下記のお悩みがある方は、給与の内訳給与計算の方法を確認してから、考えてみませんか?

  • 雇う従業員の給与をいくらにするか悩んでいる方
  • 給与額を考えてみたけど、これでいいのか不安な方

実際に支払う給与を考える場合、

  • 給与の内訳
  • 給与計算の方法

に関する知識があるか、ないかが大きく影響します。

想像より負担が大きい!なんてことにならないように、この記事で基本事項を確認してみましょう。

この記事内容さえ押さえておけば、安心!

給与の「総支給額」内訳を確認

会社にお勤めの方でも、給与明細をしっかりと理解できている方は少ないかもしれません。

しかし社長である“あなた自身”が支給するのに、内訳が分からないと、支給額を決めても懸念が残るでしょう。

内訳を把握して、確信を持って「総支給額」を決めていきましょう。

まず、総支給額の内訳は…

  • 基準内給与
  • 基準外給与

に分けられます。

総支給額の内訳

 

基準内給与

基準内給与とは、就業規則で決まっている所定労働時間内の労働に対する給与のこと。

また、残業代を計算するときや賞与を決定するときは、基準内給与を基礎として計算します。

基準内給与は、

  • 基本給
  • 諸手当

の2つに区分が可能です。

基本給

基本給とは、給与規定により決定している年齢勤続年数などにより決まるもの。

企業によっては、基本給を

  • 本給…年齢や勤続年数などに応じて支給
  • 役割給…企業が与えた役割に就いている方に支給
  • 職能給…仕事の能力の程度に応じて支給

のように分けている場合があります。

諸手当

諸手当は、基本給だけでは足りない部分を補足するもの。

諸手当の名称は企業によって異なるかもしれませんが…

  • 役職手当…役職に就いている方に支給
  • 家族手当…扶養家族の人数に応じて支給
  • 営業手当…営業成績が優秀な方に支給
  • 住宅手当…一定の要件を満たした方の住宅を補助するために支給
  • 通勤手当…一定の要件を満たした方に通勤費を補助するために支給

など給与規定により定められた手当を、基本給と共に支給します。

基準外給与

基準外給与とは、所定労働時間外の労働に対して支払う給与のこと。

たとえば、

  • 時間外勤務手当…所定労働時間以上に働いてくれた方に支給
  • 休日出勤手当*法定休日に出勤してくれた方に支給
  • 深夜手当…午後の10時から翌朝の5時の間に働いてくれた方に支給

などが、基準外給与として挙げられます。

*法定休日…労働基準法で決められている、週に1日の休日。

固定的給与・非固定的給与

上記のように、給与は様々な要素により成り立つものです。

その様々な要素は、

  • 固定的給与…従業員それぞれの頑張りに関係なく支払う給与
  • 非固定的給与…従業員1人1人の頑張りを考慮して支払う給与

の2つに区分されます。

そして、2つを合算した「総支給額」を用いて、給与計算を行います。

固定的給与 非固定的給与
本給 *皆勤手当
役割給・職能給 営業手当
役職手当 時間外手当
家族手当 休日出勤手当
住宅手当 深夜手当

*皆勤手当…所定の期間において、所定労働日数を1日も休まずに出勤した方に支給

給与計算の流れ

給与の内訳を確認したところで、実際に給与を計算する流れを見ていきましょう。

給与が支払われる日は会社により異なりますが、支払い日から3日前には、

  1. 給与計算に必要なデータを集める
  2. 控除すべきものを挙げる
  3. 手取り額を決定する

3ステップを完了させる必要があります。

このあと給与明細の作成や銀行振込み作業もあるので、銀行の振込み期日を先に確認してから、予定を立てるといいでしょう。

①:給与計算に必要なデータを集める

給与計算を行う前の準備として、給与計算を行うために必要なデータ収集を行います。

必要なデータは、以下の3つ。

  1. 人事データ
  2. 勤怠データ
  3. 業績データ

ここで、従業員Aさんの情報を基に、実際に給与計算してみましょう。

<例>従業員Aさんの場合

従業員Aさんは、勤続年数10年の32歳。

会社まで電車で30分以内のところに住む、独身男性。

今月は週休以外に休むことなく、勤務態度も至って良好。

5人の部下をまとめるマネージャーの役職に就いています。

また、今年の一大プロジェクトではチームリーダーを務めました。

そんなAさんの給与はいくらになるでしょうか。

勤続年数10年の基本給 230,000円
マネージャーの役職手当 20,000円
住宅手当 20,000円
通勤手当 8,640円
営業手当 25,000円
総支給額 303,640円

Aさんの勤続年数や年齢、住まい、役職などを人事データで、基本給や手当を確認します。

次に、勤怠データで出勤日数、勤務時間、残業時間を見たところ、欠勤も残業もなかったため減算も加算もなし。

(欠勤時は給与を減らすという給与規定がある場合は、総支給額から差し引く必要があります。)

最後に、業績データから営業手当の金額を計算して「総支給額」が確定。

このような手順を踏んで、「総支給額」は算定されます。

総支出額を時給にした場合、最低賃金は超えていますか?

最低賃金は、最低賃金法により定められている賃金の最低限度額のこと。

雇う側は最低賃金を超える額を支払わなければならないと、厚生労働省にて義務づけられています。

2019年度の東京都の最低賃金は1013円ですが、都道府県により金額が異なるので、あなたの会社のある都道府県の最低賃金を超えているかご確認ください。

また、毎年のように改定されるので「最低賃金改定」というニュースがないか、アンテナを張っておきましょう。

(参考:朝日新聞デジタル/最低賃金の格差、18年度から1円縮小 改善16年ぶり)

②:控除すべきものを挙げる

「総支給額」を算出し終えたら、次は、控除額」の算出に取り掛かりましょう。

主な控除額としては…

  • 社会保険料
  • 税金

の2つです。

社会保険料

社会保険の加入は、法で定められた最低限度の福利厚生です。

社会保険料は、以下の5種類。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

従業員を雇った場合、どれも加入が義務づけられています。

加入時の手続きは、こちらの記事をご参照ください。

社会保険料の会社負担額の算出方法

社会保険料は、従業員と会社で負担して、支払うものです。

これは「従業員に対する3大負担」の1つ。

会社の負担割合は、保険の種類により異なりますが…

  • 健康保険…4.95%
  • 厚生年金保険…9.150%
  • 介護保険…0.865%
  • 雇用保険…0.006%

というように4つの保険を合計して、約15%です。

加えて、労災保険は行っている事業により、高くて8%低くて0.0025%まで幅が広いので「労災保険率表」をご確認ください。

もし労災保険率が0.0025%の出版会社で、30万円の給与の従業員を雇ったとしたら…

300,000×14.9735%=44,920円

を会社負担額として支払うことになります。

従業員に対する3大負担

従業員に対する3大負担とは、

  1. 社会保険の会社負担分
  2. 残業代
  3. 従業員の有給休暇

として支払う給与のこと。

最近、残業代を払わず、未払い残業代を請求される企業が増えています。

これらは必ず発生するものとして考えておかないと、後々、財政的に厳しくなるでしょう。

最悪の場合、倒産に至るケースもあるので、他人事だと思わずに負担を負えるか考えてみてください。

税金

税金は基本的に、収入から必要経費を差し引いた所得の部分にかかります。

そのため、収入である給与を得ている以上、税金を支払わなければなりません。

一般的に給与を支給する際に差し引く税金は以下の2つ。

  • 所得税

給与所得の源泉徴収税額表にて、以下の2つを照らし合わせて決定した税額を、給与から差し引きます。

①:その月の社会保険料等控除後の給与等の金額がいくらか

②:扶養親族等の数

  • 住民税

毎年5月に6月から翌年の5月までの税額が自治体から届くので、それを給与から差し引きます。

③:実際に支払う金額(=手取り額)を決定する

総支給額から控除額を差し引く

最後に、「総支給額」から「控除額」を差し引いた残りが、実際に支払う金額です。

従業員にとっては実際に受け取る金額のため、手取り額とも言えます。

今年度の利益が多かったため、給料を上げるか考えている方

結論から伝えると、給与を上げずに、賞与を多めに支給するのが得策です。

事業が安定し、利益が想像以上に出た場合に、

  • 節税のため
  • 頑張ってくれている従業員を労うため

などの理由から、給与を上げたいと思うこともあるでしょう。

ただし安易に給与を上げてしまうと、来年度の利益が低い場合、給与の支払いがままならなくなるかもしれません。

給与の未払いで、会社が潰れてしまっては元も子もないので、会社の生き残りを最優先に考えることが大切です。

法律違反になる2つの例

支払い額は決定したものの、以下のケースに当てはまっていると法律違反になりますので、ご注意ください。

<例>①減給しすぎ

従業員Bさんは、遅刻や無断欠勤も当たり前、会社が与えたパソコンを私物化するなど会社の規則をことごとく守りません。

それに見かねた人事は、給与を3分の1の金額まで減給することを決定しました。

この場合、従業員が悪事を働き続けたとしても、労働基準法第91条“減給の定めの制限”によると以下のように決まっているため、法律違反になります。

一回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはなりません。また、複数回規律違反をしたとしても、減給の総額が一賃金支払期における金額(月給なら月給の金額の10分の1以下でなくてはなりません。

(参考:労働条件・職場環境に関するルール)

<例>②会社都合で休ませた

従業員Cさんの会社では、夏場になると仕事が激減するため、従業員に夏休み休暇という名目で休みを与えています。

仕事が激減して収入が少ないため、夏休み休暇中は、給料を支払っていませんでした。

この場合、休みが従業員の事情ではないので、労働基準法第26条“休業手当”により以下のように定められているため法律違反です。

使用者の責任で労働者を休業させた場合には、労働者の最低限の生活の保障を図るため、使用者は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません。

(参考:労働条件・職場環境に関するルール)

給与支払時の注意点

支払う金額が決定したら、最後は、給与を支払う時の注意点の説明です。

給与支払において法律で決まっていることもあるので「実は違法行為だった!」なんてことにならないように、

  • 賃金支払いの5原則
  • 給与明細の作成義務

の2点を確認しておきましょう。

賃金支払い5原則

賃金支払い5原則とは、給与の支払い方において、労働基準法24条で義務付けられていること。

  1. 通貨払いの原則…給与は現金支払い。(本人の同意があれば、本人名義の預金口座への振込も可)
  2. 直接払いの原則…他の人ではなく、本人に支払う。
  3. 全額払いの原則…分割ではなく、一括で支払う。
  4. 毎月1回以上の原則…年俸で契約していても、月に1度支払いを行う。
  5. 一定期日払いの原則…毎月25日など、日にちを決めて支払う。

以上の5点を守らない場合、罰金が科せられる場合があるので、必ず守りましょう。

給与明細の作成義務

給与明細の作成義務については、労働基準法には法律はなく、口座振替の人は給与明細を渡すようにという通達があるのみです。

ただし…

所得税法では、給与を支払う者は給与の支払を受ける者に支払明細書を交付しなくてはならないと定められています。したがって、会社には従業員に給与明細書を交付する義務があり、給与を支払う際に交付しなければいけません。

(参考:労働条件・職場環境に関するルール)

給与明細を作成せず渡さないと、罰金が科せられてしまうので、ご注意ください。

キホンを押さえた「給与支給額」設定を!

「給与支給額」のイメージはできましたか?

総支給額の内訳から、給与計算の流れまで確認してみると…

  • 給与の一部に会社が負担する部分があること
  • 法で決められていることがいくつかあること

など、意外と把握しきれていなかったこともあったかもしれません。

今回の記事の内容を踏まえて、

  • 法律違反にならない
  • 会社の負担が大きくなりすぎない

「給与支給額」を、ぜひ考えてみてくださいね。

ちなみに弊所には、税務に精通している税理士と、労務のプロである社労士が在中しています。

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