個人開発からビジネスモデルへ:成功するための戦略
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
ITエンジニアが個人開発からビジネスモデルをつくりあげ、収益化するには、ビジネス戦略の策定が重要です。
法的な側面では、税務の知識も必要になります。
本記事では、あなたを「独自のアイデアでモバイルアプリを開発予定のITエンジニア」だと想定し、収益化に向けた計画から税務面の対応まで、押さえておきたいポイントを解説します!
- 目次
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ビジネスモデルの設計
まず始めに、詳細なビジネスモデルを設計しましょう。開発する製品やサービスの市場価値を調査し、収益源を明確にします。
独自性をもつ利益構造を作り出すことが大切です。
製品の価値提案、ターゲット顧客、収益源、コスト構造などを洗い出すことで、収益化への道筋が見えてきます。
詳細
下記のような具体的な項目について、順番に考えていきましょう。
- どんな製品やサービスにするか
- どんな形で提供するか
- 価格設定
- 競合他社と差別化できる点
例えば開発するアプリが『日常の習慣を管理するツール』なら、収益化のアイディアとしては、アプリ内での広告表示やプレミアム機能の提供などが考えられるでしょう。
マーケティング戦略
製品やサービスを開発する際には、ユーザーニーズの考慮が重要になります。
さらに、開発物をどのように市場に提供し、拡散するかの戦略も必要です。
技術開発とマーケティングのバランスを意識しましょう!
詳細
実際に、製品やサービスを市場に打ち出すためのマーケティング戦略を立ててみましょう。
- ターゲットとする顧客は誰なのか
- どのように顧客に知ってもらうか
- どのようにして製品の価値を伝えるか
「新しい習慣を始めたい20~30代の若者を対象に、InstagramやTwitterでの広告を検討しよう」など、具体的に施策を考えてみてくださいね。
ファイナンスの計画
ビジネスの開始には資金計画も重要です。
開始初期の設備投資や運転資金、将来の拡大計画にともなう投資の見通しを立て、調達方法を計画しましょう。
詳細
開始初期に予想される収益と必要な出費を計算してみましょう。
あなたが開発した『日常の習慣を管理するツール』のアプリを例にとると、以下の計算が考えられます。
予想される収益
- 広告収入
月間のアクティブユーザー数が1万人で、1人あたりの月間広告表示回数が100回、クリック率が0.5%、1クリックあたりの収益が10円とすると、月間の広告収入は1万人×100回×0.5%×10円=5万円と算出できます。
- プレミアム機能の収益
月間のユーザー数のうち2%がプレミアム機能を300円で購入すると、1万人×2%×300円=6万円と算出できます。
以上を合算すると、月間の収益は11万円、年間では132万円となります。
必要な出費
次に、必要な出費を計算しましょう。
- サーバー代:月5,000円
- 広告宣伝費:月10,000円
- その他の経費:月5,000円
以上を合算すると、月間の出費は2万円、年間では24万円となります。
収益と出費を差し引いた年間の純利益は108万円となります。この数字を基に、税金や将来の投資、さらには利益確保のための戦略を計画することができます。
上記のように具体的な数字をベースに、ファイナンスの計画を立てることで、ビジネスの持続性や拡大の可能性を明確にしてみましょう!
税務対策の重要性
収益化した際には、適切な税務対策が必要になります。
税金の種類や計算方法を理解し、どのように対応すべきか計画を立てましょう。
詳細
以下に、税務対策の具体的なポイントを挙げます。
①青色申告の利用
確定申告の際に青色申告を選択すると、一定の条件下で税金を削減することができるのをご存知ですか?
青色申告を選択することにより、損益通算など、自営業者や個人事業主にとって有利な税制が適用され、所得税が低く抑えられるなどのメリットがあります。
ただし、青色申告は帳簿の整備と正確な申告が必要となります。綿密な記録管理が求められるため、事前の準備が重要となりますが、税制上はとても有利になることを覚えておきましょう。
②必要経費の正確な計上
アプリの開発や運営に関わる経費(サーバー代、広告宣伝費、ソフトウェアライセンス費用など)は、事業経費として計上することができます。
これにより所得を減少させ、税負担を軽減することができます。
③法人化の検討
収益が一定の規模に達した場合、法人化を検討することで、法人特有の税制優遇を受けられる可能性が高いです。
特に成長を目指すビジネスにおいては、法人化によるメリットを最大限活用することが推奨されます。
④税務専門家との連携
税法は複雑であり、最新の制度や法改正に常に目を配る必要があります。
税理士と連携し、適切なアドバイスを受けることで、無駄な税金の支払いを避け、法的リスクを低減することができます。
税務対策はビジネスの成功を支える基盤となります。細部まで注意を払い、安定した運営を実現しましょう。
成功に向けて
技術力だけでなく、戦略的なビジネスモデルと適切な税務対策が、個人開発の収益化を成功させるカギとなります。
弊社では適切な税務対策、法人化のタイミング、ビジネス拡大時の資金調達方法など、さまざまなアドバイスを提供することができます!
ぜひ一緒に、個人開発からビジネスモデルへの転換、そして成功へと進んでいきましょう。
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