IT企業の成功への道: 消費税対策をマスターする
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消費税の基本
IT企業と消費税: 重要なポイント
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。IT企業においてはソフトウェアの開発やサービスの提供に伴い、消費税の計算と納付が重要となります消費税の算出、消費税申告書作成提出及び納付税額並びに納付期限を間違えると、IT企業にとって追徴課税の徴収を受けるリスクとがあります。
消費税の計算と納付方法: 中間納付
- 原則課税:消費税の中間申告の方法には、前年実績による中間申告と仮決算に基づく中間申告の方法があります。
- 簡易課税:前年実績による中間申告の場合、前課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない)以下の基準で回数及び納付額が算定され、納付期限が定められています。
前課税期間の確定消費税額 |
中間申告・納付の回数 |
中間納付税額 |
納付期限 |
48万円超 400万円以 |
年1回 |
直前の課税期間の確定消費税額の6月分相当額 |
6月中間申告対象期間の末日から2月以内 |
400万円超 4,800万円以下 |
年3回 |
直前の課税期間の確定消費税額の3月分相当額 |
3月中間申告対象期間の末日から2月以内 |
4,800万円超 |
年11回 |
直前の課税期間の確定消費税額の1月分相当額 |
1月中間申告対象期間の末日から2月以内 |
確定消費税額は国税分のみですが、中間納付の際には、地方消費税も同時に納付します。
消費税の中間申告はIT企業に関わらず、全ての課税事業者に適用されています。
但し、前課税期間の確定消費税額が48万円以下の場合、中間申告の必要はありません。
消費税の中間申告は消費税の前払の性格を有しています。年に一度消費税申告書を提出し納付することになると、場合によっては納税資金の準備が困難となりえます。消費税の中間申告はそのような事態を防ぐことができます。
なお、中間申告で納付した合計額が消費税申告書で算出された納付額より多い場合にはその差額は還付されます。
IT企業の消費税対策
消費税は商品やサービスの販売に関連する税金で、IT企業にとっては海外のIT企業から電気通信サービスや通信ネットワークの提供を受けた場合における消費税の取扱いに注意が必要です。課税方法を間違えると、企業にとって追徴課税の徴収を受けるリスクがあります。
消費税の適用: IT企業の特徴
- リバースチャージ方式 :国外IT企業が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「広告の配信」等) については、当該役務の提供を受けた国内IT企業に申告納税義務が課されることです。」
- 移行登録国外事業者 :海外IT企業であっても登録申請することで課税事業者となります。当該海外IT企業はからサービス提供を受けた場合、その請求書にはインボイス番号が記載され仕入税額控除対象となります。
リバースチャージ方式とは、海外事業者のサービス金額の消費税をサービスを受けたIT企業が負担して申告・納税することです。イメージがつかない方もいるかと思いますが、海外事業者は日本で消費税を納付しないため、その利用したサービスの提供を受けたIT企業が代わりに消費税を納付してくださいというものです。ただし、以下の要件を満たす場合は当該消費税を納付する必要はありません。
①一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間
②簡易課税制度が適用される課税期間
なお、当該消費税をIT企業が負担する必要のあるなしに関わらず、原則課税を選択している場合、仕入税額控除の対象にもなりませんので注意が必要です。
消費税の計算: 原則課税と簡易課税
消費税の計算方法としての原則課税と簡易課税について説明していきます。それぞれの特徴を正しく理解することが重要です。
原則課税
- 計算方法: 課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引いた額を納税額とします。
- IT企業の対応: IT企業はシステムを利用して正確な消費税の計算を行い、適切な納税を実現することが求められます。
簡易課税
- 計算方法: 課税売上げに係る消費税額に、事業区分に応じた「みなし仕入率」を掛けた金額を課税仕入れ等に係る消費税額とみなして、納税額を計算します。
- 適用条件: 売上高が一定額を超えない等要件を満たしたIT企業が選択可能です。
消費税の計算にとって重要なことは、各仕訳の段階で税区分を正確に入力することにあります。ここで誤ると正確な消費税申告書が作成されません。
また、簡易課税を選択するための要件とは、提出期日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。また、基準期間(原則して前々事業年度 )における課税売上高が5,000万円を超える場合には、その課税期間については、簡易課税制度は適用できません。
消費税の納税: 納税の手続きとポイント
消費税の納税は、税務署への申告と納付を含むプロセスです。IT企業も含め、消費税の申告と納付の手続きを正確に行うことが重要です。
消費税納税のスケジュール
- 申告期限: 消費税は、原則として決算日の翌日から2ヶ月以内に申告する必要があります。
- 納付期限: 申告した消費税は、原則として決算日の翌日から2ヶ月以内に納付する必要があります。
消費税納税の手続き
- 電子申告: IT企業も含め、消費税の申告と納付の手続きをオンラインで行うことが可能です。
- 納税証明書の取得: 納付を完了した後、税務署から納税証明書を取得することができます。
中間申告がある場合には、納付期限は決められているので、資金管理に注意して納付税額を事前に準備しておくことが必要です。
原則課税を選択し、課税売上割合が95%未満の場合、リバースチャージ方式の申告義務があることに注意してください。例としては、海外売上が比較的高く、海外事業者から広告等の事業者向け電気通信利用役務の提供を受けているIT企業です。
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まとめ
このガイドでは、IT企業の消費税を中心に解説してきました。消費税とは、簡単に言えば、売上で預かった消費税から外注費やその他経費等で支払った消費税を控除した差額を納付する税金です。しかし、今回は敢えて専門用語をなるべく崩さず解説しています。曖昧な言葉で誤った理解がなされることを避けるためです。
よくわからない用語については、税金スッキリくんを利用して調べていただけると幸いです。消費税の専門用語でも平易に解説してくれます。
消費税は、日々の買い物で支払っていることから身近で分かりやすい税金と思われる方が多いと思います。
今回のガイドでは上記の通り専門用語をなるべく崩さず解説しています。その結果、分かりづらいと感じられた方もいらっしゃるかと思います。
IT企業におけるスムーズで正確な消費税申告書の作成・提出のためには、税理士と日々連携することが重要です。
マイクロ法人のIT企業では、税理士との契約は考えていないという経営者の方がいらっしゃるかもしれません。その際は、税金スッキリくんをご利用いただければ幸いです。
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