【ラーメン屋をオープン】する前にチェックする5つのこと
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
“日本人で嫌いな人はいない”と言っても過言ではない国民食・ラーメン。
“ラオタ”(=ラーメンオタクの略)という言葉も生まれるくらい、老若男女問わず愛されています。
このページに訪れたあなたなら、一度は大好きなラーメン屋を開業したいと思ったことがあるのではないでしょうか?
- 脱サラして自分の思い通りのラーメンを作りたい
- 自分が作ったラーメンでお客さんの喜ぶ顔が見たい
- ラーメン屋を繁盛させて年収を上げたい
ラーメン屋の開業に至るまでは、様々な動機があるでしょう。
そこで本記事では、ラーメン屋を開業する前に確認しておきたい5つの知識
- 業界経験とターゲット層
- 開業資金など金銭面
- 開業に必要な資格・申請類
- 水質汚濁などの法律面
- 確定申告のこと
を順番に紹介していきます。
事前の確認をバッチリと行って、あなたの理想のラーメン屋を開業していきましょう。
- 目次
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①:業界経験とターゲット層
業界で働いた経験はあるか?(修行の有無)
ラーメン屋を開業するにあたって、必須条件なのはラーメン屋での勤務経験があるかです。
いくらラーメンが好きだから店を開きたいと言っても、客のままでは見えない情報がごまんとあります。
たとえば…
- 仕入先
- ラーメンの仕込み方法
- 営業のノウハウ
- 価格設定と回転率のめやす
- 接客のしかた
など、いずれもラーメン屋を経営していく中で必要なスキルです。
ライバルの多いラーメン屋で勝ち残っていくためにも、数ヶ月~数年はどこかのラーメン屋に修行しにいく感覚で、ラーメン屋を経営していく感覚を肌で感じることが重要になってきます。
どの層をターゲットにするのか?
ラーメンを提供するターゲット層をどこに絞るかというのみ、明暗がくっきりと分かれるポイントです。
簡単な例を挙げると…
- ターゲットがOL=野菜たっぷりラーメン
- ターゲットがサラリーマン=豚骨ラーメンとビールのセット
- ターゲットが学生=大盛り無料のラーメン
上記のように、ターゲットによって推しのラーメンも変わってきます。
【マメ知識】マーケティングにおけるターゲット層の区分について
マーケティングにおいて、性別と年齢の区分を一言で表す始業として、F1層などがあります。
名称 | 年齢(歳) | 性別 |
---|---|---|
C(Child) | 4~12 | 男女 |
T(Teenage) | 13~19 | 男女 |
F(Female)1 | 20~34 | 女 |
F2 | 35~49 | 女 |
F3 | 50~ | 女 |
M(Male)1 | 20~34 | 男 |
M2 | 35~49 | 男 |
M3 | 50~ | 男 |
上表を参考にすると、
- OL=F1、F2層がメイン
- サラリーマン=M1、M2層がメイン
- 学生=T層がメイン
となります。
立地をどうするのか?
どこに店を構えるかというのも、大事なポイントです。
立地によって経営状況が大きく変わることもあるので、慎重に決めていきましょう。
あくまでも一例ですが…
- OL=丸の内のオフィス街
- サラリーマン=新橋駅周辺
- 学生=明大前
- 家族連れ=お台場のショッピングモール
など、ターゲット層に合わせて立地を決めるのもOKです。
ただしその分ライバル店も多々あるので、あえて裏道に出すという手もあります。
それぞれのメリットとデメリットを鑑みたうえで、家賃・不動産の条件も検討しながら決めていきましょう。
②:開業資金など金銭面
開業資金はどのくらい用意できているのか?
もちろんラーメン屋は、無一文で開業できません。
開業資金がいくらあるかによって、ラーメン屋の選択肢がかなり変わってきます。
一例ですが、都内でラーメン屋を行うと1000万円以上かかることもザラです。
居抜き物件を借りて内装工事もほとんどしない場合は、100万円程度でも開業はできますが、店にお金をかけずにラーメン屋を繁盛させるのは難しい面もあるでしょう。
実際は何にお金がかかるのか?
開業資金の使い道の内訳は、大きく分けると以下の4種類に分けられます。
- 物件取得費
…物件取得費は、家賃や保証金など店舗を借りる際にかかった費用のこと。
- 内装工事費
…内装工事費は、ラーメン屋の店内のデザインなどにこだわると高くつきます。
- 開業後の運転資金
…開業後の運転資金も用意しておかないと、現金が不足して営業できなくなることもあるので注意。
- 厨房機器・備品代
…厨房機器・備品は、ラーメンを茹でる大きな鍋などの必需品にかかるお金です。
利益計画を立てて毎月の利益を算出できているか?
事前に毎月の利益がどのくらいになるのか、シミュレーションをしておくことも大切です。
シミュレーションをする際に決めておきたいのが、下記4つ。
- 年間営業日数
- 客単価
- 1日あたりの客数
- 必要経費額
●毎月の利益額シミュレーションの例
- 年間営業日数:300日
- 客単価:1000円
- 1日あたりの客数:90人
- 毎月の必要経費:75万円
300(日)×1000(円)×90(人)=2700万(円/年)
2700万(円)÷12(ヶ月)=225万(円/月)
225万(円)ー75万(円)=150万(円)←毎月の純利益額!
毎月の純利益額が明確に算出できていると、事業計画がたてやすいうえ、融資の申し込みをするときにも好印象に繋がります。
資金調達なら、日本政策金融公庫
「ラーメン屋を開業したいけど資金が足りない!」
そんな方は、資金調達のために融資を申し込むのも1つの方法です。
資金調達方法は様々ありますが、日本政策金融公庫がオススメ。
日本政策金融公庫なら、小規模の創業者でも審査が通りやすく、無保証・低金利で融資を受けることができます。
③:開業に必要な資格・申請類
食品衛生責任者ほか、必要な資格と申請類
ラーメン屋を開業するにあたって、必要な資格・申請もあります。
基本的には飲食店全体にも言えることですが、取得必須の主な資格は下記2つです。
- 食品衛生責任者
- 防火管理者(※30名以上収容できる飲食店のみ)
食品衛生責任者は、飲食店を開業するなら必須の資格です。
食品衛生協会が開催している講習を6時間(受講費は1万円)受ければ取得できるので、サクッ受けて取得してしまいましょう。
また30名以上収容可能な店で開業する場合は、防火管理者の資格も必須です。
さらに上記2つの資格に加えて、申請類もたくさんあります。
以下が一例です。
- 飲食店営業許可申請
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書(※深夜0時以降のアルコール類提供店)
- 開業(廃業)届出書
- 社会保険の加入手続き
- 防火管理者選任届
- 防火対象物使用開始届出書
- 水質検査成績書(※井戸水・貯水槽の水を使う店)
- 火を使用する設備等の設置届
など、様々な申請書類を提出することになります。
細かい説明は以下の記事にも記載があるので、参考にしてみてくださいね。
④:水質汚濁などの法律面
水質汚濁防止法
ラーメン(とくに豚骨ラーメン)は背油を使うものも多いため、水質汚染の原因にもなる可能性があります。
水質汚濁防止法では、店舗の総床面積が630㎡以上の特定事業所で排水規制の対象になります。
規制の対象になるのは、ノルマルヘキサン抽出物質という動植物性の油脂。
排水1ℓあたり30mgまでと決められています。
ただし自治体ごとの条例は、もっと厳しい可能性があるので、事前に確認したほうがいいでしょう。
下水道法
下水道法で排水規制の対象になるのは、1日の排水量が5万ℓ以上の事業所です。
1日で5万ℓの排水に達するのは、大規模なラーメン屋に限られますが、こちらも自治体の条例によって厳しい排水量の基準が設けられているかもしれません。
知らぬ間に法律を犯していたということがないように、事前にしっかりと確認しておきしょう。
⑤:確定申告について
青色申告をして最大65万円の節税!
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類がありますが、より節税効果のある青色申告がオススメ。
青色申告が承認されると、最大で65万円の特別控除が受けられます。
一方、白色申告は手間がかからない反面、特別控除はありません。
青色申告をするには、営業開始日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出します。
開業届出書を提出する際に一緒に提出しましょう。
確定申告に関するサポートは、いつでもスタートアップ税理士法人までご連絡ください。
理想のラーメン屋を開業して繁盛させよう!
本記事ではラーメン屋を開業する前に確認しておきたい
- 基本的なこと
- お金のこと
- 資格・申請のこと
- 法律のこと
- 確定申告のこと
について解説していきました。
ラーメン屋に限らず、商売を繁盛させるには事前の入念な準備が肝心です。
あなたの理想のラーメン屋を開業して、たくさんのお客さんを笑顔にしていってください!
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