今まで勤めてきた会社の就業規則の内容を知っていますか?

「就業規則なんて見たことないけど、必要なの?」

と思う方もいるでしょう。

しかし社長になったら、“就業規則”を軽視してはいけません。

就業規則は、

  • 作成義務
  • 届出義務
  • 周知義務

上記3つが法律で定められています。

その義務を守らないと罰金が科せられるため、就業規則の基本事項を身に付けておきましょう。

「知らなかっただけなのに…」なんてことにならないように!

就業規則とは?

就業規則は、その会社に勤める全ての人が守るべき“基本ルール”をまとめているものです。

“基本ルール”は会社の上司・部下関係なく、守らなければなりません。

なぜなら、就業規則は、

労働者が安心して働ける明るい職場を作るために、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくこと

(参考(一部抜粋):厚生労働省/モデル就業規則

上記を目的として作成するものだからです。

就業規則を定めることで、トラブルが起きてもすぐに沈静化を図れます。

就業規則ってホントに必要?

ズバリ、就業規則は必要です!

*常時十人以上の従業員を雇っている場合は、就業規則が必要です。(下記労働基準法第89条参照)

*常時十人以上…下記「素朴な疑問5点」にて詳細アリ。

(作成及び届出の義務)
第八十九条 *常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない

(参考(一部抜粋):労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

そして就業規則を作成したら、労働者に周知することが労働基準法において義務づけられています。

(法令等の周知義務)
第百六条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない

(参考(一部抜粋):労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

常時10人以上の従業員を雇っている場合は「就業規則は作るもの」と捉えておきましょう。

【その他のQ&A】気になる5つの素朴な疑問

就業規則を作成するにあたり、気になる5つの疑問にお答えします!

  1. 常時10人以上とは?
  2. 就業規則がなくて、困るのはどんなとき?
  3. テンプレートを利用していい?
  4. 就業規則については誰に相談するべき?
  5. 作成費用は、どのくらい?

Q1. 常時10人以上とは?

常時10人以上にカウントされる従業員は、次の3つすべてに該当する場合です。
  • 事業所ごとに(本社、支社など)
  • 正社員以外の雇用形態の人も含めて
  • 日常的に働く人

上記に当てはまる従業員が10人を超えた場合は、就業規則を作成・届出・周知する義務があります。

ちなみに、就業規則はそれぞれの事業所(支店、営業所、工場など)ごとに作成するものです。

そのためすべての事業所を合わせると10人超えるけど、1ヵ所ずつ見ると10人を超えてない場合は、作成義務はありません。

10人未満の場合、就業規則の作成などの義務はないですが、就業規則を作成してもOKです。

就業規則を作成するメリット

「従業員10人未満だし作成しなくていいや!」

「従業員10人以上だけど、作成して意味あるの?」

と思っている方は、以下に挙げるメリットを見てから検討してみてください。

≪就業規則があることのメリット≫

  1. 従業員と会社の間のトラブルが起きる前に防げる
  2. 問題を起こす社員の懲戒処分などを定めておけば、すぐに対処できる
  3. 問題が起きる度に会議を開く必要がなくなる
  4. 従業員から訴えられたときなど、就業規則を楯に会社を守れる
  5. 従業員が「問題が起きても会社が守ってくれる」と安心して働ける
  6. 有給休暇や残業代が決まっていれば、従業員同士で気軽に質問し合える
  7. 就業規則を保存しておけば、業務連絡時間の短縮や口頭説明時の間違いを減らせる
  8. 社員が10人以上になったときに急いで作成する必要がない

就業規則を作成するだけで、これらすべてのメリットがあると考えたら、従業員の人数に関わらず作成した方が良いでしょう。

Q2. 就業規則がなくて、困るのはどんなとき?

就業規則がないと、以下のようなときに困るでしょう。
  • 社員と労務関係でトラブルが起きたとき
  • 会社全体の環境や社員のモラルにバラつきがあるとき
  • 就業関連において、社員間で不信感が芽生えたとき

問題が発生する度に対処法を考えるなどの手間がかかることを考えれば、先に就業規則を作成しておいた方が無難でしょう。

Q3. テンプレートを利用していい?

オススメはしません。

なぜなら、そのまま写すには、以下の点で問題があると言えるからです。

  • 労働者有利に作られている場合が多い
  • 今の法律が反映されていない可能性もある
  • あなたの会社に合っているか分からない

テンプレートを利用するにしても、上記した点の確認を怠らないようにしてください。

Q4. 就業規則については誰に相談するべき?

専門家に相談することをオススメします。
  • 社会保険労務士
  • 弁護士

上記いずれかの専門家であれば、就業規則に関する知識を持ち合わせています。

どちらに頼むにせよ、就業規則の作成に精通していて、親身に相談に乗ってくれる人が望ましいでしょう。

Q5. 作成費用は、どのくらい?

作成・届出自体には、お金がかかりません。

しかし専門家に相談しながら作成を行った場合、手数料がかかります。

手数料は3万円~50万円までと幅広く、頼む内容や相手にもよるため、金額に差が出てしまいがちです。

  • 初回相談無料
  • 2回目以降有料
  • チェック・レビュー
  • 一式作成

この金額差は質の違いであることが多いため、重要視するサービスを決めてから、作成を依頼した方が効率的でしょう。

疑問が解消できたら、実際に就業規則を作成するための基礎知識へ!

就業規則の記載事項

実際に作成する就業規則の記載事項は2つ。

  • 絶対的必要記載事項
  • 相対的必要記載事項

ただし就業規則として定めた内容が法律などに反している場合、労働基準監督署署長から変更するようにという旨の通達があります。

(下記内容は、厚生労働省/「モデル就業規則」に基づき記載。)

絶対的必要記載事項

絶対的必要記載事項とは、その名の通り、必ず記載しなければならない内容

  1. 労働時間関係
  2. 賃金関係
  3. 退職関係

の3つを記載しないと、労働基準監督署に届け出たとしても受理されません。

絶対的必要記載事項 記載内容
労働時間関係
  • 始業・終業の時間
  • 休憩(時間・取り方)
  • 休日(日数、取り方)

などの労働時間に関する内容

※労働者をいくつかに分けて交代で就業する場合、入れ替わる時のことも記載

賃金関係
  • 決め方
  • 計算・支払方法
  • 締切り・支払時期
  • 昇給

などの賃金に関する内容

退職関係
  • 退職の事由
  • 解雇の事由

などの退職に関する内容

相対的必要記載事項

相対的記載事項とは、定めたいルールがある場合に記載する内容。

以下の表で紹介するものは、ルールがすでにあったり、これから定めたいルールがある場合に、記載する項目です。

相対的必要記載事項 記載内容
退職手当関係
  • 就業規則が適用される労働者の範囲
  • 退職手当の決定
  • 計算・支払方法
  • 支払時期

などの退職手当に関する内容

臨時の賃金・最低賃金関係
  • 臨時の賃金(退職手当以外)
  • 最低賃金額

に関する内容

費用負担関係 労働者が負担する費用・金額に関する内容
安全衛生関係 労働環境の安全・衛生に関する内容
職業訓練関係 必要な職業訓練に関する内容
災害補償・業務外の傷病扶助関係
  • 災害時の補償
  • 業務外における傷病扶助

などに関する内容

表彰・制裁関係
  • 表彰
  • 制裁

の種類・程度に関する内容

その他 事業所の労働者すべてに適用されるルールに関する内容
【一口メモ】休職者の増加

近年、精神疾患などの事由により休職する人が増えています。

従業員から休職を申し出られたときの対応が定まっていないと、その場でどうするか考えなければなりません。

精神疾患の場合「就業日数を減らしたい」「数ヶ月休職したい」など、人それぞれ希望が異なることが多いので…

  1. 休職中の賃金
  2. 日数
  3. 労災問題
  4. 復職方法

などは考えておきましょう。

また病気による休職者を減らすためにも、健康診断やストレスチェックなどを行う旨も就業規則に含めるとベターです。

就業規則の作成方法

就業規則の記載内容が確認できたら、以下の手順で作成していきましょう。

  1. 就業規則に記載する内容を考える
  2. 就業規則の形式を決め、原案を作成する
  3. 従業員などに意見を聴く

各段階において専門家でなければ、分かりづらいところがあるかもしれません。

そのため、困ったときに相談できる専門家をあらかじめ探しておくことが、スムーズに作成するコツです。

最下部にあるフォーマットからご質問頂ければ、社労士がお答えします!

①:就業規則に記載する内容を考える

就業規則に記載する事項を考えるときは、以下の2点を指標とします。

  • どのような社風の会社にしたいか
  • 従業員にどのように働いてほしいか

また、厚生労働省が掲載している「モデル就業規則」に目を通すのもオススメ。

ただし「モデル就業規則」を丸写しするのではなく、項目1つ1つを指標に照らし合わせたうえで、考えていくのが重要です。

内容を決める前に!3つの確認事項

  • 法律で定められている最低基準を上回る内容であるか

…法律違反となる内容は、労働基準監督署から変更を要求されます。

  • 既に決まっている待遇を勝手に変えていないか

…給与関係など従業員との契約を結んでいる場合、従業員が変更に同意しない限り、保証しなければなりません。

  • 労働者の分類を定めているか(正社員・パートタイマー・アルバイト)

…この段階で、今回作成する就業規則が正社員向けならば、パートタイマー・アルバイト向けのものを別に作成する必要があります。

    ②:就業規則の形式を決め、原案を作成する

    考えた内容をどのようにまとめるかを決める段階です。

    就業規則のテンプレートは種類が豊富なため、迷うかもしれません。

    しかしここでは、あなたの会社に適した形式を決めることが課題となります。

    様々なテンプレートを参考にして、就業規則の原案を作成しましょう。

    原案作成後の最終チェック!

    従業員に意見を聴く前に、最終チェックとして、以下の3つをご確認ください。

    • 労働基準法で定められている絶対的必要記載事項が記載されているか
    • 誤解が生じるようなあいまいな表現を用いていないか
    • 従業員にとって不利益になる内容がある場合、代替措置の検討もしているか

    ここまでの作業を抜かりなく行っておけば、従業員からも適切な意見を聴けるでしょう。

    ③:従業員などに意見を聴く

    就業規則を作成するには必ず、従業員である

    • 労働者の過半数で組織される労働組合
    • 過半数の労働者を代表する者(過半数代表者)

    に意見を聴かなければなりません。

    これは労働基準法にて以下のような定めがあるため、省くことのできない大切な手順です。

    (作成の手続)
    第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない

    (参考(一部抜粋):労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

    意見を聴くとは?

    意見を聴くとは、意見に耳を傾けるという意味で、同意が必要という訳ではありません

    そのため、もし労働組合などから「納得できないから、意見書を提出しない!」などと言われても焦らなくて大丈夫です。

    その際は…

    • 労働組合などが就業規則に対する意見を考えるために、十分な期間を設けた
    • 意見書を提出しなかった

    の2点を証明する書類を提出すれば、労働基準監督署は受理されます。

    労働者の過半数を代表する者とは?

    厚生労働省によれば、労働者の過半数を代表する者を定義する要件は2つ。

    1. 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
    2. *36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、投票、挙手などにより選出すること

    1つ目の要件における管理監督者の意見は、どちらかと言えば経営者側の意見になりがちのため、ふさわしくないと考えられています。

    また2つ目の要件である「投票、挙手などにより選出」という点も重要。

    なぜなら「投票、挙手」などの民主的な決定方法でなく、使用者が勝手に決めると法律違反になるからです。

    違反すると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。

    また、支店や営業所、工場などがいくつかある場合は、その場所ごとに労働者の過半数を代表する者を選出する必要があります。

    何人選出するにせよ、2つの要件を守って、労働者の過半数を代表する者を決定しましょう。

    *36協定…労働基準法36条において定められている「従業員に残業や休日労働を行わせる」ことについて締結しなければならない協定のこと

    就業規則を作成したら、≪届出・周知編≫へ!

    就業規則を作成する手順は…

    1. 就業規則に記載する内容を考える
    2. テンプレートに落とし込む
    3. 従業員などに意見を聴く

    この手順に沿って、従業員・会社の双方にとっても、良い就業規則を作成しましょう。

    雇用人数が10人以上の場合は、

    • 届出作業
    • 周知作業

    を忘れると法律違反になるので、忘れずに行いましょう。

    10人以下の場合は義務ではありませんが、労働基準監督署に届出ておけば、その後人数が増えたとしても安心して使用できます。

    従業員にとっても就業規則のある職場は安心して働けるため、よりよい職場環境が実現できるでしょう。

    ※適切な就業規則が、あなたの会社の発展を手助けします。

    ぜひ、社労士までご相談ください!

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