【飲食店の開業資金】はいくら必要?費用の内訳と目安額をチェック!
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
飲食店を開業しようと思っているあなた!
開業するためにどのくらいの資金が必要になるか、ご存知ですか?
もしかしたら、あなたの想定よりも多くお金がかかってしまうかもしれません。
そこで本記事では飲食店の開業資金の内訳と、おおよその目安額を掲載していきます。
いざというときに金銭面で困ることがないよう、事前に必要な額を確認しておきましょう。
- 目次
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飲食店の開業に資金はいくら必要?
実際に飲食店を開業するには、どのくらいの資金が必要になるのでしょうか?
飲食の種類や立地や内装をどこまでこだわるかにもよりますが、結論から言うと300万円~1500万円くらいになることが多いです。
ただし300万円は、ギリギリまで切り詰めたうえでの最低額なので、現実的には最低でも500万円は用意しておかないと、開業後の経営がカツカツになってしまう恐れがあります。
もし現段階で数十万円ほどしか資金がない場合は、金融機関などから資金を調達することを検討してみてください。
飲食店開業にかかる費用の内訳
飲食店を開業する際にかかる費用を、ざっくりと4つに分けると以下のようになります。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 開業後の運転資金
- 厨房機器・備品代
上記を1つずつ紹介していくので、一緒に確認していきましょう。
≫物件取得費
飲食店を開業する際の費用で最も高くつくのは、物件取得費です。
物件取得費は、さらに以下7種類の費用に振り分けられます。
- 保証金・敷金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 礼金
- 造作譲渡代金
- 造作譲渡に関わる手数料
- 保証会社に払う保証金
①:保証金・敷金
保証金・敷金は、月額賃料の6ヶ月分~10ヶ月分が相場です。
たとえば店舗の月額賃料が30万円の場合、保証金・敷金は300万円ほど用意しておくといいでしょう。
ただし地価が高いところや競争率の高い物件は、15ヶ月分~24ヶ月分ほど必要なものもあるので、事前にしっかりと確認しておいてくださいね。
②:仲介手数料
仲介手数料は、物件を決めるときの仲介をしてくれた不動産会社に支払う手数料のこと。
金額は月額賃料(1ヶ月分)が相場です。事前に用意しておきましょう。
③:前家賃
前家賃とは、物件を借りる際に事前に家賃を払うこと。
たとえば4月1日から利用する場合は、契約時に4月分の家賃を払います。
そのため1ヶ月分の月額賃料は、先に用意しておきましょう。
④:礼金(※場合により)
礼金は物件を貸してくれた貸主に、お礼として支払うお金のこと。
金額は貸主が自由に決められるので、物件により様々です。
貸主が早く物件を売りさばきたいときは、礼金がかからない場合もあります。
一方、礼金が家賃3ヶ月分かかるケースもあるので、注意しておきましょう。
ちなみに敷金は戻ってくる可能性がありますが、礼金はあくまでもお礼として払っているので戻ってくることはありません。
⑤:造作譲渡料(※居抜き物件の場合)
居抜き物件(=前店舗の内装や設備などを活用する物件)を利用する場合は、造作譲渡料を前店舗の貸主に支払う必要があります。
金額は店舗の立地の良し悪しや、内装・設備の状況によって異なるので確認しておきましょう。
⑥:造作譲渡に関わる手数料(※居抜き物件の場合)
造作譲渡料は前店舗の貸主に支払うものですが、紹介してくれた業者には、造作譲渡に関わる手数料を支払います。
金額はまちまちですが、譲渡金額の数%もしくは1件あたり数十万円となっているので、確認しておいてください。
⑦:保証会社に払う保証金(※場合により)
物件によっては契約時に、保証会社への加入を求められる場合があります。
保証会社は、万が一借主が家賃を滞納した場合に立て替えてくれる会社です。
保証金の相場は、月額賃料の半額~1ヶ月分程度。
また1~2年おきに更新料も1万円ほど必要になります。
≫内装工事費
続いて費用がかかるのは、内装工事費です。
内装工事費は、
- スケルトン物件
- 居抜き物件
かで、だいぶ金額が変わってきます。
スケルトン物件でイチから内装をこだわり抜けば、その分費用もかさみますが、居抜き物件を利用して内装もDIYで行えば、節約することも可能です。
スケルトン物件と居抜き物件については、以下で説明していきます。
スケルトン物件について
スケルトン物件とは、最低限の骨組みしかないまっさらな状態の物件のこと。
内装を自由にカスタマイズできるというのが最大のメリットです。
しかしその反面
- 工事費が高くなりがち
- 開業までに時間がかかりがち
- 退去時には元の状態に戻す必要がある
などのデメリットもあるので、内装にこだわりがある場合や、資金力がある場合にオススメの物件になります。
居抜き物件について
居抜き物件は、前店舗で使っていた設備や内装をそのまま利用する物件のこと。
リサイクルに近い考え方なので、内装工事費は安く済ませることが可能です。
一方、デメリットとしては…
- 内装のカスタマイズ性が低い
- 前店舗に悪いイメージがついている場合、それを引きずってしまいがち
などが挙げられます。
ただし上記の内訳でも紹介したように、居抜き物件の場合は造作譲渡料が別途かかる可能性があるので、それらも考慮したうえで、どちらにするか決めたほうがいいでしょう。
≫開業後の運転資金
開業後の運転資金も外せない費用の1つです。
開業後にも運転資金を残しておかないと、黒字倒産を起こしてしまう可能性があります。
たとえ資金が不足していても、運転資金は削ることは得策ではありません。
なぜなら、以下のような状況が考えられるからです。
- 初期段階の投資で資金を使い切ってしまうケースが多々ある。
- 開業後しばらくは客足が不安定のため、収益の見通しを立てにくい。
- 飲食店の開業資金以外にも、従業員の給料・自身の生活費など出費がかさむ。
そのため運転資金は、できるだけ多く現金で用意しておくことをオススメします。
黒字倒産とは、損益計算書上では黒字にも関わらず、キャッシュ(現金)が足りないために倒産してしまうこと。
会社間の取引などでは、商品の決済は数ヶ月後になることがほとんどです。
そのため計算上は、黒字になっていても実際に現金が入ってこないため、お金を回すことができずに倒産してしまいます。
≫厨房機器・備品代
厨房機器や備品代も忘れてはいけない費用の1つです。
飲食の種類によって使用する機器は異なりますが、数十万円~100万円以上にまで上ることもあります。
飲食店で必要になる機器・厨房設備は、代表的なものだけでも様々。
- 冷凍冷蔵庫
- コンロ・ガスレンジ・オーブンなどの加熱機器
- シンク・調理台など調理の土台になるもの
- フライパン・鍋・包丁など調理器具
- 盛り付け皿、茶碗、箸、フォーク、スプーンなどの食器類
- 浄水器・食器洗浄機などの衛生器具
上記のほかにも必要になる厨房機器・備品が出てくることがほどんどです。
資金的にすべてを新品でそろえるのが難しい場合は、中古も視野に入れてそろえていきましょう。
飲食店開業のための十分な資金、用意できていますか?
飲食店を開業するために必要な額や内訳は、理解してもらえたでしょうか?
最後におさらいすると、必要な額はおよそ300万円~1500万円ほど。
主にかかる費用の内訳は…
- 物件取得費
- 内装工事費
- 開業後の運転資金
- 厨房機器・備品代
上記4種類でした。
そのほかにも開業時には想定外の出費がつきものです。
もし自己資金だけで開業資金をまかなえない場合は、金融機関などからの融資も視野に入れるといいでしょう。
※融資を利用して資金調達したい方は、無料相談へGO!
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