会社設立時の社会保険について、下記のような疑問をお持ちのあなたに朗報です。

  • 会社を設立したはいいものの、どの社会保険に入ればいいのかわからない…
  • 加入するときは何を用意すればいいのだろうか…
  • 必要書類の提出先はどこ?

本記事を読めば、会社設立時に避けては通れない社会保険の基本的なことが丸わかり。

ぜひ迷ったときは参考にしてみてくださいね。

必ず加入する社会保険は5つ♪

5つの社会保険

会社を設立して従業員を雇った場合…

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険
  5. 介護保険

上記5つ全ての保険に加入してもらう必要があります。

①:健康保険

健康保険

社会保険の中で一番オーソドックスなものが、健康保険

病院に行ったときに受付で提出する保険証は、健康保険に加入しているという証です。

健康保険に加入していると医療費の7割を負担してくれるので、患者(3歳~69歳)が実質的に払うのは3割で済みます。

患者(3歳~69歳)が医療費を負担する割合は下表のとおりです。

年齢患者負担割合
3歳未満2割
3歳~69歳3割
70~74歳1割(※)

※同一世帯に課税所得が145万円以上の人がいるときは3割負担。(年収により申請することで1割負担になるケースもアリ)

ちなみに75歳以上は「後期高齢者医療制度」という別の医療制度が適用されるよ。

さらに健康保険は…

  • 中小企業・・・協会けんぽ(全国健康保険協会
  • 大企業・・・組合健保
  • 公務員・・・共済組合

と、属している場所によって健康保険の種類が変わってきます。

詳細は以下の枠をクリックして参考にしてみてください。

健康保険の種類について

基本的に大企業は組合健保、中小企業は協会けんぽ、公務員は共済組合と、加入している健康保険の種類は異なります。

それぞれにどのような特徴があるのか、一緒に見ていきましょう。

協会けんぽ(全国健康保険協会)

協会けんぽは、約200万以上の会社が加入している代表的な保険です。

全国健康保険協会が運営している協会けんぽは、2008年10月1日に設立されました。

保険料率は都道府県ごとに違いますが、おおむね10%前後になっています。

組合健保

組合健保は、社員数700人以上の企業が独自で運営している健康保険組合です。

また同業種の企業を合わせて合計3000人以上になる場合も、健康保険組合を作ることができます。

つまり組合健保は大企業やその子会社・グループ会社がほとんどです。

保険料率はおよそ10%と協会けんぽと大差はありませんが、組合健保には、付加給付という特典があります。

付加給付の内容は、毎月負担する医療費の上限額が25000円になるというもの。(※組合によって多少異なります)

極端な話、大きな手術で医療費が200万円かかったとしても、実際に払うのは25000円で済むということです。

組合健保にすら入っていれば、民間の医療保険などに加入する必要がなくなるので、精神的にも経済的にも安心できますね。

やっぱり大企業の待遇は違うなァ!

共済組合

最後に紹介する共済組合は主に公務員が加入している保険です。

国家公務員と地方公務員で加入する共済組合の団体は違うので、保険料率も変わってきます。

国家公務員共済組合の保険料率(平均)は8%強で、地方公務員は9%台です。

とくに国家公務員の保険料は、協会けんぽや組合健保に比べて負担が少なく設定されています。

さらにレジャー施設などが共済組合と提携している場合、一般料金よりも安く利用することが可能です。

(参考資料:医療保険制度関係資料

意外と見落としがちですが、勤めている会社によって違うので、今一度保険証を見ながら確認してみてくださいね。

②:厚生年金保険

年金手帳

厚生年金保険は、会社員や公務員など主に労働者が加入する年金の制度です。

厚生年金の保険料には国民年金の分も含まれているので、国民年金だけに加入している人よりも、定年後に支給される年金の額が高くなります。

国民年金と厚生年金について

国民年金は日本国内に在住する20歳~59歳までの人すべてが加入必須の年金制度で、基礎年金とも呼ばれています。

年金の階層

上図でもわかるように、厚生年金は国民年金の上に積まれている2階部分に相当するので、年金を受け取る際は国民年金と厚生年金の2種類分の年金をもらうことができます。

さらに3階部分には厚生年金基金があり、加入するとさらに多くの年金を受け取ることが可能です。

保険加入の対象者は、従来は所定労働時間が週30時間以上の労働者に限られていました。

しかし現在は加入対象が広がったため、5つの条件を満たせば週30時間未満のパートやアルバイトでも加入ができるようになりました。

週30時間未満でも加入できる5つの条件は…

  1. 週20時間以上(残業時間は含めない)
  2. 月額の賃金が8万8000円以上
  3. 勤務期間の見込みが1年間以上
  4. 学生ではないこと(夜間・通信・定時制は除く)
  5. 従業員が501人以上の企業

基本的には上記5つの条件を満たしている必要がありますが、平成29年4月からはさらに緩和され、従業員が500人以下でも労使間で合意があれば加入することが可能になりました。

ここで言う労使間の合意とは、事業主と労働者の1/2以上の合意があった場合です。

このような経緯で加入する場合は、事業主が同意書(=労使間で合意をしている証明)を持参のうえで。管轄の年金事務所に申請する必要があります。

あまり長時間働けなくても、保険に加入できるのは嬉しいね!

③:雇用保険

雇用保険

雇用保険は民間企業の従業員が失業したときに、再就職するまでの一定期間の失業手当が受給されるものです。

受給期間は離職した日の翌日~最大で1年間になります。

④:労災保険

労災保険

労災保険は民間企業の従業員が、業務上のことが原因でケガや病気をしたり亡くなってしまったときに備えるものです。

労災の対象は業務中だけでなく、通勤中も該当するということも抑えておきましょう。

昨今は、過労死のニュースとかでよく聞く言葉だよね…。

⑤:介護保険

介護保険

介護保険は、将来的に自身の介護が必要になったときに備えるもので、40歳以上の労働者が加入の対象です。

特定の病気・疾患などにより要介護認定を受けると、段階に応じて最大で介護による費用の9割を負担してもらえます。

要介護認定の判定基準

要介護認定の申請をすると…

  1. 要支援1
  2. 要支援2
  3. 要介護1
  4. 要介護2
  5. 要介護3
  6. 要介護4
  7. 要介護5

この7段階に分けられて判定されます。

その判定基準は…

  • 身体機能・起居動作

生活上で基本的なことがどの程度まで可能か確認します。一例として体に麻痺している部分がないか確認したり、張力や視力などチェックするのは計13項目

  • 生活機能

日常生活をするうえで必要な食事、排せつ、着替え、外出などが、どの程度できるか確認します。

  • 認知機能

自身の氏名・住所・生年月日や、簡単な質問に対する受け答えなどができるかをチェックします。

  • 精神・行動障害

社会で生活していくうえで、他人の迷惑になる行動の有無に加え、精神面では情緒不安定になることがあるかを確認します。

  • 社会生活への適応

簡単な買い物や料理の可否に加え、薬の服用などを忘れずにできるかなどをチェックします。

実際に用意するべき書類と手続き方法を詳しく!

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険
  5. 介護保険

上記5つの社会保険に加入するためには書類を用意する必要があります。

それでは実際に加入手続きをするには、どのような書類を用意すればいいのでしょうか?

一緒に確認していきましょう。

①健康保険・②厚生年金保険・⑤介護保険

健康保険・厚生年金保険・介護保険

 

健康保険、厚生年金保険、介護保険は、すべてまとめて申請することが可能です。

(ちなみに介護保険は、40歳になってから自動的に適用されます。)

書類は会社設立後5日以内年金事務所に提出しましょう。

提出方法には、

  1. 電子申請
  2. 郵送
  3. 窓口持参

の3パターンがあります。

必要書類はそれぞれのケースや状況によって多少変わってくるので、あらかじめ各自でリサーチしておいてくださいね。

もし不明点があれば、コチラからお気軽にご相談ください。

提出書類

提出する主な書類は…?
  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者届

添付書類

提出書類に添付する主な書類は…?
  • 登記簿謄本の原本(提出日から90日以内のもの)
  • 保険料の口座振替依頼書
  • 事務所の賃貸借契約書のコピー

提示書類

提出まではしないものの、提示を求められる主な書類は…?
  • 出勤簿(タイムカード)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 源泉所得税の領収書

③雇用保険

雇用保険

雇用保険に加入するには、必要書類をハローワークに提出します。

提出方法は…

  1. 電子申請
  2. 窓口持参

の2パターンです。

提出書類

主な提出書類は…?
  • 雇用保険適用事業所設置届(10日以内)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(翌月10日まで)

雇用保険適用事業所設置届は、従業員を雇用した日の翌日から10日以内にハローワークに提出します。

雇用保険被保険者資格取得届の方は、雇用した月の翌月10日までが提出期限です。

添付書類

提出書類に添付する主な書類は…
  • 登記簿謄本の原本(提出日から90日以内のもの)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 労働保険関係成立届の控え

④労災保険

労災保険

最後に紹介するのは、労災保険の申請時に必要な書類です。

労災保険の加入に必要な書類の提出先は、労働基準監督署労働局に分かれます。

提出方法は…

  1. 電子申請
  2. 窓口持参

の2パターンで、電子申請なら厚生労働省のHPから申請ができます。

提出書類

主な提出書類は…?
  • 保険関係成立届(10日以内)
  • 労働保険概算保険料申告書(50日以内)
  • 就業規則届(従業員が10人以上)

保険関係成立届は、従業員を雇用した日の翌日から10日以内に労働基準監督署へ提出します。

労働保険概算保険料申告書の提出期限は、加入手続きの成立後50日以内で、提出先は労働局です。

また従業員が10人以上になる場合は、就業規則届を労働基準監督署に提出する必要があります。

添付書類

提出書類に添付する主な書類は…?
  • 会社の登記簿謄本
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿

ピーバのQ&Aコーナー!~社会保険の手続き編~

本サイトの公式キャラクター・ピーバが、社会保険の手続きに関する疑問にお答えしていきます。

Q1:未加入のままだと、どうなりますか?

A1:未加入のままだと政府による立ち入りの検査が入ります。
検査を拒否したり、故意に未加入のまま放置していると罰則が課せられる可能性もあるので、気をつけましょう。

Q2:社長が1人だけの会社でも加入は必須ですか?

A2:社長1人だけの会社だとしても、社会保険の加入は必須です。
健康保険法第3条、厚生年金保険法第9条にて明記されています。

Q3:未加入でもOKの場合はどんなケースですか?

A3:たとえ会社の社長でも、給与がゼロの場合は未加入で大丈夫です。
また給与が保険料より低い場合も天引きができないので、そもそも加入することができません。
給与が保険料より少ない状態で会社を存続させるのはほぼ不可能なので、実質会社を設立したら社会保険に加入することになります。

まとめ~加入する社会保険をしっかりと把握しよう~

会社を設立する際に加入するべき社会保険のことは、把握してもらえたでしょうか?

最後にまとめると、加入する社会保険は…

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険
  5. 介護保険

の5種類でしたね。

また加入する際の必要書類や提出期限も、保険によって異なっています。

それぞれの保険のことをしっかりと理解したうえで、未加入で罰則などを受けることがないよう気をつけていきましょう。

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