確定申告をするうえで、外せないのが控除関連。

控除には「所得控除」と「税額控除」があり、それぞれにも様々な種類の控除が存在します。

今回はその中から税額控除の1つである「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」について紹介。

対象者や控除額、添付書類などを一緒に確認していきましょう。

もくじ

【住宅ローン控除】とは?

住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除)とは、住宅ローン等を利用してマイホームの購入や増改築などをしたとき、一定の要件を満たすと利用できる税額控除の一種です。

確定申告や年末調整などでよく目にする基礎控除、配偶者控除、医療費控除などは「所得控除」ですが、この住宅ローン控除は「税額控除」なので、所得控除後の税額から直接差し引かれます。

次で所得控除との違いを詳しく見ていきましょう。

“所得”控除と“税額”控除の違い

税額控除と所得控除

画像引用元:住宅ローン控除(減税)の図解解説と減税額早見表2020-計算方法をわかりやすくシミュレーションで解説

所得控除と税額控除の違いは、下記をご覧ください。

  • 所得控除…課税の対象となる額を控除するため、その額に税率をかけた結果、減税になる控除
  • 税額控除…算出された所得税額から、直接税額が減る控除

所得控除は課税対象の額が控除されるので、減税になった実感はそこまで感じられないかもしれません。

一方、税額控除は所得控除後の納税額が減るので、減税になったことが目に見えてわかるでしょう。

同じ“控除”で税額が減っても、それぞれ違いがあるんだね。

【住宅ローン控除】対象者は?

ここからはどのような場合に住宅ローン控除が利用できるのか、対象者の要件を確認していきましょう。

対象者となる主な要件は、次のとおり。

  1. 取得・増改築した日から6ヶ月以内に入居している
  2. 合計所得金額が3000万円以下である(40㎡以上50㎡未満の場合は1000万円以下)
  3. 取得した住宅の床面積が50㎡以上(40㎡以上)である
  4. 10年以上のローンを組んでいる
  5. 居住用財産を譲渡した場合の特例を受けていないこと
  6. 築20年以内(耐火建築は築25年以内)である ※中古住宅の場合
  7. 親族や特別な関係のある者からの取得や贈与ではないこと ※中古住宅の場合

参考サイト(国税庁HP)

No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除

①:取得・増改築した日から6ヶ月以内に入居している

住宅ローン控除を受けるには、住宅の取得・増改築などをした日から6ヶ月以内に入居しなければなりません。

また控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることも、必須です。

ただし途中で適用者が亡くなった場合、その日まで引き続き住んでいたことが要件となります。

②:合計所得金額が3000万円以下である

合計所得金額が3000万円超の場合は、住宅ローン控除の利用はできません。

ただし税制改正により、2019年10月以降で消費税率10%の売買では、通常10年の控除期間が13年に延長となりました(下部でも説明)。

その分について契約期限入居期限を満たした場合、③で説明する床面積要件が50㎡以上から40㎡以上へと緩和されます。

上記の緩和策により、床面積が40㎡以上50㎡未満の場合、合計所得金額の要件が1000万円以下となります。

【税制改正!】適用となる契約期限と入居期限

通常10年の控除期間が13年に延長された税制改正ですが、適用となるには契約期限と入居期限を満たさなければなりません。

  • 契約期限…注文住宅は2020年10月~2021年9月、分譲住宅等は2020年12月~2021年12月
  • 入居期限…2021年1月~2022年12月

つまり注文住宅なら2021年9月、分譲住宅なら2021年12月までに契約さえしていれば、入居は2022年12月まで猶予があります。

詳細は国土交通省HPをご確認ください。

契約だけでも早めに済ませたほうがいいんだね!

③:取得した住宅の床面積が50㎡以上(40㎡以上)である

取得した住宅の床面積が50㎡以上であるというのも必要要件です。

それに加えて床面積の1/2以上を自己の居住用としていなければなりません。

ただし上記で説明した契約期限と入居期限を満たしている場合は、40㎡以上へと緩和されます。

床面積の判断基準は?

床面積の判断基準は、次の4点で見ていきます。

  1. 登記簿に表示されている床面積で判断
  2. マンションの共有部分(階段や通路など)は床面積に含まず、専有部分のみ対象
  3. 店舗や事務所と併用している場合は、その部分も床面積として入れられる
  4. 夫婦や親子で共有している場合は、ほかの人の共有部分も含めた建物全体の床面積として判断

④:10年以上のローンを組んでいる

控除を受けるには、次のいずれかに当てはまることも必須です。

  • 10年以上にわたって分割払いをする返済
  • 取得のために一定の借入金または債務がある

一定の借入金または債務の例

一定の借入金または債務の例は、次のようなものが挙げられます。

  • 銀行等の金融機関
  • 独立行政法人住宅金融支援機構
  • 独立行政法人都市再生機構
  • 地方住宅供給公社
  • 建設業者
  • 勤務先などからの借入金

上記のうち勤務先からの借入金の場合、無利子0.2%未満*の利率だと控除の対象になりません。

*2016年12月31日以前の場合は1%

また親族・知人からの借入金は、利率によらず全て控除の対象外となるので注意しましょう。

⑤:居住用財産を譲渡した場合の特例を受けていないこと

次の期間において居住用財産を譲渡した場合の特例(例:長期譲渡所得の課税の特例など)を受けていると、控除の対象外となります。

  • 2020年4月1日以後に譲渡した場合…居住した年とその前2年・後3年の計6年間
  • 2020年3月31日以前に譲渡した場合…居住した年とその前後2年ずつの計5年間

⑥:築20年以内(耐火建築は築25年以内)である ※中古住宅の場合

家屋が建築された日~取得日までの期間が20年(耐火建築物の場合は25年)であれば、中古住宅でも控除の対象です。

もしくは耐震基準を満たした建物(取得日までに耐震改修の申請をする建物を含む)でも、要件をクリアできます。

⑦:親族や特別な関係のある者からの取得や贈与ではないこと ※中古住宅の場合

取得時や取得後に同一生計の親族や特別な関係のある者から取得した場合は、控除の対象外です。

また贈与による取得は、誰からであっても控除の対象外なので頭に入れておいてくださいね。

【住宅ローン控除】控除期間と計算方法

下表に居住開始年月日ごとの控除期間と控除額の計算方法があるので、確認していきましょう。

基本的に控除額は、住宅ローン等の年末残高の合計額をもとに算出します。

居住開始年月日控除期間計算式控除限度額
2007年1/1~12/3115年・年末残高等×0.6%
・年末残高等×0.4%(11~15年目)

・15万円
・10万円(11~15年目)
2008年1/1~12/3115年・年末残高等×0.6%
・年末残高等×0.4%(11~15年目)
・12万円
・8万円(11~15年目)
2011年1/1~12/3110年年末残高等×1%
40万円
2012年1/1~12/3110年年末残高等×1%30万円
2013年1/1~12/3110年年末残高等×1%20万円
2014年1/1~2019年9/3010年年末残高等×1%・40万円
・20万円(特定取得以外)
2019年10/1~2022年12/31(※)・13年
・10年(特別特定取得以外)
・年末残高等×1%
・11~13年目は下記*
・40万円
・20万円(特定取得以外)

※契約期限は注文住宅なら2020年10月~2021年9月、分譲住宅なら2020年12月~2021年11月。

*特別特定取得の場合の11~13年目は、次のいずれか少ない額が控除限度額。

①年末残高等[上限は4000万円]×1%

②(住宅取得等対価の額ー消費税額)[上限は4000万円]×2%÷3

【用語解説】特定取得・特別特定取得とは?

上記の表で出てきた特定取得特別特定取得をご存知でしょうか?

それぞれ簡単に解説していきます。

  • 特定取得…住宅の取得にかかった消費税額等が、8%または10%の税率により課されるべき取得
  • 特別特定取得…住宅の取得にかかった消費税額等が、10%の税率により課されるべき取得

【住宅ローン控除】添付書類

給与所得者の場合、住宅ローン控除は初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で控除することができます。

【関連記事】年末調整で住宅ローン控除を利用するときの書類とは?

ここからは確定申告書に添付する書類を、敷地の取得に係る借入金等の有無により確認していきましょう。

今回は新築取得時の添付書類について解説します。(中古住宅の場合の添付書類は国税庁HPを参照)

敷地の取得に係る借入金等がない場合

借入金等がない場合の主な添付書類は、次のとおり。

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等

ダウンロード等は、国税庁HPにある明細書・計算明細書等の一覧から可能です。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、いわば住宅ローン控除の申込書のようなものです。

  • 住宅の価格・面積
  • 住宅ローンの年末残高
  • 住宅ローン控除額

上記のほか控除するのに欠かせない情報が詰まった書類です。

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書は、住宅ローンを契約した金融機関などから送られてきます。

  • 借入金の内訳
  • 年末残高・当初残高
  • 償還期間
  • 住宅所得対価等の額

上記のように住宅ローン控除の計算をする際に欠かせない書類なので、大事にとっておきましょう。

家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等

家屋の登記事項証明書請負契約書の写し、売買契約書の写し等は、実際に家屋があることを証明する書類として、次の要素がわかる書類を用意します。

  • 取得年月日
  • 取得対価の額
  • 床面積
  • (該当者のみ)特定取得 or 特別特定取得である事実 ※2014年以後の居住分に限る
  • (該当者のみ)補助金等の額
  • (贈与の特例の適用を受けているとき)住宅取得等資金の額がわかる書類の写し

敷地の取得に係る借入金等がある場合の追加書類

借入金等がある場合は、上記の書類に加えてさらに数種類の添付が必要です。

  • 敷地の取得年月日・取得対価の額を明らかにする書類
  • 敷地の購入に係る住宅借入金等が、一定の条件に該当するときの書類

敷地の取得年月日・取得対価の額を明らかにする書類

敷地の取得年月日・取得対価の額を明らかにする書類は、たとえば下記のようなものが挙げられます。

  • 登記事項証明書
  • 売買契約書の写し
  • (該当者のみ)補助金等の額がわかる書類
  • (該当者のみ)贈与の特例に係る住宅取得等資金の額がわかる書類の写し

敷地の購入に係る住宅借入金等が、一定の条件に該当するときの書類

購入時に次のいずれかの条件に該当する場合は、それを証明する書類が必要です。

  • 新築の日前2年以内(=土地の購入から2年以内に建築)の購入に関する住宅借入金等
  • 新築の日前3ヶ月以内の建築条件付きで購入したときの住宅借入金等
  • 新築の日前に一定期間内の建築条件付きで購入したときの住宅借入金等

【住宅ローン控除】Q&A

ここからは、住宅ローン控除に関するQ&Aをご紹介していきます。

参考:No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

Q1:日本に住んでいないときに日本の住宅を購入する契約しても、控除の対象になりますか?

A1:2016年4月1日以降の引渡しであれば、日本に住んでいなくても控除の利用が可能です。

Q2:今は住んでいない住宅を増改築したときは、控除の対象ですか?

A2:増改築後6ヶ月以内に住めば、控除の対象です。

ただし自分以外の人がそこに住む場合は、控除の利用はできません。

Q3:年末調整の期限までに年末残高等証明書の交付が間に合わなかった場合は、どうなりますか?

A3:年末調整には間に合わなくても、確定申告で控除を受けられます。

また翌年1月31日までに交付をしてもらえれば、年末調整の再計算を求めることも可能です。

Q4:確定申告をする義務がなくても、控除を利用できますか?またその場合は、いつまでに申告すればいいですか?

A4:確定申告の義務がない人でも、控除の利用はできます。

期限は居住した年の5年後の12月31日までです。

まとめ~住宅ローン控除をしっかりと活用していこう~

今回は住宅ローン控除について、次のトピックを中心にお送りしてきました。

  • 住宅ローン控除とは?
  • 対象者は?
  • 控除期間と計算方法
  • 添付書類
  • Q&A

とくに添付書類などは、細かい要件があって理解に苦しんだかもしれません。

もし不明点や不安なことがあったら、いつでもスタートアップ会計事務所までご相談ください!

懸念事項を解決して、しっかりと住宅ローン控除を活用していきましょう。

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