【クラウドファンディング】とは?やり方を学んで資金調達しよう!
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
皆さんは、クラウドファンディングについてご存知ですか?
個人的なものから社会的なものまでさまざまなプロジェクトで用いられるクラウドファンディングは、ビジネスを立ち上げる際の資金調達方法としても効果的です。
本記事ではクラウドファンディングでの資金調達について、下記の順に解説していきます。
- クラウドファンディングとは?
- クラウドファンディングの2タイプとそれぞれの種類
- クラウドファンディングで資金調達するメリット・デメリット
- クラウドファンディングで資金調達する流れ
クラウドファンディングの種類や資金調達の流れを知り、起業資金を集める手段として検討してみましょう!
- 目次
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クラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(Crowdfunding)とは「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通して自分のやりたいことや夢を発信し、賛同してくれた不特定多数の人々から資金を調達する仕組みです。
プロジェクトの起案者は、支援者の支援内容に応じてリターンを行います。
インターネットの普及にともない、2000年代後半の米国で盛んになったクラウドファンディングですが、日本では2011年の東日本大震災で大きく注目されたのが契機です。
少額から支援でき、支援したお金の使途が明確なことから、復興支援のための資金集めに大きく役立ちました。
以降、クラウドファンディング運営サービスが続々と開始され、昨今ではビジネスにおける資金調達にも利用されています。
クラウドファンディングの2タイプとそれぞれの種類
クラウドファンディングには、下記2つのタイプがあります。
- 非投資タイプ…商品やサービスでのリターンが一般的
- 投資タイプ…お金でのリターンが確約されている
違いは支援者へのリターンがお金か否かという点ですが、それぞれさらに分類されるので詳しく見ていきましょう!
① 非投資タイプ
お金ではなく、商品やサービスでのリターンが一般的な非投資タイプは、更に下記の2種類に分けられます。
- 購入型
- 寄付型
購入型
購入型クラウドファンディングでは、起案者と支援者が下記のような関係性をとります。
- 起案者…クラウドファンディングサイトの運営者に支払われる手数料を除いた支援金を受け取る
- 支援者…クラウドファンディングサイトから応援したいプロジェクトを選び、資金を提供すると、そのリターンとして支援金額に応じたサービスや商品を入手できる
テレビの広告などで目にする大多数のクラウドファンディングが購入型のものです。
購入型クラウドファンディングは、さらに下記の2種類に分けられます。
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All or Nothing型…期間内に目標金額に達しない場合、集まった資金を受け取ることができない方式。目標額に1円でも達しなければプロジェクト終了となり、支援金が返金、もしくは購入がキャンセルされ、リターンも発生しない。目標達成型とも呼ばれる。
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All In型…期間内に集まった金額が目標額に達していなくても、その時点で集まった支援金の全額を受け取ることができる方式。目標額に達しなかった場合でもプロジェクト自体は終了とならず、支援者は支援内容に応じたリターンを受け取ることができる。実行確約型とも呼ばれる。
寄付型
寄付型クラウドファンディングは、起案者が支援者からの支援を寄付金として受け取る方式です。
一般的に支援者へのリターンは発生しませんが、その代わりに活動報告などを受け取る場合もあります。
復興支援や慈善事業など、公益性の高いプロジェクトが多いことが特徴です。
寄付型クラウドファンディングでは、支援者が寄付金控除などの税制優遇を受けられる場合もあります。
- 起案者…支援された額を寄付金として受け取る
- 支援者…一般的にリターンは受け取らない
② 投資タイプ
お金でのリターンを前提とする投資タイプは、下記の3種類に分けられます。
- 株式型
- ファンド型
- 貸付型
株式型
起案者は少額の株を支援者に購入してもらって資金を募り、支援者は企業の株式をリターンとして受け取る方式です。
やりとりする株は未公開株なので、支援者はリスクを背負います。
しかし成功した場合のリターンが大きいので、出資する支援者も少なくない方式です。
- 起案者…支援者に少額の株を購入してもらう
- 支援者…起業の株式を受け取る
ファンド型
起案者が立ち上げるビジネスに対して出資を募る、事業投資型とも呼ばれる方式です。
投資はクラウドファンディング事業者を介して行われるため、支援者となる投資家は応援したい特定のビジネスに対して匿名で投資ができます。
支援者はビジネスの売上やプロジェクトの達成度合いに応じ、分配金をリターンとして受け取ります。
そのため、リターンの収益は増減する点がリスクです。
- 起案者…起案したプロジェクトに対して出資を募る
- 支援者…支援したプロジェクトの達成度合いに応じ、分配金を受け取る
貸付型
資金を募る起案者に対して、投資家がクラウドファンディング事業者を介して間接的に資金を貸し付ける方式です。
融資型と呼ばれることもあります。
起案者は投資家を自力で探す必要がなく、多くの投資家へ幅広く資金を募ることができ、資金を集めやすいのが特徴です。
- 起案者…資金を募り、支援者(投資家)に貸し付けてもらう
- 支援者…起案者に資金を貸し付ける。期間内は返済金の一部が分配金として割り当てられ、満期を迎えると、元本割れや貸し倒れが起きない限り、元本が戻ってくる
クラウドファンディングで資金調達するメリット・デメリット
クラウドファンディングは起業する際の資金調達にも有効です。
さらに理解を深めるため、クラウドファンディングでの資金調達にどんなメリット・デメリットがあるのかを確認していきましょう!
メリット
クラウドファンディングで資金調達するメリットは、下記の3点です。
- アイデアだけで、返済不要の資金を調達できる
- マーケティングにもなる
- リターンを自由に設定できる
アイデアだけで、返済不要の資金を調達できる
クラウドファンディングを利用すると、アイデアが優れていれば資金調達できる可能性が高いです。
支援者にとって魅力的なアイデアを提案できれば、経歴や実績がなくても資金調達できる点はクラウドファンディングならではのメリットといえます。
クラウドファンディングで調達できる資金は返済不要かつ使用用途の制限もない上に、自己資金があるかどうかも問われません。
そのため、アイデアに自信のある方にはオススメの資金調達方法です。
マーケティングにもなる
資金集めだけでなく、マーケティングにも利用できるのがクラウドファンディングのメリットです。
クラウドファンディングで掲げた目標を達成できると、それがそのまま実績となります。
ビジネスの実績や価値を世の中に発信できればブランディングとなり、さらに広く信頼を得られるので、効果的なマーケティングをどんどん展開していけるでしょう。
リターンを自由に設定できる
支援者へのリターンを、起案者側で自由に設定できる点も嬉しいポイントです。
プロジェクトの実現を応援したいという支援者の気持ちを汲み、喜んでもらえる内容を考えてみましょう。
デメリット
クラウドファンディングで資金調達するデメリットは、下記の2点です。
- 必ず資金調達できるわけではない
- 公表したアイデアを盗まれる可能性がある
必ず資金調達できるわけではない
クラウドファンディングで支援を募っても、必ず資金調達できるとは限りません。
支援者にとって魅力的な内容でなければお金が集まりませんし、設定した期間内で目標額が集まらないなど時間がかかる場合もあります。
また支援者が集まってプロジェクトを行ったとしても、利益を出せなければ、リターンや返金といった対応がうまく行かない場合もあるので、様々な想定をしておくことが重要です。
公表したアイデアを盗まれる可能性がある
クラウドファンディングではプロジェクトや夢を公表して支援者を募りますが、アイデアを盗まれてしまうリスクが常にあります。
支援者だけでなく、同じようなビジネスモデルを考えているライバルにも考えを知られてしまう点に注意しておきましょう。
クラウドファンディングで資金調達する流れ
それでは、クラウドファンディングで資金調達する流れをご紹介します!
大まかな流れは下記の通りです。
- 目的と目標を設定
- クラウドファンディングサイトに登録
- プロジェクトの申請
- 支援募集期間中に宣伝活動を行う
- 支援募集期間後、達成の可否が出る
- 支援者へのリターンを行う
① 目的と目標を設定
まずは、次の項目を入念に考えて設定しましょう。
- どんなプロジェクトのために支援を募るか
- 必要な資金
- 支援してくれた人へのリターン内容
これらを明確にすることは、支援者に「応援したい」と思ってもらうためにとても重要です。
魅力あるプロジェクトを提示できるように、しっかり準備しましょう。
② クラウドファンディングサイトに登録
クラウドファンディングを行うためには、サイトへの登録が必須になります。
サイトによって得意なジャンルはさまざまなので、自分のビジネスの方向性に沿ったサイト選びを行いましょう。
クラウドファンディングサイトを選ぶ際には、下記のポイントをチェックするようにしてください。
- 希望のプロジェクトにマッチしたサイトかどうか
- どんなサポート体制があるか
- 手数料の割合について
- 資金の受け取り方法
③ プロジェクトの申請
クラウドファンディングサイトへの登録を終えたら、次にプロジェクトを申請します。
プロジェクト内容や目標金額などについて設定すると、サイト側による審査が行われるので結果を待ちましょう。
審査結果が出るまでにかかる時間は、最短で即日、長くても1週間ほどです。
審査を通過したら、サイトを介して支援の募集を始めることができます!
不備があった場合は、再度申請する必要が出てくるので注意してください。
④ 支援募集期間中に宣伝活動を行う
支援の募集をスタートさせたら、自分のプロジェクトを最大限知ってもらえるように、SNSなどを利用して宣伝活動を行いましょう!
途中経過の報告など、支援者が状況をこまめに確認できるような工夫も有効です。
期間中は、目標を達成するための行動を取りながら過ごすようにしてください。
⑤ 支援募集期間後、達成の可否が出る
支援募集期間が終了したら、目標達成の可否が出ます。
資金の振込はクラウドファンディングの種類によって異なる点に注意しましょう。
例えば購入型クラウドファンディングの場合、All In型であれば支援された分は資金として振り込まれますが、All or Nothing型の場合は全額を返金することになります。
⑥ 支援者へのリターンやお礼を行う
期間を終えたら、支援者に結果を報告し、お礼やリターンを行います。
プロジェクトが成功してもしなくても、関係者に感謝を表明し、今後のビジネスに繋げられるように努めましょう。
まとめ
クラウドファンディングでの資金調達について、下記の流れで解説してきました。
- クラウドファンディングとは?
- クラウドファンディングの2タイプとそれぞれの種類
- クラウドファンディングで資金調達するメリット・デメリット
- クラウドファンディングで資金調達する流れ
さまざまな用途に利用されるクラウドファンディングですが、起業資金を調達したい方にとっても有効なサービスです。
少しでも興味のある方は、クラウドファンディングに挑戦して資金を集めてみませんか?
クラウドファンディングについてはもちろん、資金調達に関する疑問は弊社までご相談ください!
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