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社会福祉法人の設立は難しい? そのメリットと株式会社との違いとは?

「社会福祉法人を設立するのは難しい?」

「社会福祉法人って株式会社と何が違うのだろうか?」

「社会福祉法人を設立するメリットとは?」

このような疑問をお持ちの方のために、今回は次の項目を順に紹介していきます。

  • 社会福祉法人とは?
  • 株式会社との違いは?
  • 社会福祉事業の内容
  • 社会福祉法人を設立するメリット
  • 社会福祉法人を設立するデメリット
  • 社会福祉法人を設立するまでの流れ
  1. 「申告書B」(第二表)の書き方
  2. 【どうすればいい?】ちょっとした疑問3点

ちなみに白色申告の方が作成する「申告書B」も書き方は同じです。

1ヵ所ごと丁寧に書き方を示していくので、その通りに記入してみてくださいね。

目次

社会福祉法人とは?

社会福祉法人は、社会福祉事業を行う民間団体です。

昭和26年制定、平成12年に全面改正された社会福祉法に基づいて設立できます。

社会福祉法は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通事項を定めた法律であり、規定されているのは、社会福祉事業の内容、社会福祉法人の形態・設立・運営、地域福祉の推進などです。

社会福祉事業には、第1種社会福祉事業と、第2種福祉事業があります。

  • 第1種社会福祉事業…特別養護老人ホーム・児童養護施設などの入所施設サービスなど
  • 第2種福祉事業…保育所・訪問介護・デイサービスなど

社会福祉法人は社会福祉事業を営む法人ですが、子育て支援事業などの公益事業や貸しビル・駐車場などの収益事業を営むことも可能です。

なお、社会福祉法人を設立するためには所轄庁の認可が必要になります。

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株式会社との違いは?

社会福祉法人は、株式会社と何が違うのかを確認していきましょう。

最も大きな違いは、社会福祉法人が公益法人であるために税制上の優遇措置を受けられることです。

社会福祉法人が行う社会福祉事業や公益事業は、法人税が非課税となります。

その他の違いは、下表をご覧ください。

法人形態 事業目的 設立に必要な人数 資金 法人税
社会福祉法人 社会福祉事業 理事‥6名以上
監事‥2名以上、理事の2倍超の評議員
寄付金・補助金 非課税(原則)
株式会社 自由 1人以上 株式・債権発行 課税

社会福祉法人の社会福祉事業には、公益事業、収益事業も含まれます。

ただし、あくまでも事業は営利目的ではなく、社会福祉を目的とするもののみです。

また、公益事業は社会福祉に関係のあるものに限られ、収益事業で得た収入は社会福祉事業の運営に当てられます。

さらに、株式会社と比較すると設立時に必要な人数や、置くべき役員などの要件が厳しいといのが、上記の表を見ればお分かりになるでしょう。

しかし一方では、社会福祉法人の行う社会福祉事業は原則非課税です(収益事業を行った場合のみ課税)。

社会福祉事業の内容

ここからは、実際に社会福祉事業は、どんなことをするのか確認していきましょう。

  • 第1種社会福祉事業…社会福祉法人や国、地方公共団体のみ。
  • 第2種福祉事業…社会福祉法人ではなくても、届け出をすれば事業可能。

第1種福祉事業

第1種福祉事業で行われる主な事業、施設は次の通りです。

それぞれの事業は関連する法律に基づいて行われています。

  • 生活保護法

……救護施設、更生施設、その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業及び生計困難者に対して助葬を行う事業

  • 児童福祉法

……乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設又は児童自立支援施設を経営する事業

  • 老人福祉法

……養護老人ホーム、特別養護老人ホーム又は軽費老人ホームを経営する事業

  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

……障害者支援施設を経営する事業

  • 売春防止法

……婦人保護施設を経営する事業

第2種福祉事業

第2種福祉事業で行われる主な事業、施設は次の通りです。

  • 児童福祉法

……保育所、放課後児童健全育成事業、乳児家庭全戸訪問事業、障害児通所支援事業

  • 母子及び寡婦福祉法

……母子家庭等日常生活支援事業

  • 老人福祉法

……デイサービス事業、認知症対応型老人共同生活援助事業、小規模多機能型居宅介護事業

  • 障害者自立支援法

……障害福祉サービス事業、移動支援事業、一般及び特定相談事業

  • 身体障害者福祉法

……身体障害者生活訓練等事業、手話通訳事業、介助犬訓練事業、聴導犬訓練事業

その他の事業

社会福祉法人でも、上記以外の公共事業や収益事業を行うことができます。

ただし、定められた要件を守らなければなりません。

公共事業を行うための主な要件

  • 社会福祉と関係のある公益を目的とする事業であること
  • 社会福祉事業に対し、従たる地位にあること
  • 主な事業としては、子育て支援事業や入浴、排せつ、食事の支援事業、介護予防事業、有料老人ホーム、人材育成事業など

収益事業を行うための主な要件

  • その収益を社会福祉事業または一定の公益事業に充てること
  • 社会福祉事業に対し、従たる地位にあること
  • 主な事業は、法人の所有する不動産を活用して行う貸ビル、駐車場の経営など
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社会福祉法人を設立するメリット

ここからは、社会福祉法人を設立するメリットをチェックしていきましょう。

  1. 補助金を受けられる
  2. 非課税で事業を行える
  3. 優秀な人材を得られる

メリット①:補助金を受けられる

社会福祉法人は、施設整備に対して一定額の補助を受けられます。

他の民間団体や個人などの事業への補助もありますが、社会福祉法人への補助は種類も豊富で高額です。

ある程度大きな規模の事業を計画していたり、充実した設備が必要だったりする場合には、補助金の重要性は高くなります。

メリット②:非課税で事業を行える

株式会社との比較でも記載しましたが、社会福祉法人の主な事業には税金がかかりません。

公益性の高い事業ということで、税制面で優遇措置が取られています。

ただし、サブの事業として収益事業を行った場合にはその収入は課税対象です。

その際にも収益事業に関する所得時は軽減税率が適用されます。

メリット③:優秀な人材を得られる

社会福祉法人は、様々な優遇措置や厳しい基準、複雑な監視体制によって信頼性が高く、経営の安定性が期待されています。

また、待遇面も一般企業に比べて良好なことが多いです。

そのため、優秀なスタッフも集まりやすく、人材面で充実が図れます。

また、待遇を充実させられるため、離職率も低くなり、人材育成にも十分力を注げるでしょう。

社会福祉法人を設立するデメリット

ここからは、社会福祉法人を設立するデメリットをチェックしていきましょう。

  1. 設立・運営の条件が厳しい
  2. 収益事業に制限がある

デメリット①:設立・運営の条件が厳しい

社会福祉法人は設立や運営の条件が厳しく、株式会社よりも経営が大変です。

要件を満たさないと認可を受けられないうえ、役員の人数など、満たすべき条件は細かく決められています。

また資金調達の方法も、寄付金や補助金のみで、株式の発行はできません。

デメリット②:収益事業に制限がある

社会福祉法人は、主な事業内容が厳格に定められているうえ、行える収益事業にも制限があります。

そのため、自由に事業展開するには無理があり、営利目的で事業を検討している人は、社会福祉法人を設立できません。

 

社会福祉法人を設立するまでの流れ

メリットとデメリットが確認できたら、社会福祉法人を設立するまでの流れを紹介していきます。

  • 行政との協議をする
  • 設立の準備をする
  • 設立認可の申請をする
  • 設立の登記をする

行政との協議をする

社会福祉法人は、所轄庁である都道府県知事または市長(広域にまたがる場合は厚生労働大臣)の認可を受け、設立登記することで成立します。

社会福祉事業を実施するには、事業実施地域の行政機関と事前協議を行って事業実施の許可を受けなければなりません。

事前協議の際には、定員、人員、予算などについての事業実施に関する計画を提出します。

所轄庁は法人設立の趣旨や行政計画との整合性を確認し、事業開始に向けてスケジュールを調整していきましょう。

設立の準備をする

次に設立予定者同士が、設立準備会を発足して準備を進めていき、役員と評議員を選出します。

さらに設立準備会では、社会福祉事業を行うために必要な資産も準備しておきましょう。

資産の種類や規模については、さまざまな関係法令や通知に基づく基準や要件を満たさなければなりません。

設立認可の申請をする

設立認可を受けるためには、定款の作成が必要です。

認可を求める先は事業規模によって変わります。

  • 2つ以上の区域をまたいで行う場合…都道府県知事の認可
  • 1つの区域に留まっている場合…市町村長の認可
  • 広範囲の事業、場所の制約のない事業…厚生労働大臣の認可

設立の登記をする

認可を受けたら、その法人の事務所所在地を管轄する登記所で登記の申請を行います。

設立に必要な書類は以下の通りです。

  • 設立認可申請書
  • 定款
  • 設立当初の財産目録
  • 財産が法人に帰属することを証する書類
  • 法人に帰属しない不動産の仕様権限を証する書類
  • 設立当初の会計年度および次会計年度の事業計画書および収支予算書
  • 設立者の履歴書など
  • 役員就任予定者の履歴書など
  • 施設建設関係書類
  • 施設庁就任承諾書
  • 諸規定

まとめ

今回は社会福祉法人を設立に関して、次のような項目を順番に紹介してきました。

  • 社会福祉法人とは?
  • 株式会社との違いは?
  • 社会福祉事業の内容
  • 社会福祉法人を設立するメリット
  • 社会福祉法人を設立するデメリット
  • 社会福祉法人を設立するまでの流れ

それぞれの要点は、理解することはできたでしょうか?

もしまだ不安や疑問に思うことがあれば、いつでもスタートアップ税理士法人までご連絡ください!

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