会社設立は8ステップで完了。手続きの流れをご紹介!
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「会社を設立したいけど、何から手をつけたらいいのかな?」
「起業するってなんだか難しくて大変そう…やり方もわからない」
そんな悩みをお持ちの方に朗報です!
会社設立はたった8ステップで完了させられることをご存知ですか?
本記事では株式会社を設立し、起業するまでの手順を簡単に紹介していきます。
- 目次
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複雑な手続きは、専門家の助けを借りよう!
本記事では、会社設立の概要を握していただくことを目的に、必要なステップをご紹介します。
スムーズな会社設立のためにも、経営者として会社設立の流れを頭に入れておくようにしましょう!
ただし、複雑な部分は専門家の助けを借りるのがおすすめです。
自力で会社設立しようとすると、初めての場合はどうしても時間がかかってしまいます。
大切な本業に支障をきたしてしまったり、手続きのミスにより二度手間になってしまう可能性も。
無駄なく効率的に会社設立をしたい場合は、専門家への依頼をぜひ前向きにご検討ください!
会社設立の8ステップをご紹介!
それでは早速、会社設立の8ステップをご紹介していきます!
- 会社の基本情報の決定&印鑑の購入
- 資本金の準備
- 定款の作成
- 定款の認証
- 資本金の払込み
- 法務局で登記申請
- 法務局で登記事項証明書と印鑑カードを取得
- 法人口座の開設と各種届出
ひとつずつ手続きをクリアして、会社設立と起業を実現させましょう!
ステップ①:会社の基本情報の決定&印鑑の購入
まずは会社の基本情報を決めるところからスタートです。
主な基本情報は次のとおり。
- 会社形態
- 会社名
- 本社所在地
- 事業目的
- 資本金額
- 発起人の詳細
上記の項目は、この後に紹介する定款を作成する際にも必要になるので、しっかりと決めておきましょう。
会社名の決め方など、詳細は以下の記事を参考してみてくださいね。
さらに会社用の印鑑も購入する必要があるので、作成期間も鑑みて早めに申し込んでおきましょう。
ステップ②:資本金の準備
続いて資本金の準備をしましょう。
結論から伝えると、資本金は多ければ多いほどいいです。
起業したての会社にとって、資本金の額は信用力に直結します。
法律上は1円から起業できますが、それでは取引先や金融機関からの信頼を勝ち取れません。
ただし資本金を1000万円以上にすると、1期目から消費税がかかるので、税金面も考慮して決めることをオススメします。
ちなみに目安として、起業~半年間の運転資金を資本金額にすると安心です。
ステップ③:定款の作成
定款とはいわば「会社のルールブック」のようなものです。
定款の作成で決めることは、以下の10個。
- 会社の名前
- 事業目的
- 本店の住所
- 公告の方法
- 発行可能株式総数と株式の譲渡制限について
- 取締役会設置の有無
- 取締役の人数・任期
- 事業年度(決算月)
- 資本金の額
- 発起人の人数
また、定款には「紙定款」と「電子定款」の2種類があります。
紙定款の場合は、4万円の収入印紙代が必要になりますが、電子定款の場合はそれがかかりません。
それぞれのメリット・デメリットを見極めたうえで選択していきましょう。
ステップ④:定款の認証
定款が作成できたら、公証役場で認証を受けるステップに入りましょう。
紙定款の場合
紙定款で認証するときに必要なものは、次のとおりです。
- 定款(3部)
- 発起人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
- 発起人全員の実印
- 認証手数料(5万円)
- 謄本代(250円×定款のページ数)
- 収入印紙(4万円)
- 委任状(※代理人が申請する場合)
上記の書類を本社所在地の都道府県にある公証役場に連絡して、認証を受けに行きましょう。
事前に郵送・FAXなどで定款を確認してもらうと、あらかじめ修正点などがはっきりするので、スムーズに認証できます。
電子定款の場合
電子定款を作成するには、次のようなものが必要です。
- マイナンバーカード(電子証明書つき)
- 電子署名ソフト
- ICカードリーダライタ
- 電子署名プラグインソフト
また電子定款を認証するには、下記のものを用意しましょう。
- 記録媒体(USBメモリなど)
- プリントアウトした電子定款(2通)
- 発起人全員の印鑑証明書
- 電子署名した発起人以外の委任状(※発起人が複数人いる場合)
- 認証手数料(3万円~5万円※)
- 謄本代(約2000円~3000円)
- 身分証明書
- 印鑑
- 「登記・供託オンライン申請システム」に申請者の情報を入力して登録
- 申請用総合ソフトをダウンロード・インストール
- 申請用総合ソフトで電子定款を本店がある都道府県の公証役場に送信
- 公証役場に定款のデータを受け取りに行く
【※認証手数料は資本金の額によって異なります!】
2022年1月1日から、定款の認証手数料が資本金の額によって変動することになりました。
- 資本金100万円未満…3万円
- 資本金100万円以上~300万円未満…4万円
- 資本金300万円以上…5万円
ステップ⑤:資本金の払込み
定款の認証が完了したら、資本金の払込みをします。
登記前は法人口座が未開設なので、発起人の個人名義の口座に振込みましょう。
またその際は、下記のページのコピーを用意してください。
- 通帳の表紙、1ページ目
- 資本金が振り込まれたことがわかるページ
ステップ⑥:法務局で登記申請
続いて法務局で登記の申請をします。
その際の必要書類は、次のとおりです。
- 登記申請書
- 登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
- 登記すべき事項を保存したCD-R
- 定款(3通)
- 就任承諾書(取締役、代表取締役、監査役)
- 資本金の払込証明書
- 印鑑(改印)届出書
- 発起人の決定書
- 取締役全員分の印鑑証明書
就任承諾書は…
- 取締役の就任承諾書
- 代表取締役の就任承諾書
- 監査役の就任承諾書
上記の3種類ありますが、①は発起人が取締役になる場合は不要です。
②は取締役が1名のときは必然的にその人が代表取締役になるので、いりません。
③は取締役会が設置されている場合、監査役も必要なので承諾書も必要になります。
ステップ⑦:法務局で登記事項証明書と印鑑カードを取得
法務局での登記申請が完了したら、法務局で登記事項証明書と印鑑カードを取得しましょう。
登記事項証明書について
登記事項証明書とは、会社の登記事項が載っている帳簿データの登記記録の写しのこと。
以前は登記事項が載っている帳簿(=登記簿)が主流でしたが、現在はデータ化(=登記記録)が進んでいます。
登記申請が済んでいれば、約10日で登記が完了するので、法務局で登記事項証明書の交付申請をしましょう。
この証明書は様々な手続きで必要になるので、3部ほど申請しておくと安心です。(1通につき600円の手数料がかかります。)
印鑑カードについて
印鑑カードとは、会社の実印の所持者を証明するカードのこと。
こちらも法務局で「印鑑カード交付申請書」を提出し、交付を受けます。
ただしこの申請書の提出先は、登記の手続きをした法務局のみです。
郵送でも提出可能ですが、窓口なら当日の受取りができるので、時間のない方は直接向かいましょう。
印鑑カードが取得できたら、お近くの法務局で印鑑証明の交付を受けられます。(1通につき450円)
ステップ⑧:法人口座の開設と各種届出
法務局で登記事項証明書と印鑑カードをゲットしたら、起業の手続きは一旦完了です。
ただしそのまま手放しで喜んでいてはいけません。
起業した後も、事業を開始する前にやるべき手続きがいくつかあります。
まずは法人口座の開設。
開設は任意ですが、会計処理や税務処理の際に法人口座があると便利なうえ、開設までの審査が厳しいので、会社の信用力もアップします。
それに加えてやっておきたい手続きは、次の3つの届出です。
- 税金関係の届出
- 社会保険関係の届出
- 雇用関係の届出
税金関係の届出
会社を設立した場合、自ら申告をして税金を納付しなければなりません。
そのため、国税なら税務署、地方税なら都道府県税事務所・市区町村役場で手続きを行う必要があります。
必要書類は次の6種類ですが、必須なのは①、②のみです。
その他の書類は、必要に応じて揃えましょう。
- 法人設立届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 青色申告の承認申告書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 棚卸資産の評価方法の届出書
- 減価償却資産の償却方法の届出書
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社会保険関係の届出
起業には社会保険の加入もつきものです。
書類は会社設立後5日以内に年金事務所に提出する必要があります。
主な提出書類は、次のとおり。
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 国民年金第3号被保険者届
書類はそれぞれのケースによって異なることもあるので、詳しくは年金事務所に確認してみてください。
雇用関係の届出
また従業員を雇用する場合は、その関係書類の提出も必要です。
【労働法に関する届出】
労働法に関する届出は、労働基準監督署に提出します。
- 労働保険 保険関係成立届(10日以内)
- 労働保険 概算保険料申告書(50日以内)
- 就業規則(変更)届(※従業員が10名以上のとき)
- 適用事業報告書
上記の書類を期日内に揃えておいてください。
ただし「適用事業報告書」は、従業員が同居している家族のみの場合は不要です。
【雇用保険に関する届出】
さらに雇用保険に関する届出を、ハローワークに提出しましょう。
ハローワークに提出するのは、次の2種類。
- 雇用保険適用事業所設置届(10日以内)
- 雇用保険被保険者資格取得届(翌月10日まで)
それぞれ期限が異なるので、間違えないようにしてくださいね。
まとめ ~会社設立するには8つのステップを踏もう~
会社設立するにはどうすればいいのかお悩みの方に向けて、必要な8つのステップを紹介してきました。
最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 会社の基本情報の決定&印鑑の購入
- 資本金の準備
- 定款の作成
- 定款の認証
- 資本金の払込み
- 法務局で登記申請
- 法務局で登記事項証明書と印鑑カードを取得
- 法人口座の開設と各種届出
それぞれのステップは、ご理解いただけたでしょうか?
会社設立が完了しても、各種届出が必要になるなど、頭を悩ませた方も少なくないかもしれません。
もしご自身で全てをこなすのが不安な場合は、ぜひスタートアップ税理士法人までご相談ください!
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