【カフェオープンまでの流れ】開業費用・資格・経営者の心構えも解明!
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「理想のカフェを開業して、夢を叶えたい!」
「カフェを繁盛させて、長年愛されるお店にしたい」
このページに来たあなたは、そんな想いを抱いているんじゃないでしょうか?
しかし長年続くカフェを作るのは、簡単なことではありません。
一説には、10年続く飲食店は開業時の1割ほどとも言われています。
本記事では、あなたの夢を叶えるお手伝いをするために、
- カフェの営業スタイル
- 必要資金
- 必須資格
- ダメな経営者の具体例
上記の項目を1つずつ解説していくので、一緒に見ていきましょう。
- 目次
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ステップ①:カフェの営業スタイルを決める
カフェの代表的な営業スタイルは、3種類!
カフェと一口に言っても、
- 独立店舗カフェ
- 移動カフェ
- 自宅カフェ
と、様々な営業スタイルがあります。
それぞれの特徴を理解して、まずはカフェの種類を決めるところから始めていきましょう。
①:独立店舗カフェ
独立店舗カフェは、スター●ックスやタ●ーズなどの某大手チェーン店をはじめとした、街中にあるいわゆる一般的なカフェの営業形態です。
「カフェを開業する=独立店舗カフェ」のことを思い浮かべる人も多いかもしれません。
独立店舗カフェの主なメリットとしては、
- お店のコンセプトやメニューなどの自由度が高い
- 繁盛すれば大きめの収益が見込める
- 常連さんとのコミュニケーションなど、新たな人脈が生まれる
などが挙げられます。一方デメリットは…
- 開業コストが高い
- ライバルが多いため生存競争が熾烈
- 従業員の教育も必要
などです。
リスクも高いですが、その分成功すればメリットも大きいのが特徴的。
ただし綿密な事業計画と資金調達は、しっかり準備しておきましょう。
②:移動カフェ
移動カフェは、キッチンカーなどの一部をリニューアルして、移動販売する営業形態。
移動カフェのメリットとしては…
- 開業コストが安く済む
- 場所を柔軟に移動できる
- 営業日・時間が比較的自由に決められる
などがある一方、
- 用意できる設備は必要最低限になる
- イートインスペースがない(販売のみ)
- 普通車両だと営業許可を得るのが難しい
など、デメリットもあります。
営業する場所や面積にこだわりがないのであれば、低コストで実現可能な移動カフェの経営も検討してみてください。
③:自宅カフェ
自宅カフェは、自宅の一部を改装して行う営業形態です。
主なメリットとしては…
- 自宅との兼用なので賃料がかからない
- 通勤する必要がない
- 失敗しても低リスク
自宅との兼用のため、独立店舗カフェと比べて賃料がかからないのが大きなメリット。
一方デメリットは…
- 仕事とプライベートの境目が曖昧
- 保健所の規定に沿うように自宅を改装することが手間
などがあります。
自宅に空きスペースと資金力があれば、趣味の延長くらいの気持ちで開業することが可能です。
ステップ②:カフェ開業にかかる費用を見積もる
カフェを開業するための資金は、どのくらい?
カフェを開業するために、あなたはどのくらいの資金を用意していますか?
必要な資金は開業するカフェによって異なりますが、どの部分にどのくらいの費用がかかるのか、ざっくりとした内訳を見ていきましょう。
基本的にカフェを含む飲食店を開業するときにかかる費用は、以下の4つです。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 開業後の運転資金
- 厨房機器・備品代
また営業スタイルごとの大まかな開業資金は、下記のとおり。
●独立店舗カフェ…約1000万円~1500万円
●移動カフェ…約300万円~500万円
●自宅カフェ…約500万円~800万円
費用面だけで見ると移動カフェが一番安く開業できますが、将来的にカフェを発展させていきたい場合は、費用がかさんでも独立店舗カフェで勝負していくことをオススメします。
また自宅の余っているスペースを活用したい場合は、リフォームして自宅カフェを開くというのも、1つの手です。
ステップ③:カフェ開業に必須の資格を取得する。
カフェ開業に必要な資格は、何がある?
結論から言うと、カフェ開業に必要な資格は以下の2種。
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
食品衛生責任者の資格は、食品衛生協会が開催している講習を6時間受けることで、取得できます。(受講費は1万円)
また、30名以上収容可能な店舗で開業する場合は、防火管理者の資格も必要です。
「カフェ」と「喫茶店」では、資格が違う!
カフェを含む飲食店を開業する場合は、食品衛生責任者の資格が必要です。
ただし飲み物(アルコール類は除く)と軽食のみを提供する場合は、喫茶店営業許可申請だけで開業ができます。
喫茶店営業許可申請だけで開業する場合は、
- アルコール類の提供は一切禁止
- パスタやグラタンなど調理する料理の提供が禁止(菓子やトーストはOK)
のようにサービス内容が限られてしまうので、よほどのこだわりがない限りは、食品衛生責任者の資格を取得したほうがいいでしょう。
こんなカフェの経営者は嫌だ!落とし穴を避けることが成功への近道
カフェ経営を成功させるカギは、経営者にあり!
カフェ経営成功のカギを握っているのは、経営者と言っても過言ではありません。
経営を成功させるためにも、経営者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。
今回紹介するのは、以下9つ。
- 経営者だからって、なんだか偉そう。
- スケジュール管理が雑。
- 仕事をうまく分担できずに1人で抱え込んでしまう。
- 基本的に従業員のことを信じていない。
- 自分の経験を重視しすぎて、視野が狭い。
- 自らの非を認めずに、他人のせいにする。
- 自分本位で、マーケットのことを考えていない。
- 金銭に関して基本的にルーズ。
- 優柔不断でチャンスを掴み損ねる。
上記の危険なポイントを反面教師にして、カフェ経営を成功させましょう。
①:経営者だからって、なんだか偉そう。
経営者は立場的には一番上の存在です。
しかし、従業員に対する態度も上から目線なのはよくありません。
偉そうにして従業員に指図ばかりしていると、従業員からの信頼も得られずに店内に悪い空気が流れます。
そしてそういう雰囲気は、お客さんにも伝わってしまうもの。
そのため、立場的には上でも従業員と同じ目線でアドバイスしていくことが大切です。
②:スケジュール管理が雑。
経営者に限った話ではありませんが、スケジュール管理がしっかりできないのは問題外です。
- 打ち合わせに遅刻してくる
- 水道光熱費の支払い期限を守れない
- アルバイト・パートのシフト状況を把握していない
- 従業員の給与支払いや経費精算をギリギリになって対処する
上記のように、スケジュール管理をおろそかにしてしまうと、従業員にも悪影響を及ぼしてしまいます。
③:仕事をうまく分担できずに1人で抱え込んでしまう。
カフェを開業して事業が軌道にのるまでは、経営者に様々な業務があります。
それをうまく処理しきれずに、1人で抱え込んでパンクしてしまっては元も子もありません。
また従業員に仕事を分担せずに自分1人でこなしてしまうと、従業員の成長を阻害することにもなります。
ときには従業員や外部の人に任せて、いかに効率的に仕事を回せるか考えるのも、経営者の大事な仕事の1つです。
④:基本的に従業員のことを信じていない。
従業員のことを信用せずに、常に行動を監視するような経営者もよくないです。
心配な気持ちもわかりますが、ある程度のレベルまで成長したら、信じて任せてみるくらいの余裕も持っておきましょう。
経営者が従業員を信用していないと、従業員にもそれが伝わって良好な関係が築けません。
そしてそれは巡り巡ってお店全体の雰囲気にも影響してくるので、注意しておきましょう。
⑤:自分の経験を重視しすぎて、視野が狭い。
過去にカフェ経営をしたことのある経営者は、自分の経験を重視しがちな傾向にあります。
もちろん過去の経験も大事ですが、知識のアップデートを怠ってしまうと、時代遅れの考えになりかねません。
自身の経験だけに偏らず、様々な人の意見も取り入れながら、視野を広げていきましょう。
⑥:自らの非を認めずに、他人のせいにする。
経営者というより、人間性の問題でもありますが、自分の失敗を認めずに、他人や周りの環境のせいにする経営者は最悪です。
また従業員のミスを、100%従業員が悪いかのように指導するのもいけません。
従業員のミスであっても、
- 自分の指示は的確にできていたのか?
- どうすればミスをしにくい店づくりができるのか?
- 従業員のやる気を引き出すような言葉をかけられているか?
など自分の言動も省みつつ、発展的に考えていくことが大切です。
⑦:自分本位で、マーケットのことを考えていない。
経営者自身が好きなものだけを提供し続けて、マーケットを無視すると経営不振に陥る可能性が高いです。
職人が作る作品のように、作者自身に価値があるコンテンツなら別ですが、カフェを経営していくうえでは、マーケットの状況を調査して、消費者のニーズに沿わないといけません。
ただしニーズだけを追求すればいいということではなく、消費者の気持ちを考えつつ経営していくことが大切です。
⑧:金銭に関して基本的にルーズ。
金銭のことに関してルーズなのは、経営上かなり致命的です。
売掛金や買掛金など、実際の金銭の移動が後日になることが多いので、しっかりとキャッシュフローを把握していないと、黒字倒産(=書面上では黒字だが、キャッシュが底をついて倒産すること)してしまう可能性があります。
開業後の運転資金については、コチラの記事にも記載があるので、参考にしてみてください。
⑨:優柔不断でチャンスを掴み損ねる。
店を経営していると、決断するべきタイミングが数多く出てきます。
- 商品の価格
- ターゲット層・店内コンセプトの設定
- 新メニューの考案
- 材料費の見直し
など、店の経営状況や世間の流れを見極めるながら、ベストなタイミングで決断して行動していきましょう。
大きな案件のときなど、慎重に決断したほうはいいこともありますが、いつまでも決められないまま保留してしまうと、チャンスを掴み損ねてしまいます。
いつでもチャンスを掴めるように、日ごろからサクッと決める習慣をつけておくのもいいかもしれません。
あなたに合ったスタイルでカフェを開業
今回はカフェを開業するために訪れたピバーラと一緒に、カフェの営業スタイルから、必要資金、必須資格、さらに悪い経営者の具体例まで紹介してきました。
カフェを含め飲食店は、開業するまで大変ですが、本当の勝負は開業してから生き残ることです。
ぜひ本記事で紹介した項目を参考にして、長年愛されるカフェを創っていきましょう。
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