stamp-photo

【会社設立時に必要な印鑑】は?失敗しない選び方と登録方法を解説!

会社を設立するときに印鑑が必要ということを知っている人は多いと思います。

しかし実際に印鑑を用意するときに…

「何の印鑑をどれくらい用意したらいいのか?」を明確に答えられる人は少ないかもしれません。

不必要な印鑑を購入したり、安易な印鑑選びをして、すぐ使いものにならなくなったら困りますよね。

そこで本記事では、会社設立時に必要になる印鑑の種類価格帯別紹介。

さらに印鑑作成後の登録方法に関する疑問も解消していきます。

  1. 会社設立時に必要になる印鑑
  2. 価格帯別に見る印鑑の種類
  3. 作成した実印・銀行印の登録方法と変更方法

上記のトピックを軸に紹介していくので、印鑑を未購入の方は材質選びの参考に、購入済みの方は印鑑の登録・変更手続きを参考にしてみてくださいね。

目次

会社設立時に必要になる印鑑

会社設立時に持っておきたい印鑑は以下の4種類。

  1. 実印(代表者印/会社実印/法人実印/丸印)
  2. 銀行印(銀行届出印/金融機関届出印)
  3. 角印
  4. ゴム印

①:実印(代表者印/会社実印/法人実印/丸印)

会社設立において必須の印鑑が実印

実印にはほかの呼び名もたくさんあって

  • 代表者印
  • 会社実印
  • 法人実印
  • 丸印

とも言うので、混乱しないように頭に入れておきましょう。

法律上で必要なのは実印だけですが、法人登記の変更もできる重要な印鑑なので、宅配の受け取りなど日常で使うときは他の印鑑にすることをオススメします。

実印の大きさは、

  • 個人の場合…8mm~25mm
  • 法人の場合…10mm~30mm

であれば、大きさや形は問いません。

実際に作るときは、18mmの印鑑になることが一般的です。

②:銀行印(銀行届出印/金融機関届出印)

銀行で法人口座を開設する際に必要になる印鑑。

銀行届出印、もしくは金融機関届出印とも言います。

実際に口座を開設するときに届け出た印鑑が銀行印です。

実印と兼用で登録することもできますが、盗難や紛失したときのリスクを抑えるためにもそれぞれ別の印鑑を用意しておきましょう。

角印(社印)

上のイメージ写真のように、四角い印鑑に会社名が彫られているのが角印(別名:社印です。

請求書領収書見積書などに社印を押すことで、会社が発行した書類という証明になります。

ゴム印

印鑑に名前だけではなく、住所電話番号なども一緒に彫られている長方形の印鑑がゴム印です。

契約書の署名欄など自筆でサインをする箇所には、ゴム印を押すだけで代用できます。

価格帯別に見る印鑑の種類

印鑑は材質によって、

  • 1000円以下で買える安価な印鑑
  • 数万円~数十万円にのぼる印鑑

と、ピンからキリまであります。

そこでここからは、印鑑を

  1. ~5000円(低価格帯)
  2. ~1万円(中価格帯)
  3. ~2万円(高価格帯)
  4. 2万円以上(超高価格帯)

上記4つの価格帯に分けて紹介していきます。

予算と好みに合わせて、あなたにピッタリの印鑑を探してみてくださいね。

①:~5000円(低価格帯)で買える印鑑の材質

比較的低価格で買える下記5種類の材質を紹介していきます。

  1. 黒水牛
  2. オランダ水牛
  3. 彩樺
  4. 柘・薩摩本柘
  5. 黒檀

黒水牛

実印や銀行印にする定番の素材黒水牛です。

黒水牛の角を加工しているので耐久性が高いのに加え、安価で買える人気の商品。

オランダ水牛(濃色)

上記の黒水牛とよく比較されるのがオランダ水牛の印鑑です。

角の部分によって価値が違うのが特徴。

安価で買えるのは茶色模様の多い濃色です。

彩樺(さいか)

高加熱処理をしているため、木材の中でも耐久性が高いのが彩樺(さいか)

木目が細かくて美しい見栄えになります。

色も主に黒、茶色、赤から選ぶことが可能です。

柘・薩摩本柘(つげ・さつまほんつげ)

向かって左が柘(つげ)向かって右が薩摩本柘(さつまほんつげ)です。

印鑑の材質の中で、一番安く手に入る材質。

温かみがある木目が多くの人から親しまれています。

黒檀(こくたん)

インドネシアやアフリカなどに分布している銘木からできているのが黒檀(こくたん)

耐久性に優れているところが特徴で、よく高級家具などに用いられることもあるので、長年の使用にオススメの材質です。

②:~1万円(中価格帯)で買える印鑑の材質

続いて1万円ほどで買える中価格帯の印鑑

  1. 純天然黒水牛
  2. オランダ水牛(中色・淡色)
  3. 白檀

の3種類を順に紹介していきます。

純天然黒水牛

“純天然”という名のとおり、一切着色の加工・コーティングをしていない黒水牛100%の材質です。

黒水牛の角をそのまま使用しているので、模様がリアルで見応えのある代物になっています。

オランダ水牛(中色・淡色)

オランダ水牛の印鑑は、使用する角が真ん中になればなるほど、密度耐久性が高くなります。

角の真ん中付近は白に近い色になってくるので、先述したオランダ水牛(濃色)と比べると白の割合が多いのが特徴です。

中色より淡色の方が多少は白みががっていますが、大差はないので好みで選んでも問題ないでしょう。

白檀(びゃくだん)

木材を使用した中で高級品の部類に入るのは、白檀(びゃくだん)です。

白檀の大きな特徴は、他の材質の印鑑と比べて香りがいいことです。

線香の香料寺院の木材などにも使用されているので、ほのかに落ち着く香りが漂う印鑑になっています。

木目調の見た目にも心安らぐので、大人な印鑑が欲しい人は白檀も検討してみてください。

③:~2万円(高価格帯)で買える印鑑の材質

続いて、2万円ほどする高価格帯の印鑑である…

  1. 象牙
  2. オランダ水牛(純白)
  3. チタン
  4. 琥珀
  5. 水晶

上記5種類の材質を見ていきましょう。

象牙(ぞうげ)

高級印鑑の代名詞と言っても過言ではないのは、象牙を使用した印鑑。

長年、実印や銀行印など多岐にわたって使用されてきた定番の印鑑です。

定番となった理由は…

  1. 高耐久性で一生モノになる
  2. 朱肉のつきがよくて押印しやすい
  3. 風格のある見た目がかっこいい

以上のような特徴から、象牙の印鑑は高いステータスを保ち続けています。

オランダ水牛(純白)

オランダ水牛を使った印鑑の中で一番ランクが高いのは純白です。

オランダ水牛の角からわずかしか取れない純白色の芯とその中心部分のみから作るため、希少価値が高くなります。

チタン

 

象牙の次に定番と言っても過言ではないのは、チタンの印鑑。

耐久性が高いのに加えて傷や汚れがつきにくく水洗いも可能です。

動物や木材から作ったのと比べて、シャープでスタイリッシュな見た目が特徴で、印鑑の色も様々な種類から選べます。

琥珀(こはく)

琥珀(こはく)「太陽の石」とも呼ばれる材質。

赤くて透明感のある見た目は、女性からも人気です。

琥珀は樹脂が地中で結晶化したものなので琥珀そのものは脆いですが、印鑑にする際に硬い樹脂で補強するので、問題なく実印として利用できます。

水晶

水晶を使用した印鑑は、開運グッズとしても人気です。

透明かつカラフルな見た目なので女性ウケがよく、色も様々な種類から選ぶことができます。

④:2万円以上~(超高価格帯)で買える印鑑の材質

2万円以上する超高級な材質は…

  1. 日輪象牙
  2. マンモス
  3. 天然石
  4. スターリングシルバー

の4種類を紹介していきます。

日輪象牙(にちりんぞうげ)

象牙の印鑑の中でもとりわけ高級なものが、日輪象牙

その名前のとおり、日輪のような模様が入っているのが特徴です。

非常に希少価値が高く、1つの象牙で1~2本しか取れないので高額になってきます。

マンモス

印鑑の中でも珍しい部類に入るのが、マンモスの印鑑です。

実際にマンモスの化石から印鑑を作っているので、希少価値が高い一品。

見た目は象牙と似ていますが、マンモスのほうが濃い色が出るのが特徴です。

また朱肉のつきがいいので、実用的でもあります。

天然石

天然石を使用した印鑑は、先述した水晶の印鑑と同じように開運効果があると言われています。

見た目は水晶よりも濃くずっしりとしているので、男性にもオススメの材質。

天然石の種類はラピスラズリタイガーアイヒスイなど様々な種類から選べます。

スターリングシルバー

スターリングシルバーとは、純度の高い銀のこと。

全体が銀なので、メタリックかつ高級感あふれる印鑑です。

値段は張りますが、光沢のある美しい見た目に惹かれて買う人もいます。

登録が必要な印鑑は、実印と銀行印!

印鑑選びが終わって手元に届いたら、次は印鑑登録をしにいきましょう。

登録する必要がある印鑑は、実印銀行印です。

実印の登録方法

まずは実印の登録方法を、個人と法人の場合に分けて説明していきます。

個人と法人で最も大きな違いは、登録先です。

  1. 法人の登録先=法務局
  2. 個人の登録先=市区町村役場

となっています。

ちなみに、法人・個人とも1つの同じ印鑑で登録することも可能ですが、紛失のリスクを避けるためにも別々の印鑑を用意したほうがいいでしょう。

実印を登録すると、印鑑登録証(=印鑑カード)が発行されます。

印鑑カードは、印鑑証明書を発行するときに使用するので、大事に保管しておきましょう。

 

①:法人の場合

法人として実印を登録できる人は、

  • 株式会社=代表取締役 or 取締役
  • 合名会社・合資会社=代表者

です。

登録先である法務局に提出するのは、基本的に印鑑(改印)届出書実印があれば大丈夫ですが、念のため身分証明書も用意しておきましょう。

窓口に提出して印鑑カードを受け取ったら、法人の実印登録の完了です。

②:個人の場合

個人の実印を登録する際の条件は以下です。

  • 登録申請をする市区町村で住民登録をしている
  • 15歳以上
  • 外国人の場合)登録法による登録を受けている

登録先の市区町村役場に持っていくものは、以下の4つ。

  1. 印鑑
  2. 印鑑届出書
  3. 身分証明書
  4. 登録費用(300円)

上記の書類を提出すると、法人の場合同じように印鑑カードが発行されて、印鑑登録の完了です。

銀行印の登録方法

銀行印の登録は、個人・法人関係なく方法は同じです。

金融機関で口座を開設するときに提出した印鑑が、そのまま銀行印になります。

登録する際は銀行にある指定の用紙に記入して押印するだけなので、簡単に登録することが可能です。

登録した実印・銀行印を変更したいときは?

  • 実印の紛失・盗難に遭った
  • 結婚して姓が変わった
  • 社長としてもっと良い印鑑を実印として登録したい
  • 市外に引っ越すので登録し直したい

などの理由で登録済みの印鑑を変更することを、改印手続きと言います。

実印の変更方法

実印は変更するときも、法人=法務局、個人=市区町村役場で行います。

それぞれ手続きまでの手順や用意するものが異なってくるので、確認していきましょう。

法人の実印変更は、改印届書を提出!

法人の実印を変更する場合は、実印を登録した法務局に行って手続きを行います。

その際に用意するのは、以下の4種類。

  1. 改印届書
  2. 新たに登録する実印
  3. 会社の代表者の実印
  4. 会社の代表者の印鑑証明書

印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものに限ります。

個人の実印変更は、廃止手続き→再登録

個人の実印を変更するときは、実印登録した市区町村役場で行います。

以下の手順で変更手続きをしていきましょう。

①実印登録の廃止申請

②新たに印鑑登録

①実印登録の廃止申請

印鑑登録をした市区町村にて実印登録の廃止届を提出します。

廃止届を提出する際に必要なものは以下の3つ。

  1. 運転免許証などの本人確認書類
  2. 登録済みの実印
  3. 印鑑証明書

上記3つを提出すれば、以前の実印の印鑑登録は抹消されます。

また市外へ引っ越した場合は、基本的には転出届を出すと自動的に以前の印鑑登録は無効になるので、廃止手続きは必要ありません。

ただし印鑑登録証のカードを自治体に返却するついでに、廃止手続きをしたほうが確実です。

②新たに印鑑登録

廃止申請が済んだら、もう一度印鑑登録を行って印鑑登録証のカードを発行してもらいましょう。

念のため、もう一度印鑑登録の際に持っていくものを記載しておきます。

  1. 実印登録する印鑑
  2. 身分証明書
  3. 登録費用(1件につき約300円)

市外から引っ越してきた場合は、市区町村に転入届を出したあとに印鑑登録をしましょう。

市内での引っ越しでは印鑑登録の変更を気にする必要はありません。

銀行印の変更方法

銀行印を変更する場合は、以下の3点を持参して金融機関の窓口に行きましょう。

  1. 新しい印鑑
  2. 通帳
  3. 身分証明書

窓口で本人確認ができれば、銀行印の変更が完了です。

印鑑登録に関するQ&Aコーナー

ここからは印鑑登録に関するギモンを、Q&A形式で答えていきます。

  • 登録できる実印と登録できない実印
  • 実印と銀行印を判別する方法
  • 変更前の実印を押した契約の有効性
  • 外国人による印鑑登録

Q1:実印の登録ができる印鑑は?

A1:実印として登録できる実印は1人1つまでかつ、以下の項目を満たしているものです。

  1. 大きさが1辺が8mm~25mmの正方形に収まること(個人)
  2. 1cm以上3cm以内(法人)
  3. 住民基本台帳(外国人なら外国人登録原票)に載っている氏名が彫られたもの
  4. 原則としてフルネームが彫られた印鑑

①. 印鑑は上記のサイズに収まるものであれば、形は丸でも四角でも構いません。

②. 正確な氏名が彫られた印鑑である必要があります。あだ名やペンネームでは登録できません。

③. 名字と名前のどちらか片方しか彫られていない印鑑だと、一部の地方自治体では条例で登録不可になる可能性があります。

④. フルネームが彫刻された印鑑を作成しておけば確実です。

逆に実印として登録できない印鑑は?

Q2:実印として登録できない主な印鑑は?

A2:主に以下のような印鑑は登録することができません。

  • ゴム印
  • 印影がぼやけているもの
  • 文字がはみ出て切れているもの
  • 外枠がないもの
  • ローマ字で彫られているもの
  • 氏名だとわからないもの
  • 氏名以外のことが彫られているもの

Q3:実印と銀行印の区別がつかなくなった場合は…?

A3:実際に銀行印を登録した金融機関で、印影を確認しにいきましょう。

印影を確認すれば、一目瞭然なので、すぐに区別することが可能です。

ただし紛失や盗難対策のために、実印と銀行印を分けることをオススメします。

Q4:以前の実印を使用して交わした契約は無効になりますか?

A4:結論から言うと、有効です。

前の実印で契約したものは、その時点で契約が成立しています。

そのため後々実印を変更したとしても、契約としてはそのまま有効です。

しかし契約内容(ローンや損害保険など)によっては、実印を変更したら改印の届出をする必要があるので、注意しましょう。

Q5:外国人が印鑑登録する場合は?

A5:大使館で発行できるサイン証明書が、印鑑証明書の代わりになります。

日本で印鑑登録をしていない場合は、サイン証明書を大使館で発行してもらえば印鑑証明書の代わりとして使用できます。

また外国人登録法で登録していて、日本で印鑑登録をしている場合は、通常の方法と同じです。

印鑑の準備を万全にしてスムーズに会社設立をしていこう

最後にまとめると、会社でよく使用する印鑑は以下4点。

  1. 実印
  2. 銀行印
  3. 角印
  4. ゴム印

材質は5000円以下の低価格帯2万円以上の高価格帯まで、様々な種類がありましたね。

さらに実印銀行印登録方法変更方法を、個人法人に分けて紹介してきました。

印鑑のことを把握しておけば、いざ会社設立時に慌ててしまったり、粗悪な印鑑を買って無駄な出費を増やすこともなくなります。

印鑑に関することで悩まないように、大事なことはしっかりと頭に入れておきましょう。

お問い合わせはこちら
会社設立のこと、お気軽にご相談ください
A62_0679

会社設立・創業支援なら、話しやすさNo.1のスタートアップ税理士法人にお任せください!

実績多数のスペシャリストが、会社設立に関するお問い合わせを幅広く受付中です。全国対応可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

カテゴリーで検索

タグで検索

記事一覧へ戻る