税務署や金融機関に”登記簿謄本の提出”を求められたら、”履歴事項証明書”を提出するのが一般的です。

ちなみに履歴事項証明書には、現在事項証明書・代表者事項証明書の内容も含まれるため、1通が50枚を超えてしまう場合もあります。

50枚を超える毎に、100円の手数料が加算されるので、覚えておきましょう。

特に指定されてなければ、履歴事項証明書を取得しよう。

②一部事項証明書(抄本)

一部事項証明書は、一部の事項のみが写されているものであり、抄本という意味です。

一部事項証明書

そして抄本も謄本と同じように、3種類に分かれています。

加えて抄本は、

  1. 株式・資本区…発行可能株式総数や資本金の額など株式や資本金に関する内容
  2. 目的区…会社の目的
  3. 役員区…取締役、代表取締役などの役員に関する内容
  4. 支配人・代理人区…支配人・代理人に関する内容(2名以上いる場合、どの人に関する内容か選択が可能)
  5. その他…以上4つ以外の区について知りたい場合は記入

の中から必要な区を選択して取得が可能です。(複数選択も可)

③代表者事項証明書

代表者事項証明書とは、

  • 会社法人等番号
  • 商号
  • 本店
  • 代表者の資格、氏名、住所

など代表者に関する内容のみが記載してあるものです。

ちなみに、この内容は全部事項証明書のうち履歴事項証明書にも記載されています。

代表者事項証明書

 

代表者事項を証明するだけなら、これだね!

④コンピュータ化以前の閉鎖登記簿の謄抄本

会社法人の登記簿は、法務省令により平成元年からコンピュータ化が進められました。

現在、東京の法務局はすべてコンピュータ化(=データ化)が完了しています。

そのコンピュータ化に伴って閉鎖された登記簿も存在するため、

  • コンピュータ化に伴う閉鎖登記簿謄本…コンピュータ化以前に作られた紙媒体の謄本
  • 閉鎖謄本…コンピュータ化以前に閉鎖した会社の紙媒体の謄本
  • 閉鎖役員欄…コンピュータ化以前に閉鎖した会社の紙媒体の役員欄
  • その他

の中から選択してください。

保存期間は、商業登記規則第34条により20年間と定められているため、20年を過ぎたものは破棄されます。

コンピューター化以前の閉鎖登記簿の謄抄本

閉鎖登記事項証明書・閉鎖登記簿とは?

閉鎖がつく言葉が2つ出てきましたが、どのように違うのか区別できましたか?

  • 閉鎖登記事項証明書…履歴事項証明書に記載してある3年以降の”閉鎖記録”が載っているもの
  • 閉鎖登記簿…何らかの事由により管轄する法務局から会社が移転・解散・吸収合併などをした場合に閉鎖された登記簿

のような違いがあります。

閉鎖という同じ言葉でも意味が異なるので、混乱してしまうかもしれません。

意味合いが異なるということを、頭に入れておきましょう。

⑤概要記録事項証明書

概要記録事項証明書は、動産・債権を譲渡したときの登記事項である

  1. 会社法人等番号
  2. 商号
  3. 本店
  4. 動産(債権)譲渡の登記番号
  5. 動産(債権)譲渡の登記年月日
  6. 動産(債権)譲受人の住所

などの内容を証明する書類。

まだ会社を設立したばかりで、動産・債権を譲渡していない場合、この項目はスルーしてしまって結構です。

概要記録事項証明書

これで全部です!必要なものにチェックしましょう!

取得方法

登記事項証明書交付申請書には、種類がたくさんありましたが、

  • 登記事項証明書(登記簿)全部事項証明書の履歴事項証明書

のように、一般的に考えられています。

その取得方法は…

  1. 最寄りの法務局へ行く
  2. あなたがいる都道府県の法務局に郵送する
  3. オンラインで請求する

の3つです。

【裏話】登記情報の閲覧だけしたい方

今回は登記事項証明書の取得にスポットを当てていますが、登記情報だけ閲覧する方法も、こそっとお伝えします。

それは、”登記情報提供サービス”を利用する方法です。

この方法であれば、すべての登記事項を閲覧できます。

利用方法は、

  • 一時利用(クレジットカード決済)
  • 登録利用(個人:クレジットカード/法人:口座振替)
  • 公共電子確認(無料)

の中から、いずれかを選択。

公共電子確認を利用する場合、事前登録は必要となりますが、無料で閲覧できるので便利です。

詳しい方法は、コチラからご覧ください。

1. 最寄りの法務局へ行く

登記事項証明書は、誰でも*手数料(600円/1通)を払えば、最寄りの法務局にて取得が可能です。

上で紹介した交付申請書は法務局に備え付けてあるので、

  • 窓口に来た人の住所・氏名
  • 商号・名称(会社等の名前)
  • 本店・主たる事務所(会社等の住所)
  • 会社法人等番号

を記入し、取得したい登記事項の種類を選択します。

そして、手数料分の収入印紙も法務局で購入できるので、それを張り付けて窓口に提出すれば完了。

*…50枚を超えるごとに100円の手数料が加算されます。

【早ワザ】証明書発行請求機を使う

証明書発行請求機を最寄りの法務局で見かけたことはありませんか?

それを利用すると交付申請書の記入を省略できるので、時間短縮が可能です。

さらに、法人の印鑑カードを持っていくと、証明書発行請求機に請求情報を入力する手間も省けます。

ただしそれを利用する場合、代表者の生年月日が必要になるので、事前に確認しておきましょう。

注意点としては…

  • 証明書発行請求機が設置されている場所が限られている
  • 証明書の枚数が20枚を超える場合、この端末から取得できない

などがあります。

できなかった場合は、法務局職員の方に質問してみてくださいね。

わざわざ法務局まで行くなら、早ワザを使いたいね!

2. あなたがいる都道府県の法務局に郵送する

あなたの会社がある道府県内法務局宛てに、以下の3つを郵送してください。

  1. 登記事項証明書交付申請書(法務局ホームページから印刷)
  2. 申請手数料分の収入印紙(*手数料500円/1通
  3. 返送用封筒(返信先の記入・切手(82円)の貼付を忘れずに)

*手数料…50枚を超えるごとに100円の手数料が加算

郵送後2、3日登記事項証明書が届くことがほとんどです。

ただし金曜日に請求を行った場合は、土日を挟むので、通常より時間がかかってしまいます。

郵送を利用するなら、日にちに余裕を持って送るようにしましょう。

3. オンラインで請求する

平日の8時半~21時の間、

  1. かんたん証明書請求を利用
  2. 申請用総合ソフトを利用

のいずれかの方法で、オンライン請求が可能です。

どちらの方法を取っても、受け取る方法としては…

  • 郵送   (手数料 500円/1通
  • 窓口受取 (手数料 480円/1通

のどちらかを選択します。

郵送と窓口受取の方法
  • 郵送を選択した場合

手数料納付の確認後、請求先の法務局から、申請した*翌日に届きます。

*…17時を過ぎて申請すると、届くのは翌々日です。

 

  • 窓口受取を選択した場合

以下の手順を踏んで、取得することになります。

  1. 処理状況確認画面にある納付をクリックして現れる画面(例:かんたん証明書請求の場合申請用総合ソフトの場合を印刷
  2. そのページ上部の記載欄に受取人の氏名住所*受け取れる通数を記入
  3. ②を持って、請求先の法務局へ

*受け取れる通数…請求したが、エラーとなったものは含まない

ちなみに…②の代わりに、証明書の受取人の氏名住所請求に係る通数申請番号を記入したものを提出しても大丈夫です。

 

パソコン苦手なピーバにも、できるかな?
1. かんたん証明書請求を利用

かんたん証明書請求は、自宅でも会社でも、Web上で必要な事項を入力すれば、請求できます。

詳しくは、試してみた方が早いかもしれませんが…

  1. パソコンでかんたん証明書請求の利用環境を整備
  2. 申請者情報を入力
  3. 請求する証明書を選択
  4. 請求書を作成
  5. 納付情報を入力
  6. 送信
  7. 処理状況を確認
  8. 手数料を納付(インターネットバンキング・ATM
  9. 証明書の受取

の手順を踏んで、ササっと取得。

2. 申請用総合ソフトを利用

申請用総合ソフトを利用する場合、

が必要なため、1.の方法よりも手間がかかります。

申請用総合ソフトを頻繁に利用する予定がない限りは、1.の方法を選択した方が良いでしょう。

申請用総合ソフトによる請求方法は…

  1. 申請用総合ソフトをインストール
  2. パソコンで申請用総合ソフトの利用環境を整備
  3. 申請者情報登録
  4. 電子証明書の取得
  5. 申請書を選択
  6. 申請書を作成
  7. 納付情報入力
  8. 送信
  9. 処理状況の確認
  10. 手数料の納付(インターネットバンキング・ATM
  11. 証明書の受取

の手順で取得できます。

よし、登記事項証明書を取得しよう。

今回、取得方法としては、

  1. 最寄りの法務局へ行く
  2. あなたがいる都道府県の法務局に郵送する
  3. オンラインで請求する

の3つをご紹介しましたが、便利だと感じる方法は人それぞれです。

あなたにとって一番便利な方法を選択してみてくださいね。

冒頭でお話した

  • 登記事項証明書と登記簿謄本の違いは?
  • どこに取りに行くのか?
  • 家から出ないで、取得できるのか?

などの疑問は解消しましたか?

分からないことや不安が残っている方は、ぜひ法務局に電話してみてください。

※いきなり法務局に連絡しづらいときは、下記フォームからお問い合わせを!

スタッフがあなたのために、丁寧に対応します!

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