【バーチャルオフィス】で法人登記!気になるメリットや注意点は?
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「バーチャルオフィス」という言葉を聞いたことはありますか?
インターネットが普及した昨今では、実在するオフィスを構えなくても、滞りなく事業を行える業種が増えてきました。
本記事ではバーチャルオフィスでの法人登記について、下記の順に解説していきます。
- バーチャルオフィスとは
- バーチャルオフィスを法人登記に使用するメリット
- バーチャルオフィスを法人登記に使用する際の注意点
- 実在のオフィスを構えたらどうなる?
バーチャルオフィスの利用に興味がある方や、手軽な開業を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください!
- 目次
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バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは、実在しない仮想のオフィスのことです。
一般的にはレンタルオフィス事業者がサービスの一貫として提供しており、業務スペースを構えずに、事業を始める際に必要な住所や電話番号などの基本的な情報を借りることができます。
もっと詳しく、下記の順に解説していきます!
- レンタルオフィスとの違い
- バーチャルオフィスは法人登記に使用できる?
- バーチャルオフィスの選び方
レンタルオフィスとの違い
バーチャルオフィスと似ており、混同されがちなのがレンタルオフィス。
両者の違いは、端的に言うと実際にオフィスを借りるかどうかです。
レンタルオフィスでは実在の個室スペースを借り、その他コピー機など業務に必要なものを他の会社と共有して利用します。
それに対し、実在のオフィスは借りずに、オフィスの情報を借りるのがバーチャルオフィスです。
バーチャルオフィスは法人登記に使用できる?
バーチャルオフィスの住所は、法人登記への使用が可能です。
定款の作成や銀行口座を開設する際に、本店所在地の住所として記載することもできます。
バーチャルオフィスの登記方法は、実在のオフィスを登記する場合と変わりません。
バーチャルオフィスの契約後、登記簿に記載する住所をバーチャルオフィスの住所にするだけです。
バーチャルオフィスの選び方
バーチャルオフィスを選ぶポイントは、主に下記の4点です。
- 住所
- 郵便転送や電話転送の有無
- 併設スペースの有無
- 費用
① 住所
バーチャルオフィス選びでまず重視すべきは住所です。
実際に事務所を構えるのが難しい一等地でも、バーチャルオフィスであれば費用を抑えて借りることができます。
特に法人登記する場合は、信頼感を演出できるような住所を選ぶのが有効です。
バーチャルオフィスの住所は他の会社と共有するので、怪しい会社がすでに登記していないかを調べておきましょう。
② 郵便転送や電話転送の有無
つぎに、郵便転送や電話転送のサービスがあるかをチェックします。
取引先や税務署から重要な郵便や電話があることを想定すると、転送サービスが整っているバーチャルオフィスが理想的です。
転送サービスでは、バーチャルオフィスに届いた郵便や電話を、希望の転送先へスタッフが転送してくれます。
バーチャルオフィスの固定電話番号を利用できる場合もあるので、確認してみてくださいね。
③ 併設スペースの有無
バーチャルオフィスに併設スペースがあるかどうかも、しっかりみておきましょう。
例えば会議室が併設されていれば、会議や打ち合わせが入った場合に場所を探す手間が省けます。
他にも、業務上必要なスペースが備わっているバーチャルオフィスをあらかじめ選んでおくと便利です。
④ 費用
利用にかかる費用が予算内かどうかも、重要な点ですよね。
バーチャルオフィスの月額設定は1,000円未満から1万円以上までと幅広く、立地やサービスプランによって異なります。
東京にあるバーチャルオフィスの一般的な相場をまとめたので、下記を目安に値段を把握しておきましょう!
- 住所レンタルのみ…月額1,000円〜
- 東京23区外…月額4,000円代〜
- 東京23区…月額5,000円代〜
- 高級なエリアや物件、プランのサービスが充実している場合…月額1万円〜
検討する際は、サービスの充実度やオプション料金も照らし合わせるようにしてください。
バーチャルオフィスを法人登記に使用するメリット
バーチャルオフィスで法人登記するメリットは、主に下記の5点です。
- プライバシーが守られる
- ブランディングしやすい
- 住所をすばやく借りられる
- 費用が安い
- 緊急事態に対応できる
ひとつずつ確認していきましょう!
① プライバシーが守られる
法人登記すると、その内容が一般公開されるのをご存知ですか?
そのため自宅の住所や電話番号を登記すると、自宅宛に営業の連絡がくるなどの影響を受けます。
しかし、バーチャルオフィスの情報を登記に使用すれば、個人のプライバシーを守ることが可能です。
② ブランディングしやすい
開業して日が浅く、まだ知名度や実績がない場合、社外から信用を得るのは難しいです。
そんなときに、一等地やブランド価値のある住所に会社の住所をおくと、自社イメージを高めることができます。
手っ取り早く印象をよくしたい場合、バーチャルオフィスを使用した法人登記はオススメです。
③ 住所をすばやく借りられる
実在のオフィスを借りる場合、内見や審査などさまざまな過程を経るうちに、数ヶ月かかってしまうこともあります。
それに対し、バーチャルオフィスは住所を借りるまでの手続きがシンプルです。
事業者が提供するバーチャルオフィスの住所一覧から希望の場所を選び、申し込むだけで完了します。
一般的には1週間程度、早ければ即日で済みますが、審査を設けている事業者の場合はもう少し時間がかかるので注意しましょう。
④ 費用が安い
バーチャルオフィスは敷金や礼金、保証金が不要なので、初期費用を安く抑えられます。
月額が1,000円未満と格安だったり、初月無料など部分的な無料サービスを行っているバーチャルオフィスも存在するので、価格重視の場合はオススメです。
また、実在のオフィスを構えると、最初から設備費などがかさんでしまいますが、バーチャルオフィスなら必要なオプションを適宜追加していくことができます。
事業の売上に応じて徐々に環境を整えていけるのは、嬉しいメリットですよね。
⑤ 緊急事態に対応できる
バーチャルオフィスでは、感染症拡大といった緊急事態の場合にも事業を継続しやすいです。
郵便物や電話の転送サービスがあれば、住所を指定して受け取ることができるので、場所を選ばすに事業を継続できます。
バーチャルオフィスを法人登記に使用する際の注意点
バーチャルオフィスを法人登記に使用する際の注意点は、下記の2点です。
- 他の会社と住所を共有することになる
- 営業許可が下りない場合がある
① 他の会社と住所を共有することになる
バーチャルオフィスでは複数の会社が同じ住所を利用しますが、同一の住所に同じ商号(会社名)の会社は登記できません。
商号が似ているだけなら同じ住所に登記できますが、顧客に混同されるなどのデメリットを考えると、避けるのが無難です。
契約したいバーチャルオフィスに、自分が希望する商号と同じ、もしくは似た商号が登記されていないかをしっかり確認しましょう。
② 営業許可が下りない場合がある
業種によっては、営業許可を取得するために許認可や届出を行います。
しかし、許認可や届出の手続きをする際は、バーチャルオフィスの住所を使用できません。
下記の事業を行う場合には、バーチャルオフィスの住所を届け出ても要件を満たせず、営業許可が下りないので注意しましょう。
- 不動産業
- 有料職業紹介事業
- 金融商品取引業者
- 建設業
- 士業(司法書士、弁護士、税理士、行政書士) など
一般的に許認可の申請では、営業実態のある事務所の証明が必要です。
そのため賃貸契約書の提出が求められますが、バーチャルオフィスは実在しない仮想のオフィスであるため、賃貸契約書の発行ができません。
上記のような業種の方は、バーチャルオフィスを法人登記に使用しない方がいいでしょう。
実在のオフィスを構えたらどうなる?
バーチャルオフィスで法人登記を行って業務を開始した後、実在のオフィスを構えた場合はどうなるのでしょうか。
登記する住所を実在するオフィスの住所に変えたい場合は、本店移転登記の手続きをします。
株式会社の場合、本店移転登記に必要となる主な書類は下記の通りです。
- 株式会社本店移転登記申請書
- 株主総会議事録(定款を変更する場合)
- 株主リスト(定款を変更する場合)
- 取締役会議事録(取締役会を設置している場合)
- 取締役の決定書(取締役会を設置していない場合)
このほか、現在登記している管轄法務局(登記所)の管轄外に移転する場合は、印鑑届書や印鑑カード交付申請書も必要になります。
必要書類を管轄の法務局に提出すれば、移転登記は完了です。
まとめ
本記事ではバーチャルオフィスでの法人登記について、下記の流れで解説してきました。
- バーチャルオフィスとは
- バーチャルオフィスを法人登記に使用するメリット
- バーチャルオフィスを法人登記に使用する際の注意点
- 実在のオフィスを構えたらどうなる?
バーチャルオフィスを使用した法人登記には、さまざまなメリットがありましたね。
少しでも興味がある方は、バーチャルオフィスで手軽に事業をはじめてみませんか?
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