申請期限に注意!法人化後に加入必須の【社会保険】と手続きまとめ
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
会社を設立したら、社会保険の加入が必須になることをご存知ですか?
会社設立によるさまざまな手続きに追われていても、社会保険には絶対に加入しなければいけません。
本記事では、社会保険について押さえておきたいポイントを解説していきます。
- 社会保険とは?
- 法人化後に申請すべき社会保険一覧
- 社会保険の申請手続き
- 加入時の注意点
社会保険には申請期限があるので、事前に把握して備えておきましょう♪
- 目次
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社会保険とは?
社会保険とは、健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった公的保険の総称を指します。
病気やケガ、失業、老後の資金不足といった国民生活におけるリスクに備え、国や地方公共団体が主体となり運営・管理する社会保障制度です。
法人および従業員を常時5名以上雇っている個人事業主は、社会保険への加入が法律で義務づけられています。
社長1人だけの会社であっても、一定以上の報酬があれば、社会保険へ加入しなければいけません。
法人化後に申請すべき社会保険一覧
法人化したら加入しなければならない社会保険は、下記の5つです。
社会保険 | 概要 | 加入義務 | 備考 |
① 健康保険 | 病気やケガなどをした場合、必要な給付を受けるための医療保険 |
原則加入必須 |
【加入義務がある会社】 ・事業主を含む従業員1人以上の法人 ・常時従業員が5人以上の個人事業所(一部の業種は除く) |
② 介護保険 |
要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができる |
40歳以上は原則加入必須 |
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③ 厚生年金 | 企業に勤める労働者を対象とした公的年金制度 | 原則加入必須 | |
④ 雇用保険 | 従業員が失業した場合などに金銭面をサポートする制度 |
以下2つの要件に両方該当する従業員を雇用した場合、加入必須* ・1週間の所定労働時間が20時間以上であること ・31日以上の雇用見込みがあること *…ただし高等学校や大学に在学中の生徒・学生を除く |
役員のみの場合は加入不要 |
⑤ 労災保険 | 民間企業の従業員とその遺族に適用される公的保険制度 | 労働者を1人でも雇う事業所は、原則として加入必須 | 役員のみの場合は加入不要 |
5つの社会保険について、それぞれ詳しくみていきましょう!
① 健康保険
健康保険とは国の医療保険の1つで、会社員とその家族の生活を安定させるための社会保険制度です。
加入者やその家族が病気やケガ、出産などで医療にかかった時や、亡くなった時などに適用されます。
健康保険の特徴は、会社と保険の加入者である従業員が保険料を折半することです。
原則として、法人の代表者や役員、正社員など、常時使用されるすべての人に加入義務があります。
② 介護保険
介護保険は、介護を必要とする高齢者やその家族を社会全体で支えるための制度です。
65歳以上の要介護・要支援認定を受けた人と、40歳以上65歳未満の人のうち、特定の疾患で要介護認定を受けた人に適用されます。
40歳以上のすべての国民に加入が義務付けられており、会社員の介護保険料は健康保険料とあわせて徴収されるのが一般的です。
③ 厚生年金
厚生年金保険は、会社員や公務員が加入する年金制度です。
国民年金に上乗せされて老後に支給されたり、被保険者が老齢・障害・死亡などの状態になった場合は、本人や遺族の生活を保障するために支払われます。
保険料は事業主と被保険者で折半し、会社や団体ごとに設立した年金基金に納めましょう。
一般的に法人を設立したら、原則として加入が必須になります。
④ 雇用保険
雇用保険は従業員が失業した場合や雇用を続けられなくなった場合に、一定期間給付金が支給される制度です。
従業員の生活を安定させ、再就職を促すことを目的としています。
雇用保険は雇用されている人のための保険なので、経営者は原則として加入できません。
保険料は、事業者と従業員がともに負担します。
雇用保険への加入義務が生じるのは、以下2つの要件に両方該当する従業員を雇用した場合です。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
これらの要件に当てはまる場合は、雇用形態に関係なく雇用保険の被保険者となります。
ただし、上記の条件に該当しても、高等学校や大学に在学中の生徒・学生は雇用保険に加入できません。
⑤ 労災保険
労災保険は、業務中や通勤中の事故や災害によって、従業員に病気やケガ、障害、死亡があった場合に保障するための制度です。
労働者の社会復帰を促したり、遺族への援助を行います。
雇用保険と同様に、事業に使用される者が対象なので、経営者は原則として加入できません。
労働者を1人でも雇う事業所は、原則として労災保険に加入しなければならないため、すべての労働者が被保険者となります。
事業主が保険料の全額を負担する点に注意しましょう。
社会保険の申請手続き
5つの社会保険について、主な申請書類と提出先、提出期限を確認しましょう。
健康保険・介護保険・厚生年金は、まとめて加入を申請できます。
社会保険 | 主な必要書類 | 提出先 | 提出期限 |
① 健康保険 ② 介護保険 ③ 厚生年金 |
各都道府県の日本年金機構事務センター |
会社設立から5日以内 |
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④ 雇用保険
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・労働保険保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 従業員を雇用した日の翌日から起算して10日以内 |
・雇用保険適用事業所設置届 | ハローワーク |
【会社設立時から従業員を雇う場合】 設立日の翌日から10日以内 【設立後に従業員を雇う場合】 雇用した日の翌日から10日以内 |
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・雇用保険被保険者資格届 | 被保険者となる従業員を雇用した月の翌月10日まで | ||
⑤ 労災保険 | ・労働保険保険関係成立届 | 労働基準監督署またはハローワーク | 従業員を雇用した日の翌日から起算して10日以内 |
・労働保険概算保険料申告書 | 労働基準監督署または都道府県労働局 | 従業員を雇用した日から翌日から50日以内 |
提出方法はいずれも、郵送・窓口持参・電子申請のうち、やりやすい方法を選んでください。
加入時の注意点
社会保険(ここでは雇用保険と労災保険を除く)に加入する上で注意が必要なのは、主に下記の3点です。
- 未加入だとリスクがある
- 申請期限が短い
- パート・アルバイトの加入について
未加入だとリスクがある
加入義務に反して未加入のままでいた場合、一体どんなことになるのでしょうか?
社会保険の加入状況は年金事務所が調査しているので、未加入の場合は会社の所在地を管轄する年金事務所から、加入の通告や警告を受けます。
それでも加入要請に応じなければ立入検査が実施され、強制的に加入させられてしまうので注意が必要です。
立入検査が入ると、過去2年分の保険料の納付を求められる場合があります。
申請期限が短い
社会保険の手続きは期限内に行う必要がありますが、期限が短いものが多いので注意しましょう。
未加入のままでいると、前述のとおり2年間分をさかのぼって請求されたり、場合によっては懲役や罰金を課されることもあります。
法人化後に慌てないように、前もって準備しておくことが大切です。
パート・アルバイトの加入について
健康保険と厚生年金は、パートタイマーやアルバイトも下記いずれかの条件を満たすと加入が必要になるので要注意です。
- 1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上である人
- 以下5つの条件をすべて満たすパートタイマーやアルバイト
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 勤務期間が1年以上見込まれる
- 月額賃金が8.8万円以上
- 学生以外
- 従業員501人以上の企業に勤務している
2022年10月より、パート・アルバイトの社会保険が大きく変わるので、下記の関連記事もあわせてチェックしましょう!
まとめ
法人化後に加入すべき社会保険について、本記事では下記の流れで解説してきました。
- 社会保険とは?
- 法人化後に申請すべき社会保険一覧
- 社会保険の申請手続き
- 加入時の注意点
社会保険の加入には申請期限があります。
法人化前にしっかり把握して、期限内に申請しましょう。
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