IT企業の経費計上と信頼できる税理士の見つけ方: スムーズな会社設立のためのガイド
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経費計上の重要性
経費の種類と計上方法
経費計上は、企業経営における基本的なプロセスの一つであり、正確な経費計上は企業の利益を正確に把握し、税務リスク(経費とならないものを経費として計上し税務調査で否認され追徴課税を受けるリスク並びに経費となるものを経費として計上せず過大な納税を行うリスク)を避けるために重要です。IT企業では特に、プロジェクト毎のコスト管理や予算の制御が重要となります。経費は大きく分けて人件費、交通費、交際費/会議費などがあります。これらの経費は、領収書や明細書を基に計上されます。
表: 経費の種類と計上方法
経費の種類 | 計上方法 | 例 |
---|---|---|
人件費 | 契約に従い時間単位の報酬や月給等に基づいて計算 | 給与、賞与 |
交通費 | 領収書に基づいて計算 | 電車およびバスの定期代、タクシーの料金 |
交際費/会議費 | 領収書に基づいて計算 | 取引先との必要な交際費、社内でのランチミーティング代 |
経費管理と効率化の方法
経費管理は、業務効率化のために経費精算システムを利用することが推奨されています。このようなシステムは、経費の承認プロセスを自動化し、経理業務の効率を向上させます。
経費管理は、以下のような方法で効率化されます。
- 経費精算システムの利用
- ペーパーレス化
- 自動承認プロセスの導入
これにより、経理業務の効率が向上し、コスト削減が実現されます。
経費削減のポイントと成功事例
経費削減は企業利益の向上を目指す重要な施策で、ペーパーレス化やコストの見直しは、経費削減の具体的な方法としてあります。経費削減の成功事例として、経費精算システムを導入前では、立替経費精算者がエクセルを利用して毎月詳細を記載・プリントアウトし、領収書等を添付した紙面も併せて、承認者が詳細の記載されたエクセルのアウトプットに承認印を押印します。
承認印が押印されたエクセルのアウトプットと領収書等を添付した紙面が経理部に回付され、入力担当者が一人一人の経費項目と金額を会計システムに入力する。その際、上席者が入力結果に間違いがないか承認する。振込システムが会計システムと連動していればいいが、もし連動していない場合、振込システムにも担当者が同様に入力し、上席者が入力結果に間違いがないか承認をする。
一方、経費精算システムを導入すると、立替経費精算者は経費精算システムに詳細を入力し、領収書等を添付した紙面を回付する。承認者は添付された紙面と入力内容を確認し、承認処理をする。
その後、経費精算のデータは会計システムに自動仕訳がなされ、振込データ自動作成がなされる。
経費精算システムの導入は、入力作業も立替経費精算者が一度行うだけで済み、承認作業も一度で済む。システム導入費はかかるものの、バック部門の人件費は大幅に削減し、ペーパーも削減できる。
導入企業の事例は枚挙にいとまがないほどである。
経費削減は企業利益の向上を目指す重要な施策で、ほかにも以下の方法があります。
- 光熱費、通信費などの見直し
- 備品の発注数や購入方法の再検討
- 交通費や出張費など人件費の見直し
「通信費の見直し」については、以下があげられます。
固定電話、携帯電話及びインターネット回線を通信事業者を統一します。
また、もしその通信事業者が新電力会社として電気も扱っているのであれば、電気も通信事業者に統一することで、合算するとそれなりの削減効果が見込まれます(企業規模によって金額が変動しますので具体的な金額は割愛します)。
「備品の発注数や購入方法の再検討」については、以下が挙げられます。
一般的に大量購入による割引を行う販売業者があることから、備品等を購入する際にはそのような販売業者から相見積もりをとって購入を検討します。
また、パソコンの場合、PCレンタルという手段もあります。昨今の生成AIの登場によりパソコンに必要な性能の変化のサイクルが短くなる可能性があります。そうしますと、購入という手段よりもレンタルという手段の方が長期的に経費削減効果が見込めます。
「交通費や出張費など人件費の見直し」については、以下が挙げられます。
コロナ禍において、積極的に導入された在宅勤務。在宅勤務の際には、定期代は不要とされ会社に出勤する日数分を実費計算されていました。
また、会議もリモート会議の手段を利用することで、出張費は抑えられてきました。
昨今も在宅勤務を導入している企業がありますが、オフィス出社の企業も増えております。
IT企業であれば、必ずしも常時オフィス勤務を必要としないので、在宅勤務やリモート会議を継続することで交通費や出張費を抑えることができます。
信頼できる税理士の選び方
税理士は、企業の税務計画や経営戦略の策定において重要なパートナーとなります。しかし、信頼できる税理士を見つけることは簡単ではありません。このセクションでは、信頼できる税理士の選び方と、税理士と効果的にコミュニケーションをとる方法について解説します。
税理士の役割と選定基準
信頼できる税理士は、専門知識を持ち、企業の経営目標に対する理解と対応能力を持っています。税理士の選定基準としては、以下のポイントが挙げられます。
- 専門知識と経験: 税理士は税法や会計に関する深い知識と経験を持っている必要があります。特に税法に関しては、毎年改正があるため顧問先に必要な税法のブラッシュアップされている必要があります。
- コミュニケーション能力: 税理士は、企業の経営陣やスタッフと効果的にコミュニケーションをとれる能力を持っている必要があります。コミュニケーションをとれる能力を持っている必要があります。特に税法や会計に関する事項のコミュニケーションに関してはイニシアティブをとれる必要があります。
- 信頼性と透明性: 税理士は、信頼性と透明性を持って、企業の税務計画や資金調達を支援する必要があります。
税理士との効果的なコミュニケーション方法
税理士との定期的なコンサルティングは、企業の税務リスクを低減し、経営の効率を向上させます。具体的なコミュニケーション方法としては、以下のポイントが挙げられます。
- 定期的なミーティング: 税理士との定期的なミーティングを設定し、企業の経営状況や会計や税務状況を共有します。定期的なミーティングを行うことで、信頼感を持つことができます。
- 必要な情報の提供: 税理士に必要な情報をタイムリーに提供し、税務税務リスク(税務上認められない経費の計上を行うリスク及び税務上認められる処理を行わないリスク)を避けるためのアドバイスを受けます。
会社設立における税理士の役割
税理士は、以下のようなサポートを提供します。
- 会社設立に関する法律や税務の手続きのサポート
- 税務計画と法令遵守のサポート
税務対策と法律遵守の重要性
法令遵守と効果的な税務対策は、企業のリスクを低減し、持続可能な経営を支えます。税理士法上では、脱税をさせないことが求められます。節税と脱税は似て非なるものであり、節税は税法上認められた方法であるのに対し、脱税は税法から逸脱した方法であり、税務調査時に発見されると大きなペナルティを企業が受けることになります。
税務対策としては、役員報酬の決定、福利厚生費の拡充、事業上必要な施策の実施時期の決定等が挙げられます。役員報酬は原則として事業年度の開始から3ヶ月以内に決定する必要があり、報酬額の決定は当該事業年度の法人税等に大きく影響します。福利厚生費の拡充については、その要件は厳格化されていますが、社員のモチベーション向上や生産性向上につながるため、積極的に取り組むことが望ましいです。
また、資産の購入や賃貸事務所の移転等の事業上必要な施策の実施時期の決定については、事業計画や予算などを踏まえ、適切なタイミングで実施することが重要です。
以上のような税務対策を行うことで、企業は税金の負担を軽減することができます。ただし、税法に則った適切な方法で行うことが求められます。
税務管理と資金調達の重要性
特にIT企業の場合、他の業種と比較し、技術の進展のスピードが速いという特徴があります。その進展に付いていくかどうかで、税務管理や資金調達とのかかわり方が変わっていきます。
税務管理
- 税務計画 :節税の立案、税制に即した税金軽減の計画が含まれます
- 経理との連携 :税務は会計と密接に関連しており、税務管理は正確な会計処理が前提となります
- 確定申告書作成と提出納付:法人税、地方税及び消費税が該当します
- 税務調査対応 :税務調査が行われる場合、調査対応ための準備や必要な書類や情報の提供する必要があります
資金調達
- 銀行融資や政府補助金の利用
- クラウドファンディングや投資家からの資金調達
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IT企業の税務管理と資金調達は、スタートアップ段階と規模拡大段階で若干異なります。スタートアップ段階のIT企業においては、税務管理として、税務計画、経理との連携及び確定申告書作成と提出納付が重要となります。
特に設立初め段階では、税務計画として売上や利益の見込みがつきづらく、役員報酬をどれくらいに設定すればいいかの判断が難しいと言えます。
また、経理との連携ですが、正確な会計処理が確保できるかが課題となります。
確定申告書作成と提出納付は正確に作成できるかが課題となります。
但し、設立初め段階のIT企業の税務管理の課題は、税理士と契約することで解決されることが多いです。
規模拡大段階のIT企業においては、税務管理として、税務計画、経理との連携、確定申告書作成と提出納付及び税務調査対応すべてが重要となります。
規模拡大段階では、売上の見込みはスタートアップ段階よりはつきやすいものの、人件費、リスキニング費用及び必要な備品購入、場合によってはオフィスの移転等、経費が膨らむ可能性が高くなります。
また、経費との連携ですが、仕訳件数が多くなることからスタートアップ段階と同様にこの課題も続きます。
確定申告書作成と提出納付はスタートアップ段階と同様です。
規模拡大段階に至るまでには相当な期間を経ていると考えられます。そのため、税務当局からの税務調査に対応しなければならない可能性が高まります。
社内に経理部門が設置されていても税理士と契約しておく方が得策ですが、経理部門が設置されていない場合は税理士と契約が必須といえます。
資金調達の場合、スタートアップ段階のIT企業においては、銀行融資や各種補助金がメインとなります。
規模拡大段階のIT企業においても、銀行融資や各種補助金が利用されます。一方で、革新的な技術やITプロダクトを有している乃至は開発中であれば、IPOを目指して、クラウドファンディングや投資家からの資金調達が視野に入ります。
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まとめ
このガイドでは、IT企業の経費計上の基本から信頼できる税理士の選び方、そして会社設立のプロセスにおける税理士の役割について解説しました。以下のポイントを抑えておくことで、会社設立とその後の経営をスムーズに進めることができます。
- 経費計上の重要性: 正確な経費計上は企業の利益を正確に把握し、税務リスクを避けるために重要です。
- 経費の種類と計上方法: 経費は人件費、交通費、交際費/会議費など多くのカテゴリーに分けられ、これらの経費は領収書や明細書を基に計上されます。
- 経費管理と効率化: 経費精算システムを利用することで、経費の承認プロセスを自動化し、経理業務の効率を向上させることができます。
- 信頼できる税理士の選び方: 専門知識を持ち、企業の経営目標に対する理解と対応能力を持った税理士を選びましょう。
- 会社設立と税理士の役割: 税理士は会社設立の法律や税務の手続きをサポートし、経営者にとって信頼できるアドバイザーとなります。
この情報が、会社設立とその後の経営における税務対策の一助となれば幸いです。
会社設立とその後の経営をスムーズに進めるためには、あなたが信頼できる税理士と契約することです。
特に事業を始める際や会社を設立する場合、あなたにとっては初めてのことですが、税理士の中にはあなたのような方を何度もサポートし経験豊富な税理士がいます。
また、資金面でのサポートにも相談に乗ってくれる税理士もいます。
そして、納得いくまで話をすることが重要と考えます。
税理士の顧問料及び決算申告料等の報酬は、税理士によってそれぞれです。
一概には言えませんが、報酬額によって顧問先に費やす時間は自ずと決まってきます。
事業を始める際や会社を設立する際の手続は全てあなただけで進めることができる自信があり、決算申告だけ行ってもらえればよいとすれば、報酬額が安い税理士を選ぶことも選択肢となりえます。
一方で、報酬額は安くないものの、ビジネスパートナーとして親身になって会計税務及びその他の相談ができる税理士を選ぶことは、あなたの会社設立とその後の経営をスムーズに進めることができ、その後の税務政策や節税に関しても適切なアドバイスを受けられると思います。
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