法人化すると【節税】できる!? 個人事業主との違いをチェック!

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副業で事業をはじめたり、脱サラして起業したりする際、個人事業主として開業するのか、それとも法人として会社を設立するのか迷うと思います。

個人事業主から法人化するタイミングで、頭を悩ませている方も多いでしょう。

「法人化はさまざまな費用がかかる」というイメージが根強いのですが、節税を考えた場合、個人事業主を続けるよりも、法人化の方がメリットを受け取れるケースが少なくありません

今回は法人化でどのような節税ができるのか、個人事業主との違いを解説いたします

目次

そもそも節税とは

節税の話をすると、「違法行為なのでは?」と心配する方がいます。

ですが、個人事業主や法人の節税は、サラリーマンが医療費控除や生命保険控除、住宅ローン控除などで税金負担を減らしているのと同じで、法的な問題は一切ありません

どのような節税方法があるのか情報を集め、できる限りの対策ができると、余計な税金を支払わずに済みます。

会社を設立した人、起業した人が正当に使えるテクニックなので、安心してください

法人化で節税できるのはなぜ?

法人化すると、下記のような税金がかかります

【法人に課される主な税金】
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 特別法人事業税
  • 消費税及び地方消費税

そのため、個人事業主として事業を続けるよりも、法人化した方が支払う金額が増える、というイメージを持つ方が少なくありません。

一方で、個人事業主には次のような税金が課せられます

【個人事業主に課される主な税金】
  • 所得税
  • 特別復興所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税及び地方消費税

事業が小さいうちは、課税される税金の額も小さいのですが、収入が増えてくると、累進課税である所得税の額が大きくなります

また申告の際、法人は経費として扱えるけれど個人事業主は計上できない、という部分が多くあります。

これらの点を踏まえると、年間所得が800~900万円に達する頃に法人化するのが、節税面で恩恵を受け取る目安です。

税金面で優れるだけでなく、社会的な信用が得られる点も法人化のメリットです。

個人事業主としての収益、副業やフリーランスとしての売上が伸びてきたら、法人化を検討してみましょう

法人化でできる節税対策9選

事業を法人化すると、さまざまな部分で節税できます。

今回は法人化でできる主な節税対策9選をご紹介!

どのような対策ができるのか、くわしくチェックしてみましょう。

  1. 税率が上がりにくくなる
  2. 赤字を繰り越せるようになる
  3. 利益を役員報酬にできる
  4. 家族にも役員報酬を支払える
  5. 従業員の退職金を損金にできる
  6. 住宅を社宅にできる
  7. 生命保険料を経費にできる
  8. 出張手当を経費にできる
  9. 消費税を2年間支払わなくてよい

① 税率が上がりにくくなる

個人事業主の場合、収入によって税率が5~45%と次第に上がっていくことをご存知ですか?

住民税の負担もあるため、4,000万円以上の収入がある場合、利益に対して最大55%が課税されます。

収益に比例して税金が上がるこの悩みは、法人化で解決できます

法人にも法人税が課税されますが、下記のような税率になっており、個人事業主よりもゆるやかかつ、課税率が抑えられている点が特徴です

  • 利益が400万円以下の場合:およそ21%
  • 利益が400万円~800万円の場合:およそ23%
  • 利益が800万円以上の場合:およそ34%

この税率面のメリットから、利益が800万円を超えるくらいからの法人化が推奨されています。

② 赤字を繰り越せるようになる

個人事業主は3年間赤字を繰り越せますが、法人化すると過去10年にさかのぼって赤字の繰り越しが可能です

赤字を繰り越しておけば、収益が黒字の時に相殺できるため、節税できます。

事業を運営していると、黒字が大きくなる年度が出てくるでしょう。

タイミングを見極めて上手に申告すると、赤字分の節税効果をより大きくできます。

③ 利益を役員報酬にできる

個人事業主の場合、事業の利益はすべて課税対象になります

一方で、法人化している場合は、給与を役員報酬という形で受け取れるため、損金として計上できます

利益が減ることで、会社にかかる法人税を節税できる点がメリットです。

このとき、「役員報酬を増やせば個人の収入が増え、法人税も節税できる」と考えがちなのですが、役員報酬をたくさん受け取ってしまうと、個人にかかる所得税が増えるというデメリットがあります。

役員報酬の金額は、株主総会で決定する必要があるなど、簡単には変えられません。

自社の場合は、いくらくらいの役員報酬が適切なのか、税理士に相談しておくと安心です

④ 家族にも役員報酬を支払える

法人化すると、自分が役員報酬を得られるだけでなく、家族にも役員報酬が支払えます

社長一人で報酬を受け取るのではなく、妻や子へ支払いを分散することで、個人の所得税を大幅に節税できるでしょう

仮に社長一人が500万円の報酬を受け取る場合と、社長300万円、妻200万円にわけた場合では税金に大きな差が出ます。

法人化の際に家族がいる場合は、役員として迎え入れてみてください。

⑤ 従業員の退職金を損金にできる

法人化すると、従業員の退職金を損金に計上できます

個人事業主として開業している場合も、従業員の給与関連は人件費となりますが、退職金は経費として認められていません。

従業員を雇用して事業を展開している場合は、個人事業主と法人、どちらが節税になるか検討してみましょう。

⑥ 住宅を社宅にできる

経営者の住む家や従業員の家を社宅にすると、会社が支払った金額分を経費にできます

社宅にできるのは、会社名義の賃貸物件のみです。

注意点として、賃料をあまりにも安くし過ぎてしまった場合、現物支給扱いになる場合があります。

現物支給分は課税されてしまうため、設定金額には気をつけましょう。

社宅を用意することで従業員の負担が減り、満足度や定着率アップにつながるというメリットもあります

 

⑦ 生命保険料を経費にできる

個人事業主が生命保険に加入している場合、生命保険控除が受けられます。

ですが、生命保険控除では大きな節税になりません。

そこでおすすめしたいのが、法人として生命保険に加入する方法です

法人が加入する生命保険は、保険の種類によって半額~全額を経費にできます

また、生命保険の解約返戻金を、役員の退職金に充てている法人が少なくありません。

万が一経営者に不幸があった場合も、死亡退職金で事業継承に必要な資金を確保できる、といったメリットもあります

⑧ 出張手当を経費にできる

仕事で出張があった場合、個人事業主は出張手当を経費にできません。

従業員が同行した場合は出張手当を計上できますが、個人事業主本人については、交通費や宿泊費、研修費、接待交際費など、出張に必要な金額のみが経費となります。

法人化すると、従業員だけでなく自分への出張手当を経費にできます

日ごろから出張の機会が多い場合は、大幅な節税につながるでしょう。

⑨ 消費税を2年間支払わなくてよい

消費税は通常、課税売上が1,000万円を超えた時点で納税義務が発生します。

課税売上が1,000万円未満であれば気にする必要はないのですが、個人事業主として事業展開している場合、1,000万円を超えた時点で消費税を支払わなければいけません。

一方で、法人は2期前の売り上げが1,000万円以上の場合、消費税の納税義務が発生します

つまり次の法人は、消費税が免税となります

  • 売上が1,000万円未満の法人
  • 売上が1,000万円以上あっても1期目と2期目の法人

「個人事業主としての売り上げが1,000万円を超えそう」というタイミングで法人化すれば、1期目と2期目の課税売り上げが1,000万円を超えていても、3期目まで消費税を支払う必要がありません。

課税売上が1,000万円近い個人事業主は、消費税の面でも法人化で節税できます。

まとめ

本記事では法人化の節税メリットについて、下記の流れで解説してきました。

  • そもそも節税とは
  • 法人化で節税できるのはなぜ?
  • 法人化でできる節税対策9選

個人事業主と法人化した企業では、税制面で大きな差があります

所得が年間800万円を超えている場合は、「法人化すると支払いが増える」というイメージは捨て、法人成りを検討してみましょう。

事業によっては、課税売上が500~600万円程度でも、法人化した方が有利な場合もあります。

法人化すべきか迷ったら、弊社までお気軽にご相談ください!

事業や売り上げに応じた最適な事業展開で、さらなる成長を目指しましょう

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