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【株式会社から合同会社へ】組織変更のメリットと手続き方法を解説!

株式会社合同会社には、組織形態や運営方法など多くの違いがありますよね。

それぞれに異なるメリット・デメリットを考慮し、設立した株式会社を合同会社に変更することも可能です!

本記事では、株式会社から合同会社への組織変更について、下記の流れで解説していきます。

  • 株式会社と合同会社の違い
  • 株式会社から合同会社に変更するメリット・デメリット
  • 株式会社から合同会社に変更する方法

株式会社を経営している方は、合同会社に変えるべきかどうか検討してみてくださいね♪

目次

株式会社と合同会社の違い

株式会社と合同会社の違いを知る前に、会社形態そのものについて確認していきましょう!

現在の会社法では、会社は大きく分けて「株式会社」「持分会社」の2種類です

持分会社に分類される会社の1つが合同会社になります。

持分会社にはほかに「合資会社」や「合名会社」がありますが、それらの形態は実践的ではありません。

また、この他に会社法が施行される前時代の「有限会社」も存在しますが、現在は法改正により新設できなくなっています。

そのため、現在では株式会社か合同会社のどちらかを新設するのが実情です。

それでは、株式会社と合同会社について解説していきます!

  • 株式会社とは
  • 合同会社とは
  • 違いのまとめ

株式会社とは

株式会社とは、株式を発行して出資者から資金を集め、経営していく会社のことです

株式を所有することで、会社が利益を出した場合に配当を受け取ることや、株主総会に参加して会社の経営方針を決めることができます。

株式会社では資本金の出資者と経営者が異なる場合があり、これは株式会社の特徴です。

その場合、株主と経営者は下記のように決められます。

  • 株主…資本金の出資者
  • 経営者…株主総会での選出により決定

株式会社では、出資者には会社経営を行う権限がないものの、株主総会で経営陣を選任・解任する権限を持つため、間接的に経営に携わることが可能です

創業メンバーが出資者となり、そのまま経営者となるケースも小規模の会社では多く見られます。

 

合同会社とは

合同会社は、2006年の会社法の施行により新たに作られた法人形態です

株式会社は出資者と経営者が異なる場合が多いのに対し、合同会社では出資したすべての社員に会社の決定権があります

組織設計がシンプルなことや、登記料の負担を抑えられる点から、合同会社は株式会社にならんで人気のある法人形態です。

合同会社は出資者と経営者が分離しない形態であるため、経営者は必ず出資者である必要があります。

しかし、「出資するだけの出資者」、もしくは「出資も経営もする出資者」といったように分けることは可能です。

出資者と経営者が同じため、経営を行いながら経営陣の選任・解任もできます。

経営判断の際に株主の意見を仰がなければならない株式会社に比べ、合同会社では経営者のみでスピーディーに経営判断を下せることが特徴です

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違いのまとめ

株式会社と合同会社の主な違いを、一覧でまとめました

それぞれの会社形態について、押さえておきましょう!

  株式会社 合同会社
所有者と経営者 分離 一致
意思決定の方法 株主総会による決定 出資した社員の同意
意思決定のスピード 時間がかかる スムーズ
出資者の責任 間接有限責任(出資者は出資額を限度として責任を負う)
上場 不可
役員の任期 最長10年 無期限
代表者の名称 代表取締役 代表社員
決算公告 必要 不要
定款の認証
必要 不要
利益の配当 定款で自由に取り決め可能
出資比率に応じた額を分配
資金調達

株式による資金調達はできない

(融資や社債の発行、助成金・補助金に限られる)

株式の発行による資金調達が可能

(他に社債の発行、金融機関などからの借入可能)

取引先や銀行などへの社会的信用度 高い やや低い
設立にかかる法定費用
約25万円 約10万円
 

株式会社から合同会社に変更するメリット・デメリット

会社の形態を株式会社から合同会社、もしくは合同会社から株式会社に変えることを組織変更といいます。

ここからは株式会社から合同会社に変更するメリットデメリットについて、それぞれ確認していきましょう!

メリット

株式会社から合同会社に移行するメリットは、主に下記の2点です。

  1. スピーディーに意思決定できる
  2. 経営上の自由度が高くなる

① スピーディーに意思決定できる

事業の経営が安定していて株式による資金調達の必要がない場合、合同会社に移行すれば、意思決定が株主に左右されなくなります

会社を運営していく上で意思決定をスムーズにできるようになるのは、大きなメリットです

② 経営上の自由度が高くなる

合同会社は経営上の自由度が比較的高い会社形態です

定款であらかじめ定めておけば、利益分配の配分をはじめとしたさまざまな経営内容を決定できます。

制約が多い株式会社に対し、合同会社は出資者間の合意でかなり自由に進められる点が魅力です。

デメリット

株式会社から合同会社に移行するデメリットは、主に下記の3点です。

  1. 社員同士で揉める可能性がある
  2. 信用されにくくなる
  3. 上場できない

① 社員同士で揉める可能性がある

合同会社は出資比率に関係なく、出資者である社員が一人一票の議決権を持って意思決定を行います

このように人に重きを置く組織システムのため、社員同士で意見が対立するととトラブルに発展し、経営に影響を与える可能性がある点に注意しましょう

② 信用されにくくなる

合同会社は株式会社に比べて新しい会社形態であるため、知名度が低く信用を得にくい点がデメリットです

経営上の自由度が高いという経営側としてのメリットも取引先にとっては信頼しづらいポイントになります

③ 上場できない

合同会社は上場することができないため、事業拡大を目指す場合は支障が出るかもしれません

そのため、いずれ上場したり事業拡大することを考えているなら、株式会社でいることをオススメします。

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株式会社から合同会社に変更する方法

それでは、実際に株式会社から合同会社に変更する方法を解説していきます。

  • 変更にかかる期間と費用
  • 変更手続きの流れ

変更にかかる期間と費用

株式会社から合同会社へ組織変更が完了するまでにかかる期間は、手続き開始から約2ヶ月ほどです

また、一般的に約10万円ほどの費用がかかります。

【費用の内訳】
  • 官報・広告への掲載費…約3万5,000円
  • 登録免許税…株式会社解散に3万円、合同会社設立に3万円

この他に、会社を畳む際に必要な清算人の選任や清算の手続き時に、下記の費用がかかります。

  • 清算人の選任…9,000円
  • 清算決了…2,000円

合計 約10万円

移行手続きの流れ

株式会社から合同会社へ移行するには、一般的に下記の流れで手続きをします

  1. 組織変更計画書の作成
  2. 官報公告の申込と掲載
  3. 債権者への個別催告
  4. 総株主の同意
  5. 効力の発生
  6. 合同会社の設立登記・株式会社の解散登記

この他に株式を発行している株式会社の場合は、株券等の提出公告などが必要になる点を押さえておきましょう。

① 組織変更計画書の作成

まずは下記のような内容を記載した組織変更計画書を作成します

  • 組織変更後の事業内容
  • 組織変更後の商号(会社名)
  • 組織変更後の社員(出資者)の氏名、住所、出資額
  • 組織変更後の定款で定める事項
  • 既存の株式、新株予約権にかわり交付するものについて
  • 効力の発生日

② 官報公告の申込と掲載

組織変更計画書が完成したら効力が発生する前に、組織変更計画や貸借対照表などを本社に備え置いて株主が閲覧できるようにし、官報で公告します

効力の発生前は株式会社であるため、株主が閲覧できる状態にしておくことが必要です。

公告には1ヶ月を下回らない一定の期間中に、債権者が組織変更に異議申し立てできる旨を明記します。

組織変更の場合は必ず官報で公告します!

③ 債権者への個別催告

各債権者には、異議があれば申し出るように求める通知個別に行います

債権者から異議があった場合は、債務の弁済といった対応が必要になったり、組織変更を行えない場合もあるので注意しましょう。

④ 総株主の同意

株主全員から同意を得る必要があり、その締切は効力発生日の前日までです

同意には、同意書の取りつけや株主総会での議事録など、同意を証明する書類が必要になります

⑤ 効力の発生

組織変更計画に定めた日に効力が発生し、合同会社への組織変更ができるようになります。

⑥ 合同会社の設立登記・株式会社の解散登記

組織変更の効力発生後、下記2つの手続きを必ず同時に行いましょう

  • 合同会社の設立登記
  • 株式会社の解散登記

手続きは合同会社を管轄する法務局で行えます。

効力発生日から2週間以内に終わらせなければいけませんが、申請から登記完了まで約1周間ほどかかる点に注意してください。

 

まとめ

本記事では株式会社から合同会社への組織変更について、下記の流れで解説してきました。

  • 株式会社と合同会社の違い
  • 株式会社から合同会社に変更するメリット・デメリット
  • 株式会社から合同会社に変更する方法

株式会社から合同会社へ組織変更するにあたって、メリット・デメリットがそれぞれありましたね!

株式会社を運営中でやりづらさを感じている方は合同会社への組織変更を検討してみてはいかがでしょうか?

判断が難しい場合や少しでも困ったことがあれば、弊社にご相談ください!

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