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読まなきゃ損!?【旅行会社設立】までの問題を解決して流れを確認!

「旅行会社を設立したいけど、何から手をつけたらいいかわからない…」

「必要な資格や費用がどのくらいなのか知りたい!」

そんなあなたのために、

  1. 株式会社と合同会社の選択
  2. 旅行業の種類
  3. 基準資産と営業保証金の額
  4. 旅行業に登録するための必要書類

の順に、旅行会社を設立するまでの流れの中で、立ちはだかる様々な問題を解決していきます!

目次

旅行会社で設立できる会社の種類

旅行会社を設立する!と思い立ったら、まず株式会社にするか合同会社にするかというところから決めていきます。

しかし両者にどんな違いがあって、自分はどちらに向いているのかハッキリしない人も多いかもしれません。

それぞれの特徴を知って、サクッと決めてしまいましょう!

株式会社に向いている人

株式会社を設立するのに向いているのは…

  • 会社をどんどん大きくする予定のある人
  • 代表取締役という肩書きが欲しい人
  • 社会的な信用力が欲しい人

もし今後、会社を発展させて規模を大きくする予定があるなら、株式会社がオススメです。

また株式会社にすると、創業者の肩書きは「代表取締役」になるので、社会的な信用力もつきます。

合同会社に向いている人

合同会社を設立するのに向いているのは…

  • 設立するコストを1円でも安くしたい人
  • 小規模での会社経営を続けたい人

少しでも安く設立したい人には、合同会社がオススメ。

また今後も小規模で経営を続けて、できるだけ狭い範囲で迅速な意思疎通をはかれる状況におきたい人も合同会社にしたほうがいいでしょう。

ただし「お金がないから、とりあえず合同会社で…」という人は、後々変更すると余計な費用がかかるので、最初から株式会社にしてしまったほうが、最終的には安く済みます。

旅行業の種類は全部で5種類

旅行業には業務内容によって、

  1. 第1種旅行業
  2. 第2種旅行業
  3. 第3種旅行業
  4. 地域限定旅行業
  5. 旅行業者代理業

と分かれています。

それぞれの違いの最たるものは、提供できる旅行プランの違いです。

  • 募集型企画旅行

平たく言うと、よくある全て込み込みのパッケージツアーのことです。

  • 受注型企画旅行

修学旅行など、客の要望に沿ってプランを提案するオーダーメイドのツアーのことです。

  • 手配旅行

航空チケットやホテルの予約のみを承るものです。

①:第1種旅行業

第1種旅行業は、

  • 募集型企画旅行
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

のすべてを、海外・国内問わず網羅しています。

そのため、旅行業に関することを手広くやっていきたい方に、オススメです。

登録するときは、官公庁長官のもとに申請しにいきます。

②:第2種旅行業

第2種旅行業では、

  • 募集型企画旅行(国内のみ)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

を取り扱えますが、第1種と決定的に違う点は、海外の募集型企画旅行が扱えないという点です。

受注型企画旅行と手配旅行なら海外も取り扱えますが、総合旅行業務取扱管理者の資格がある人による選任が必要になってきます。

また登録するときの申請先は、営業所のある都道府県知事です。

【総合旅行業務取扱管理者とは?】

旅行に関する仕事を、海外・国内問わずに取り扱える人のこと。

旅行業界では唯一の国家資格です。

主に旅行プランの作成・監督をはじめ、旅行者からの苦情処理交通手段のチェックなどを行います。

③:第3種旅行業

第3種旅行業で取り扱えるのは、基本的に第2種旅行業の条件と同じく、

  • 募集型企画旅行(国内のみ)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

となっています。

ただし国内の募集型企画旅行を行うときには、以下のような条件があります。

国内の募集型企画旅行を行うときの条件

国内の募集型企画旅行を行うときは、

  1. 出発地
  2. 目的地
  3. 宿泊地
  4. 帰着地

が、以下のどちらかに収まる範囲内のプランである必要があります。

  • 営業所(店舗)のある市町村 or 隣接する市町村
  • 国土交通大臣の定める区域

そのため、小規模な旅行プランを計画して販売したい人にオススメです。

登録するときは第2種と同じく、都道府県知事の元で申請を行います。

④:地域限定旅行業

地域限定旅行業

  • 募集型企画旅行(国内のみ)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

を取り扱えますが、すべてにおいて1つ条件があります。

地域限定旅行業の条件

  1. 出発地
  2. 目的地
  3. 宿泊地
  4. 帰着地

上記4点が営業所(店舗)のある市町村 or 隣接する市町村の範囲内の旅行プランに限られます。

この条件が適用されるのは、第3種だと国内の募集型企画旅行だけでした。

しかし地域限定旅行は、全種類においてこの条件が適用されるという点が違います。

⑤:旅行業者代理業

最後に紹介する旅行業者代理業は、今までの種類とは変わり種。

すでに存在する旅行業者と契約を結んで、代理で商品を販売する業務です。

そのため、自ら旅行プランを設計して販売することはできません。

また、2つ以上の旅行業者と契約して代理販売もできないので、注意しておきましょう。

お問い合わせはこちら

基準資産と営業保証金の額について

旅行業の種類ごとに基準資産営業保証金がそれぞれ異なります。

そのため自身がどのくらいの金額を工面できるのかという点も、種類を決める判断材料にすることが可能です。

基準資産について

基準資産とは、審査時に「旅行業を創業しても問題ないくらいの資金があるか?」をチェックするときの基準となるお金のことです。

旅行業の種類 基準資産額(円)
第1種旅行業 3000万
第2種旅行業 700万
第3種旅行業 300万
地域限定旅行業 100万
旅行業者代理業

営業保証金について

営業保証金は、旅行業者が資金の一部を国に預ける(=供託)お金のこと。

国の管理下に置くことによって、万が一消費者が料金を支払ったあとに旅行会社が倒産しても、営業保証金から支払われます。

 
旅行業の種類 金額(円) 金額(円)※旅行業協会の正会員
第1種旅行業 7000万 1400万
第2種旅行業 1100万 220万
第3種旅行業 300万 60万
地域限定旅行業 15万 3万
旅行業者代理業

 

※旅行業協会に入会して、営業保証金を安くすることもできる

営業保証金は、

  1. 日本旅行業協会(JATA)
  2. 全国旅行業協会(ANTA)

どちらかの正会員になれば、弁済業務保証金制度を使えるので、金額を抑えることが可能です。(上表※の箇所)

【弁済業務保証金制度とは?】

弁済業務保証金制度は、営業保証金を創業者に代わって旅行業協会が支払う制度。

通常、営業保証金は旅行業の創業者が直接払うものです。

しかし旅行業協会に加入すれば、協会が様々な会員から集めた保証金を共同の担保として代わりに払うので、創業者1人あたりの負担額は少なくなります。

旅行業を始めるための必要書類

旅行業を新規で登録する際に必要な書類は、およそ15枚。

法人か個人事業主かで多少変わりますが、今回は法人の旅行業を創業する際の必要書類について確認していきましょう。

東京都で創業する場合は、東京都産業労働局のHPに各種テンプレートがあります。

  1. 新規登録申請書(支店も設ける場合は2セット)
  2. 定款または寄附行為
  3. 登記簿謄本
  4. 全役員の宣誓書
  5. 旅行業務に係る事業の計画
  6. 旅行業務に係る組織の概要
  7. 法人税の確定申告書及び添付書類の写し
  8. 旅行業務取扱管理者選任一覧表
  9. 営業所の使用権を証する書類
  10. 事故処理体制の説明書
  11. 標準旅行業約款(2部)
  12. 旅行業約款認可申請書(標準旅行業約款以外を使用するとき)
  13. 航空券発券に関する契約(発券契約があるとき)
  14. 海外手配業者との契約(海外手配業者との契約があるとき)
  15. 旅行業協会の発行する入会確認書または承認書(登録後すぐに保証会員になる場合)

①:新規登録申請書

旅行業の新規登録をする際にまず用意するのは、新規登録申請書です。

いわばプロフィールシートのようなもので、新規登録申請書には「氏名・住所・商号・営業所の所在地」など、基本的なことを書きます。

記入する際の注意点は、法人なら住所は本店の所在地を記入すること。

  • 本店とメインとなる営業所の住所が違う場合
  • 本店とは違う商号(副商号)をつける場合

は、誓約書が別途必要です。

②:定款または寄附行為の写し

定款は会社の基本的な規則を記載したもので、いわば会社のルールブックとも言えます。

また学校法人の基本的な規則を記したものは、寄附行為と呼ばれていますが、内容は定款とほぼ同じです。

定款および寄付行為には、目的を記入する欄があります。

旅行業の場合は、この欄に「旅行業」もしくは「旅行業法に基づく旅行業」と記載しましょう。

③:履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書は、会社が法人登記をする際に提出する「会社名、住所、資本金、役員」と言った、会社の基本的な事項が書いてある登記事項証明書の1種です。

以前は紙の登記簿で登録していたので、登記簿謄本と呼ばれていましたが、現在はデータで管理しているため、登記事項証明書と名称が変更されています。

の4種類ありますが、登記簿謄本を取得=履歴事項全部証明書を取得という認識でOKです。

(管轄登記所が異動した場合は、閉鎖事項全部証明書が必要になる場合もアリ。)

ちなみに用意するのは、発行から3ヶ月以内のものに限ります。

④:全役員の宣誓書

会社設立する際に決める

  • 取締役
  • 会計参与(必要であれば)
  • 監査役(必要であれば)

全役員の宣誓書も必須です。

宣誓書は、その役員に就任することを承諾する証明書(=就任承諾書)なので、それぞれ自署したものを用意しておきましょう。

取締役・監査役の宣誓書については、コチラの記事にも記載があります。

⑤:旅行業務に係る事業の計画

旅行業務に関わる事業の計画は、「会社の沿革・株主・従業員数・取扱商品」など10項目を、用紙数枚にわたって記入していきます。

最後の項目の「手配の確実性を証する契約先」の欄には、実際の契約先の契約書をあわせて添付しましょう。

⑥:旅行業務に係る組織の概要

両行業務の部局・関連部局の組織図を、ツリー構造で作成します。

選任した管理者の名前も一緒に記入してください。

⑦:法人税の確定申告書及び添付書類の写し

直近の確定申告書の全ページの写しに加え、

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 勘定科目内訳明細書

上記4種の添付書類全ページの写しを添付して提出します。

法人設立してからまだ最初の決算期を迎えていない場合は、開業時の貸借対照表の添付のみでOKです。

ちなみに、会社法第396条に基づく公認会計士または監査法人による

  • 財務監査証明書
  • 金融商品取引法に基づく有価証券報告書

のいずれかがあれば、確定申告書の写しの代わりにすることができます。

⑧:旅行業務取扱管理者選任一覧表

旅行業務取扱管理者の資格保持者を、一覧にしてまとめた表です。

  1. 合格証 or 認定証の写し
  2. 定期研修修了証の写し
  3. 履歴書
  4. 宣誓書

を添付します。

管理者が出向しているときは、出向契約書本人の同意書の写しも必要です。

定期研修の受講が申請まで間に合わずに、定期研修修了証の写しを添付できない場合は、受講してもらうという誓約書を提出して必要書類とすることもできます。

⑨:営業所の使用権を証する書類

営業所(店舗)ごとに「建物登記簿謄本(登記事項証明書)」または、「賃貸借契約書」の写しを提出します。

賃貸で借りているところを店舗として構える(=転貸借)場合は、その建物の所有者の同意書も必要です。

⑩:事故処理体制の説明書

万が一旅行中に事故が発生したときのために、責任者の氏名や電話番号などの情報をまとめた説明書。

様々な事態に対応できるように、社内と外部の連絡体制を記入しましょう。

⑪:標準旅行業約款(2部)

標準旅行業約款は旅行業法に基づき、観光庁と消費者庁が定めた約款のモデルのこと。

旅行業約款を作成したら、観光庁長官の認可を要しますが、標準旅行業約款と同じものを使用する場合は、認可してもらう必要はありません。

約款は2部必要ですが、1部は登録通知書が交付されたときに返却されます。

⑫:旅行業約款認可申請書(標準旅行業約款以外を使用するとき)

上記で説明したように、標準旅行業約款以外の約款を定めるときは、観光庁長官の認可が必要です。

そのような場合は、旅行業約款認可申請書も一緒に提出しましょう。

⑬:航空券発券に関する契約(発券契約があるとき)

航空券の発券契約がある旅行業を行う場合は、契約書の写しを提出します。

⑭:海外手配業者との契約(海外手配業者との契約があるとき)

海外手配業者を利用する旅行業を行う場合は、契約書の写しを提出しましょう。

⑮:旅行業協会発行の入会確認書 or 承認書(登録後すぐ保証会員になるとき)

新規登録申請をしてすぐ、旅行業協会に加入することを決めている場合は、入会確認書もしくは承認書も、この時点で提出します。

旅行会社が設立できたら、事業を軌道に乗せていこう!

ここまで旅行会社を設立するまでに立ちはだかる…

  1. 株式会社と合同会社の選択
  2. 旅行業の種類
  3. 基準資産と営業保証金の額
  4. 旅行業に登録するための必要書類

についての問題を、1つずつ解決していきました。

旅行会社を設立までの道のりは、決して容易くはありません

しかし少しずつでも行動し続けていけば、必ず起業できるはずです。

もし1人では解決できない問題が出てきたら、いつでも相談しにきてくださいね!

 

 

 

 

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