キッチンカーを開業したい! 始めるまでのステップやメリットとは?
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「キッチンカー(移動販売)を始めたいけど、何から手をつけたらいいのかわからない!」
「キッチンカーを始めるには、どんなメリットがあるの?」
そんなキッチンカーの開業を考えているあなたのために、今回は次のトピックを中心にお届けしていきます。
- キッチンカーを開業する8つのメリット
- キッチンカーを開業するまでのステップ
- キッチンカーの開業に必要な資格
- キッチンカー選びについて
- 目次
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キッチンカーを開業する8つのメリット
まずはキッチンカーを開業するメリットを確認していきましょう。
- 初期費用を抑えられる
- 固定費(家賃・人件費など)を抑えられる
- 出店場所の変更が自由
- 自身のこだわりを料理や車で表現できる
- 新しい生活様式に対応している
- 同じキッチンカー販売の仲間ができる
- 労働時間が自由
- お客さんとの距離が近い
①:初期費用を抑えられる
固定の店舗を構えて開業する場合、通常1000万円程度の開業資金が必要です。
これらは主に内装工事や家賃、機材や備品の用意などに充てられます。
一方で、キッチンカー開業にかかる初期費用の相場は200~500万円ほど。
もちろん自動車の大きさや、厨房設備の内容にもよりますが、それらを加味しても初期費用は抑えられます。
②:固定費(家賃・人件費など)を抑えられる
初期費用だけでなく、店舗家賃などの固定費を抑えられるのもキッチンカーのメリットの1つです。
ガソリン代や駐車場代、保険料など、車両の維持費は発生しますが、店舗の家賃に比べると安く済みます。
さらに店舗に比べると面積が狭く、料理を運んだり後片付けをしたりといった業務がないので、たくさんの従業員を雇う必要もありません。
規模によっては自分だけで運営することも可能で、店舗経営に比べて人件費は低くなります。
③:出店場所の変更が自由
キッチンカーを使った移動販売なら、日にちや時間帯に応じて出店場所を変えられます。
イマイチ集客が見込めないと感じたら、出店場所を変えて営業を続けることが可能です。(営業許可証のある場所に限る)
また、出店する地域に合わせてメニューを変更するなど、比較的柔軟に対応できるのもキッチンカーの魅力の1つです。
④:自身のこだわりを料理や車で表現できる
キッチンカーを自身で始める場合は、メニューの考案から実際の料理まで自身のこだわりを、誰からの指図を受けることなく再現することができます。
さらにキッチンカーの内装・外装なども自分の好みに表現したり、アレンジすることができるのも、メリットの1つです。
⑤:新しい生活様式に対応している
新型コロナウイルスが流行したことで、生まれた新しい生活様式。
その中で、移動ができて固定費が少額で済むという点は、新しい生活様式にマッチしていると言えるでしょう。
生活様式の変化による人の流れにも対応できることもメリットです。
たとえば以前はオフィス街に出店していたものを、在宅勤務している方向けに出店するなど、柔軟に変えて売上を見込むこともできます。
⑥:同じキッチンカー販売の仲間ができる
移動販売をする人は、同じような価値観を持っている人が多いです。
- 車移動が好き
- 料理やメニューを考えるのが好き
- 自分のアイデアをそのまま形にしたい
日常でこのような自由や変化が好きな人たちと出会うのは、なかなか難しいですが、キッチンカー販売をしているという繋がりから、このような仲間ができることもあります。
⑦:労働時間が自由
働く時間を自分で自由に選ぶことができるのも移動販売のいいところです。
もちろん自己管理ができないと売上に直結する仕事ではありますが、好きなタイミングでキッチンカーを始めて、好きなタイミングで撤収できるのもメリットになります。
とくにキッチンカー販売は、稼げる時に一気に働いて稼ぐという形式が一般的です。
また収入をそこまで上げなくてもいいのであれば、そこまで根詰めて働く必要がないケースもあります。
⑧:お客さんとの距離が近い
お店作りやメニュー作り、接客などを全て自分でできるがキッチンカーです。
ときには、お客さんから直接料理の感想を頂くこともあるでしょう。
そのような声をダイレクトにもらえるという点も、キッチンカーの魅力的な側面です。
お客さんとの距離感を縮めたい人には、うってつけの仕事かもしれません。
キッチンカーを開業するまでのステップ
キッチンカーを開業するまでの流れを確認していきましょう。
開業するまでのステップは、大きく分けて次の5ステップです。
- 情報を収集する
- 目的を整理する
- 営業する場所を検討する
- 車両や仕込み場所を考える
- 営業許可の取得をする
①:情報を収集する
開業や起業をする場合、必要な費用を把握しておくことが大切です。
- メニューの数
- 食材費
- 設定金額
- 利益を出すために必要な1日の販売数
上記の情報などは、収集しておきましょう。
キッチンカーの場合は、キッチンカーの内装・外装、仕込み場所の設備費、出店場所、駐車場代、ガゾリン代なども必要になります。
その際、光熱費などの費用も計算しておきましょう。
また出店しようと考えている地域で人気のキッチンカーについても調査しておくと、メニュー開発の際に役立つかもしれません。
②:目的を整理する
世の中にキッチンカーはたくさんあります。
その中で差別化を図っていくために、自身のキッチンカーにしかない色やこだわりを提示することが必要です。
こだわりを考えるときは、そもそもなぜキッチンカーを始めたいのか? など目的をハッキリとさせたほうがいいでしょう。
目的が定まることで、キッチンカーのコンセプトやメニューなどが浮かびやすくなるかもしれません。
③:営業する場所を検討する
営業する場所を事前に把握しておくと、開業後にスムーズに移動販売スタートできます。
キッチンカーの出店場所として、オフィス街や商業施設などのデッドスペースを、有効活用として貸し出す場合も多いです。
また、キッチンカーを購入してから出店場所を決めてしまうと、車両を置くスペースがないなどの問題が発生することもあります。
近年は、ベッドタウンや団地など住宅地への出店も多くあるので、ある程度は出店場所に目途をつけてからキッチンカーを購入すると安心です。
④:車両や仕込み場所を考える
車両の確保の方法には、購入・レンタル・リースなどの方法があります。
支払い方法も一括だけでなく分割などに対応している場合があるので、開業後のキャッシュフローなども加味して検討しましょう。
また、食中毒を発生させる菌が付着・繁殖する可能性のある行為(切る、混ぜるなど)は、衛生管理の徹底した場所でおこなう必要があります。
仕込み場所は、保健所の営業許可を受けた施設でなければなりません。
ランチメニューのような仕込みが必要なメニューを扱う場合は、キッチンカーの他に仕込み場所を確保する必要があることを頭に入れておきましょう。
⑤:営業許可の取得をする
キッチンカーを開業するにあたり、食品を扱うことは避けらません。
そうなると、必ず保健所の営業許可が必要になってきます。
保健所の営業許可は扱うものによって異なりますが、ランチメニューを扱うキッチンカーなら、飲食店営業許可を取得しておくと良いでしょう。
また、各保健所によって申請時に注意される内容が異なるため、あらかじめ実際に営業を考えている地域の保健所に確認をとっておくと安心です。
キッチンカーの開業に必要な資格
移動販売の営業許可には次の2種類があります。
- 食品営業自動車
- 食品移動自動車
食品営業自動車
食品営業自動車でできる業態は、次のとおりです。
- 飲食店
- 喫茶店
- 菓子製造
生ものを扱うことはできません。
営業車内での調理加工は、小分け、盛り付け、加熱処理など簡単なものに限ります。(例:ケバブ屋、クレープ屋など)
食品移動自動車
食品移動自動車は、次の2種類の業態に分かれます。
業態①:食料品など販売、乳類販売業、食肉販売業
営業車内で取り扱う食品は、あらかじめ包装されたものに限ります。
営業車内での調理加工は行わないもの。
業態②:魚介類販売業
営業車内で取り扱う生食用魚介類は、あらかじめ包装されたものに限ります。(丸ものは除く)。
営業車内での調理加工は行わないもの。(例:弁当屋など)
キッチンカー選びについて
最後に必要なのが、一番肝心なキッチンカー選びと調達方法です。
- キッチンカーを製作する
- キッチンカーをレンタルする
- キッチンカーを新品で購入する
- キッチンカーを中古で購入する
キッチンカーを製作する
自分の理想の移動販売車を手に入れるためには、新しく移動販売車を製作するのがオススメです。
このときに意識したほうがいいことは、次の2つ。
- 製作費用が高すぎないか?
- 収益が上がるデザインか?
前者は、いきなり何も知らない状態で製作を依頼すると、想定外に高額な費用になってしまう可能性があるので、事前に見積もりをとったうえで検討していきましょう。
後者は、自身のこだわりを詰めすぎてあまりにも奇抜なデザインのキッチンカーにしてしまうと、費用がかさむだけでなく、集客に繋がりにくくなってしまうかもしれません。
キッチンカーを1からイメージするのが難しいという方は、ある程度の型が決まったうえで発注できるセミオーダーをするというのも1つの手です。
キッチンカーをレンタルする
「いきなり自身キッチンカーをデザインして製作依頼するのはハードルが高い!」と思っている方は、レンタルがオススメです。
まずはレンタルをすることで、ある程度キッチンカー開業後のイメージをつけて営業するという方法が、最も低リスクでできます。
移動販売車のレンタル価格の相場は、もちろん車種などにもよりますが、平日で3〜5万円、土日祝日で7万円〜10万円です。
キッチンカーを新品で購入する
レンタルではなく、キッチンカーを新品で購入するというのも選択肢としてあります。
もちろん費用がかなりかかるので、ある程度資金に余裕がないとできませんが、新品で購入するのも1つの手です。
実際に購入するときは、衝動的に決めたりせず、最低でも3社以上は見積もりをとったうえで慎重に購入を検討したほうがいいでしょう。
キッチンカーを中古で購入する
新品で購入するほどの資金が用意できていない場合は、キッチンカーを中古で購入するのが現実的です。
ただし条件のいいキッチンカーは、売れるのも早いので、常にアンテナを張っておく必要があります。
また安さだけを見てキッチンカーを選んでしまうと、メンテナンス費がかさんでしまうかもしれません。
中古で購入する場合も、しっかりと事前に専門家にアドバイスをもらったり、リサーチをしておいたほうが安心です。
まとめ
今回は、キッチンカーの開業について下記のトピックを紹介してきました。
- キッチンカーを開業する8つのメリット
- キッチンカーを開業するまでのステップ
- キッチンカーの開業に必要な資格
- キッチンカー選びについて
もしまだわからない点や、不安な点がありましたら、いつでもスタートアップ税理士法人までご連絡ください!
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