【パン屋を開業したい!】必要な資格と資金はどのくらい必要?
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「幼い頃からの夢だったパン屋を開業したい!」
「パン屋を開業するには、どんな資格が必要なんだろう?」
そんな想いを持っている方のために、今回はパン屋の開業について次のトピックを中心に紹介していきます。
- 【パン屋開業】必要な資格とは?
- 【パン屋開業】必要な資金はどれくらい?
- 【パン屋開業】3つのメリット
- 【パン屋開業】6つのステップ
- 目次
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【パン屋開業】必要な資格とは?
まずはパン屋を開業するのに必要な資格を、確認していきましょう。
- 食品衛生責任者
- 菓子製造業許可
- 飲食店営業許可
- 食料品等販売業許可
①:食品衛生責任者
食品衛生責任者は、店内で販売される食品の衛生管理について取り扱う資格です。
パン屋を開業するのであれば、食品衛生責任者の資格は必須となります。
食品衛生責任者となるためには、栄養士や製菓衛生師などの定められた資格を取得するか、都道府県等が行う講習会に参加することが必要です。
講習会は1日程度で終わるため、多くの人が講習会で食品衛生責任者の資格を取得しています。
開業に間に合うよう、日数に余裕を持って取得しておきましょう。
②:菓子製造業許可
菓子製造業許可は、食品衛生法で定められた営業許可のうちの1つです。
パンの加工を行う場合も、菓子製造業許可を取得する必要があります。
この許可を得るためには、保健所などに店舗の図面などを提出し、審査に合格しなければなりません。
- 手洗い場の設置基準
- ドアの設置基準
上記の観点ごとに細かく要件が定められているため、物件取得の際にはこれらの要件と合致しているものかどうかよく確認しておきましょう。
③:飲食店営業許可
飲食店営業許可は、パン屋に限らず飲食店を営業するなら必ず必要となる許可です。
この許可には次のような細かい審査基準が設定されています。
- 飲食店としてふさわしい設備が備え付けられているか
- 店舗の構造は防火などの観点から問題がないか
この許可を得るためには、まず店舗の図面を保健所へ提出する必要があります。
その後、実際に保健所の人が店舗内に立ち入り検査を行い、問題がないと判断されれば飲食店営業許可を取得することが可能です。
申請から取得までに約半月程度かかるため、余裕を持って申請をしておきましょう。
④:食料品等販売業許可
食料品等販売業許可は、店内で食料品を販売するために必要な資格です。
この許可を得るための基準も飲食店営業許可などと同じように、床や内壁など細かく定められています。
この審査基準はインターネット上で公開されているため、物件取得や内装工事を行う際にはよく確認しておきましょう。
取得のためには、保健所へ事前に書類を提出し、営業者立ち合いのもと保健所の施設検査に合格する必要があります。
【パン屋開業】必要な資金はどれくらい?
パン屋を開業するのに、資金はどのくらい必要になるのでしょうか?
下記2つの資金について、チェックしてみましょう。
- 初期費用
- 運転資金
初期費用
パン屋は調理に独自の設備が必要となるほか、店内に広めの販売スペースを確保する必要があります。
そのため、パン屋の開業には2000万円~3000万円ほどの初期費用が必要です。
その内容は、主に次のとおり。
- 物件取得費
- 外装工事費
- 内装工事費
- 空調費
- 販促費
- 設備・備品費
- 仕入れ費用
この中でも大きい比率を占めるのが、物件の取得に必要となる店舗費用。
店舗の規模や開業するエリアにもよりますが、敷金や礼金、保証料などを含めて約500万円は必要になります。
運転資金
パン屋の運転資金の平均は、月々100万円~300万円と言われています。
パン屋を開業した後、経営がすぐに軌道に乗るとは限りません。
少なくとも2~3ヶ月分の運転資金は用意しておきましょう。
運転資金の中身は、主に次のとおり。
- 家賃
- 仕入れ費用
- 広告宣伝費
- 水道光熱費
- 人件費
- 税金
運転資金の節約は、パン屋の経営を成功させるうえで重要なポイントです。
【パン屋開業】3つのメリット
続いて、パン屋を開業するメリットを3つ紹介していきます。
- 需要がある
- 自由な店舗経営ができる
- 未経験でも始められる
①:需要がある
パン屋を開業する最大のメリットは、需要があることです。
パン市場は1兆5000億円以上の規模があります。
さらに近年は高級食パンのブームなどもあり、今後も成長が期待できる市場です。
そのようなニーズに適した魅力的なパンを提供できれば、安定した売上が期待できるでしょう。
②:自由な店舗経営ができる
個人でパン屋を開業する場合、自由に店舗経営ができるというメリットがあります。
主に次のようなポイントは、オーナーが自ら決められるという自由度があるでしょう。
- 使用する素材
- パンの種類
- メニュー
- パンの価格
- 店内のデザイン
一方、フランチャイズに加盟する場合は本部のルールに沿った経営が必要なので、多少は制約があるかもしれません。
しかし中にはフランチャイズに加盟することで得られるサポートなどを受けつつ、営業形態、営業時間や日数などをオーナーが決められるところもあるので、事前にリサーチをしておきましょう。
③:未経験でも始められる
パン屋は、未経験者でも始められるというのがメリットの1つです。
パン屋の開業には専門的な資格が不要で、パン職人を雇えば未経験者でも問題なく開業できます。
また、フランチャイズの場合は研修制度が整っており、短期間で知識や技術を習得することが可能です。
高い調理技術を必要としないところもあるため、未経験者にとってチャレンジしやすい環境だと言えるでしょう。
【パン屋開業】6つのステップ
パン屋開業までの6つのステップを確認していきましょう。
- ライバル店のリサーチをする
- パン屋のコンセプトを決める
- 開業する場所と店舗のデザインを決める
- 必要な資格と申請書類の準備をする
- 初期費用や運営資金を調達する
- 集客のための宣伝をする
①:ライバル店のリサーチをする
パン屋はご存じのとおり、ありとあらゆるところに存在します。
付近のパン屋はもちろん、コンビニやスーパーマーケットのパンコーナーもライバル店になり得るのです。
そんな競争が激しいパン業界で生き残っていくためには、他店との差別化を実施していかなければなりません。
そのためパン屋を開業する前に、出店予定場所付近にあるライバル店の特色などをしっかりリサーチして、オリジナリティあふれるパン屋を出店して差別化をしていったほうがいいでしょう。
たとえば、次のようなポイントでリサーチすることをオススメします。
- どのようなパン屋が多いのか?
- パン屋の規模はどのくらいなのか?
- パン屋の営業時間は?
- 地域の評価や口コミは?
- 来店している客層は?
- パンの種類はどのくらいあるのか?
上記に加えてリサーチが必要になるのは、ライバル店の立地条件です。
パン屋の開業で重要になるのが、人通りの多い場所にあるのかどうかという点。
立地の面でライバル店よりも劣る場合、集客の面でも苦戦を強いられることに繋がりかねません。
もっといい立地がないのか探すためにも、他のパン屋の周辺も調べましょう。
②:パン屋のコンセプトを決める
ライバル店と差別化する1つのポイントとして、パン屋のコンセプトをハッキリとさせるということが重要です。
普段自身が感じているパン屋に対する不満や改善点を、自身が開業するパン屋でカバーできれば、差別化することができます。
まずは「どのようなパン屋にしたいのか?」という点を明確にしなければ、その後も計画や準備もあやふやなものになってしまいかねません。
- パンの種類で勝負するのか?
- ターゲット層をある程度絞ったうえでパンを販売するのか?
- 他店にはない内装デザインで目を引くのか?
上記のようなポイントをはじめ、他のパン屋では行っていないようなサービスや、販売していないパン作りを検討していきましょう。
たとえば、パン屋に併設したテラスで購入したパンを食べられるようなイートインスペースを設けたり、コーヒーや紅茶も提供できる準備をしたりするのも1つの手です。
パン屋を開業する際の事業計画書について
また、なぜパン屋を出店したいと思ったのか、おすすめの商品とセールスポイントなど、事業計画書にきちんとまとめておく必要があります。
事業計画書に記入すべき内容は、主に次のとおりです。
- これまでの経歴・パン屋経験の有無
- 取り扱うパンとセールスポイント
- 開業のために必要な設備・費用
- 初期費用・運転資金の調達方法
- 原価、売上高、人件費などの見通し
- 従業員数
- 開業の動機
③:開業する場所と店舗のデザインを決める
パン屋の売上を大きく左右するのは、開業する場所・立地です。
パン屋の場合、客単価はそこまで高くないので、どれだけ来客数を上げるかというところにかかってきます。
そのためには、出店する場所・立地は非常に重要です。
たとえば都市部と郊外では、それぞれ出店に有利なポイントが異なってくるでしょう。
- 都市部……駅から近い場所
- 郊外……駐車スペースがある広い場所
都市部であれば駅から近い場所、郊外であれば駐車場を完備している場所でないと、リピーターを確保できないかもしれません。
そして出店する場所の周辺にどのくらいのパン屋があるかで、客数も変わってきます。
もちろん全てのパン屋がライバル店になるわけではなく、コンセプトが近いパン屋がライバル店になるので、出店場所を探す際に、不動産屋などに詳しく訊いてみるのもアリでしょう。
④:必要な資格と申請書類の準備をする
先述もしましたが、パン屋を開業するには、次の資格が必要です。
- 食品衛生責任者
- 菓子製造業許可
- 飲食店営業許可
- 食料品等販売業許可
さらにパン屋を開業するためには、消防署で防火責任者講習を受けて、防火責任者の資格を取得する必要もあります。
この資格も講習を受ければ取得が可能になるため、事前に消防所に講習の申し込みをしておきましょう。
保健所に営業許可証をもらうまでの流れ
店舗の工事が始まる前に、完成図面を持って保健所に行き、許可が通るかどうかを確認します。
さらにビルなどでパン屋を開業する場合は、貯水槽を使うため水質検査成績書が必要になるので、不動産屋との契約時に準備してもらうようにしましょう。
営業許可証をもらうまでの流れは、次のとおりです。
- 工事する前に完成した図面を保健所に持参する
- 保健所に営業許可申請書を提出する
- 保健所の担当者が店舗に来て検査をする
- 問題なければ、営業許可証が発行される
⑤:初期費用や運転資金を調達する
この段階で初期費用や、運転資金を調達できていない場合は、準備するようにしておきましょう。
先述もしていますが、パン屋の開業には初期費用が2000万円~3000万円、運転資金は、月々100万円~300万円が平均額と言われています。
⑥:集客のための宣伝をする
いざパン屋を開業しても集客を怠ってしまうと、売上にも繋がりません。
今ではほとんどの方がインターネットを使って調べることが多いので、パン屋を開業するなら、オフィシャルサイトも用意しておいたほうがいいでしょう。
サイトには、次の要素を盛り込むことが大切です。
- 店舗の住所・電話番号
- 店舗の雰囲気がわかる写真
- サービス内容・こだわりの説明
- パンのメニューの掲載
サイトに訪れた方が、実際に足を運びたくなるようなデザインにすることをオススメします。
まとめ
今回はパン屋の開業について、次のトピックを中心にお届けしてきました。
- 【パン屋開業】必要な資格とは?
- 【パン屋開業】必要な資金はどれくらい?
- 【パン屋開業】3つのメリット
- 【パン屋開業】6つのステップ
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