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【はじめての税務署】会社設立後に提出する‟税金”関係の書類

今まで会社に勤めていた方は、会社が税金に関する作業を済ませてくれていたかもしれません。

しかし起業したら、税金に関する作業も自分で行う必要があります。

はじめて税金に関する書類を作成して、税務署へ行くのだから、疑問がたくさんあるのは当然のこと!

この記事は登記後に必要な税務書類についての疑問解決はもちろん、書類を提出する前の最終確認など、フル活用できます。

目次

税務署に提出する書類一覧!

会社を設立すると、会社から国に支払う国税」と都道府県や市区町村に支払う地方税」の2種類の税金に関わる手続きが必要になります。

まずこちらが登記後、はじめて税務署へ行く方が提出する可能性のある国税」に関わる書類です。

名称 必須・任意 期限
①:法人設立届出書 必須 会社設立から2ヶ月以内
②:給与支払事務所等の開設届出書 必須 会社設立から1ヶ月以内
③:青色申告の承認申請書 任意

会社設立から3ヶ月以内

(設立から3ヶ月以内に事業年度が変わる場合は事業年度内)

④:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 任意 特例を受けたい月の前月の末日まで
⑤:個人事業の開廃業届出書 個人事業主の方のみ 廃業した日から1ヶ月以内
⑥:棚卸資産の評価方法の届出書 任意 最初の確定申告の提出期限まで
⑦:減価償却資産の償却方法の届出書 任意 最初の確定申告の提出期限まで
⑧:有価証券の一単位あたりの帳簿価額の算出方法の届出書 任意 有価証券を取得した日が属する事業年度の確定申告の提出期限まで
⑨:消費税関係の届出書 任意 会社設立事業年度の末日まで

ほとんどの書類が、あなたの今の状況や使いたい制度に合わせて提出する書類になります。

また提出期限が一番短い②の書類に合わせて、他の書類も提出すると考えて、スケジュールを立てると効率的です。

ただし東京都23区内に会社を設立した方は、後述する“地方税に関する書類”の提出期限である15日以内を目安に書類を作成していくのも手でしょう。

全ての書類について確認してから、税務署へ向かうことをオススメします。

①:法人設立届出書

法人設立届出書は、あなたが設立した会社の概要を税務署に届け出る書類。

この書類を提出すると、税務署から確定申告の時など、税務に必要な書類が届きます。

提出期限は、会社設立から2ヶ月以内です。

添付書類は定款のコピーのみなので、さほど手間はかからないでしょう。

②:給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書は、法人として給与を支払う時に生じる源泉所得税に関する作業を行うための書類。

この書類を提出すると、税務署から源泉所得税に関する書類が届くようになります。

提出期限は、会社設立から1ヶ月以内です。

③:青色申告の承認申請書(任意)

青色申告の承認申請書は、法人税の確定申告を青色申告で行うための書類。

提出期限内に提出しないと白色申告を選択したことになり青色申告の税金上のメリットが利用できなくなってしまいます。

提出期限は、会社設立から3ヶ月以内、もしくは設立第1期の事業年度終了の日です。

もし3ヶ月以内に事業年度が変わる場合は、事業年度内に提出するようにしましょう。

④:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(任意)

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、従業員が10人未満の会社にのみ認められている特例を使うための書類。

この書類を提出すると、毎月行う納付作業を半年に1回にまとめられます。

提出期限は、特例を受けたい月の前月の末日までです。

また毎月給与から天引きする住民税も、納期の特例を使用することができます。

その届出は、従業員が住む市区町村ごとに行う必要があるため、従業員の住む市区町村のHPでご確認ください。

⑤:個人事業の開廃業に関する書類

個人事業の開廃業に関する書類は、個人事業主の方が会社を設立するときに、個人事業を廃業するための書類。

あなたの個人事業主としての状況に応じて、以下7点のように用意する書類が異なります。

提出期限は、廃業後できるだけ早く提出しなければならないものから、廃業した翌年の3月15日までと幅があるので、お気を付けください。

書類 提出先 対象者 提出期限
事業廃止届出書 税務署 消費税納税義務者だった方 廃業後、できるだけ早く
個人事業の開業届出・廃業届出書 税務署 個人事業を開始・移転・廃止した方 開業した日から1ヶ月以内
給与支払事務所等の廃止届出書 税務署 従業員に給与を支払っていた方 廃業した日から1ヶ月以内
所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書 税務署 前年の所得税に満たないと見込み、減額してもらう 7月15日か11月15日まで
所得税の青色申告の取りやめ届出書 税務署 青色申告を行っていた方 廃業した翌年の3月15日まで
事業開始(廃止)等申告書 都道府県税事務所 個人事業を開始・移転・廃止した方 都道府県により異なる
事業開始(廃止)等申告書 市区町村窓口 同上 同上

上記に加えて、1月~12月までの間、個人事業主として収入を得ていた方は、個人の確定申告が必要です。

「法人を設立した翌年に確定申告する」と覚えておいてください。

⑥:棚卸資産の評価方法の届出書(任意)

棚卸資産の評価方法の届出書は、期末に残っている棚卸資産(商品などの在庫)の金額を決める方法を選択するための書類。

期限までに提出しないと、最終仕入れ原価法(事業年度内、最後に仕入れた単価を使用して金額を決める方法)で計算しなければなりません。

一度選択すると、法で認められる特別な理由がない限り変更できないので、量の数え方など棚卸資産の特徴を踏まえて方法を選択しましょう。

提出期限は、最初の確定申告の提出期限までです。

⑦:減価償却資産の償却方法の届出書(任意)

減価償却資産の償却方法の届出書は、減価償却方法である

  • 年定額を費用にする定額法
  • 毎年決まった率を帳簿価額にかけた額を費用にする定率法

のどちらを使用するか選択するための書類。

期限までに提出しないと、法で定められた方法に従って、費用とする金額を決めることになります。

提出期限は、最初の確定申告の提出期限までです。

お問い合わせはこちら

⑧:有価証券の一単位あたりの帳簿価額の算出方法の届出書(任意)

有価証券の一単位あたりの帳簿価額の算出方法の届出書は、取得した有価証券の一単位(=1株)あたりの帳簿価額を決める方法として、総平均法を選択するための書類。

期限までに提出しないと、移動平均法という計算により、1株あたりの金額を決めることになります

ちなみに、この2つの方法は、

  • 総平均法…業年度内に取得した有価証券の合計額を株数で割り、1株あたりの帳簿価額を決める方法
  • 移動平均法…有価証券が増えたり減ったりする度に1株あたりの金額を決める方法

という違いがあるので、総平均法を利用したい方は、期限内に提出しましょう。

提出期限は、有価証券を取得した日が属する事業年度の確定申告の提出期限までです。

もしあなたが1期目の1ヶ月目に有価証券を取得したら、その期の確定申告の提出期限が、この書類の提出期限となります。

⑨:消費税に関するさまざまな届出書(任意)

消費税関係の届出書には、

  • 消費税の新設法人に該当する旨の届出書…資本金額が1000万円以上の会社を設立した方
  • 消費税簡易課税選択届出書…簡易課税(=国が認めている支払消費税額の計算を簡単にする制度)を選択したい方
  • 消費税の課税事業者選択届出書…課税事業者になりたい方

などを、あなたの希望に合わせて、期限までに提出しなければなりません。

期限はすべて、会社設立事業年度の末日までです。

地方税の法人設立届出書の作成も忘れずに。

今までご紹介してきた書類は、税金の支払い先が国(≒税務署)である「国税」に関するものでした。

しかし上記で説明した”法人設立届出書”と同じ名称で、地方税」の支払先である都道府県税事務所・市役所等にも提出するものがあります。

つまり法人設立届出書は、最大で国税と地方税あわせて3枚、用意が必要です。(東京都23区内に設立した場合は2枚)

法人設立届出書の内容はほとんど変わりませんが…

  • 国税…税務署
  • 都道府県民税(地方税その①)…都道府県税事務所
  • 市町村民税(地方税その②)…市役所等

と、提出先がそれぞれ異なるので、注意しておきましょう。

ちなみに見分けるときは…

  1. 税務署長殿」…税務署
  2. 都税事務所・支庁長殿」「県税事務所長」…都道府県税事務所
  3. 市町村長殿」…市役所等

のように、誰宛のものかをチェックすれば確認できます。

また、あなたの会社がある都道府県や、市区町村によって提出書類の形式名称が微妙に違うこともあるので、会社を設立した場所での手続き方法を調べてみてくださいね。

名称 必須・任意 期限 提出先
法人設立届出書(都道府県民税) 必須

本店が東京23区の場合

会社設立から15日以内

それ以外は原則として

会社設立から1ヶ月以内

都道府県税事務所
法人設立届出書(市町村税) 必須

本店が東京23区の場合

区役所への届出は不要

それ以外は原則として

会社設立から1ヶ月以内

市役所等

(都道府県税事務所に提出する)法人設立届出書

この法人設立届出書は、あなたが設立した会社の概要を都道府県税事務所に届け出る書類。

会社を東京都23区内に設立した場合、道府県民税と市区町民税を合わせて都民税としているため、都税事務所に提出すれば「地方税」の手続きは完了です。

提出期限は、以下のように異なるので、注意しましょう。

  • 東京都23区内の方…会社設立から15日以内
  • その他…原則として、会社設立してから1ヶ月以内

その他の方は、その地域によって提出期限が異なる場合もあるので、各都道府県税事務所のHPをご確認ください。

(市役所等に提出する)法人設立届出書

この法人設立届出書は、あなたが設立した会社の概要を市役所等に届け出る書類。

(東京都23区内に設立した場合、この書類の提出は不要。)

提出期限は、原則、会社設立から1ヶ月以内です。

上記の書類と同様に、地域によって提出期限が異なる場合もあるので、確認をお願いします。

最終確認!これで税務関係は、安心です!

では、最終確認をしてみましょう。

こちらを印刷して、ご自身が作成した書類と照らし合わせてみてください。

以下9点が税務署に提出する可能性のある「国税」に関わる書類です。

チェック 名称 必須・任意 期限
  ①:法人設立届出書 必須 会社設立から2ヶ月以内
  ②:給与支払事務所等の開設届出書 必須 会社設立から1ヶ月以内
  ③:青色申告の承認申請書 任意

設立から3ヶ月以内

(設立から3ヶ月以内に事業年度が変わる場合は事業年度内)

  ④:源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書 任意 特例を受けたい前月の末日まで
  ⑤:個人事業の開廃業届出書 個人事業主の方のみ 廃業した日から1ヶ月以内
  ⑥:棚卸資産の評価方法の届出書 任意 最初の確定申告の提出期限まで
  ⑦:減価償却資産の償却方法の届出書 任意 最初の確定申告の提出期限まで
  ⑧:有価証券の一単位あたりの帳簿価額の算出方法の届出書 任意 有価証券を取得した日が属する事業年度の確定申告の提出期限まで
  ⑨:消費税関係の届出書 任意 設立事業年度の末日まで

以下2点は、「地方税」に関わる書類。

チェック 名称 必須・任意 期限
  法人設立届出書(都道府県税事務所へ提出) 必須

本店が東京23区の場合

会社設立から15日以内

それ以外は原則として

会社設立から1ヶ月以内

  法人設立届出書(市役所等に提出) 必須

本店が東京23区の場合

区役所への届出は不要

それ以外は原則として

会社設立から1ヶ月以内

これで、税金関係の下準備は完了です。

これから先は、あなたの経営状態に応じて、必要な税務処理を行わなければなりません。

税務に関して分からないことがあれば、税務のプロ・税理士に相談すれば、一瞬で解決するでしょう。

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