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創業融資の金利はどのくらい?利率の相場と注意点を解説

どの融資制度を利用するか考える上で、申し込む際の金利は気になりますよね

例えば日本政策金融公庫の新創業融資制度は便利な制度だと知られていますが、金利にはどんな特徴があるのでしょうか?

今回は、新創業融資制度をはじめ、様々な融資制度の金利相場や申し込む際の注意点について、詳しく解説いたします

目次

新創業融資制度の金利とは

新創業融資制度の金利は、固定ではありません
その時の金融情勢によって変動するため、現在の金利はどのくらいなのか、事前にたしかめておきましょう。

最新の金利は、日本政策金融公庫のホームページで公開されています。

【参考】
日本政策金融公庫HP/国民生活事業(主要利率一覧表)

令和5年5月1日現在の金利は以下の通りです。

【令和5年5月1日現在の金利】
  • 基準利率 2.27~3.30
  • 特別利率A 1.87~2.90
  • 特別利率B 1.62~2.65
  • 特別利率C 1.37~2.40
  • 特別利率D 1.62~2.35
  • 特別利率E 0.87~1.90
  • 特別利率J 1.22~2.25
  • 特別利率P 2.07~2.80
  • 特別利率Q 1.87~2.60

基準利率はありますが、申込者の年齢や融資された資金の使い道、融資期間、保証人の有無などによって、適用される利率が変わります

一例ですが申込者が女性、若者、シニアの場合、「女性、若者/シニア起業家支援資金」に該当するため、基準利率ではなく特別利率A~Cの対象となります。

新創業融資制度は創業2期までしか利用できませんが、「女性、若者/シニア起業家支援資金」の場合は事業開始からおおむね7年利用できるなど、支援の幅も広がります。

すでに新創業融資制度の対象から外れている、という場合も、自分が使える融資制度があるかどうか、探してみましょう。

新創業融資をはじめとする、日本政策金融公庫の融資制度は、融資決定してからでないと、正確な金利が分かりません

思わぬ金利で資金繰りに困らないように、2.5~3%程度を想定しておくと安心です

新創業融資制度を利用する際の注意点3つ

新創業融資制度は、低金利で利用できることが分かりました。
ですが、融資先を金利だけで判断してしまうと、その他の部分でデメリットが起きる可能性があります

金利以外の注意点を知った上で、利用を検討しましょう。

注意点1:自己資金が必要

新創業融資制度を申し込む際、事業開始前の場合は創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です。すでに創業している場合も、自己資金金額によって、受けられる融資金額が変わります。

金利の支払いを考える前に、必要な融資額を受け取るための自己資金を用意しておきましょう。

自己資金を貯めるために、計画的に進めてきた結果が分かると、審査に通りやすくなります。
事業をはじめると決めたら、毎月決まった額を自己資金として貯金して、通帳などで証明できるようにしておきましょう。

注意点2:融資制度を選べない

日本政策金融公庫には、100を超える種類の融資制度があります。
その中から、新創業融資制度を使いたいです、という選択はできません

適用される融資制度は、申込者の事業内容、年齢、融資目的などに応じて、日本政策金融公庫の担当者が決定します

活用したい融資制度が決まっている場合は、条件を事前に確認して、担当者から提案してもらえるように、準備しておきましょう。

注意点3:利率を下げるには保証人が必要

新創業融資制度の利率を少しでも下げたい場合、法人であれば代表者が保証人になることで、利率を0.1%減らせます

しかし、金利的なメリットがある一方で、原則無担保・無保証人で利用できる新創業融資制度の良い点が失われてしまいます

金利を下げて保証人をつけるのか、保証人不要のメリットを取るのか、申し込み前に検討しておきましょう。

お問い合わせはこちら

その他融資制度との金利比較

新創業融資制度以外にも、創業にあたり融資を受ける方法があります

その他の制度ではいくらくらいの金利がかかるのか、事前にチェックしておきましょう。

信用保証協会付き融資

信用保証協会付きの融資は、万が一返済が滞った場合に、立て替え払いをしてくれる制度です。

金利は固定金利、変動金利から選択でき、2%未満になるケースが一般的です

安心して借入れられ、保証も受けられる融資ですが、保証の対価として保証料が必要になります

保証料の料率は、融資額や担保の有無によって変動しますが、1%程度が目安です。

事前に保証料を計算したい場合は、以下の計算式で算出してみてください。

【計算式】
融資額×保証料の料率×保証月数÷12

仮に保証料率1%で500万円を5年借入れる場合、

500万円×1%×60(ヶ月)÷12=25

という計算になり、25万円の保証料が必要になります。

保証料と金利の両面から考えて、新創業融資制度とどちらが負担を減らせるのか、比較しておくと安心です

自治体の制度融資

各地方自治体で、中小企業向けの制度融資が実施されています。
自治体から紹介状を書いてもらえるため、融資の可能性を高められること、利率が低いことがメリットです

金利は、各自治体によって変わります。
中には自治体が金利を負担してくれるケースもあるため、事業所のある自治体ではどのような制度があるのか、事前にチェックしてみましょう。

自治体によっては金利ゼロで活用できる嬉しい制度ですが、信用保証協会による保証を得てからの融資になるため、信用保証協会付き融資と同じく、別途保証料が必要です

融資実行までのスピードが、新創業融資制度よりも遅い、というデメリットも加味した上で、利用を検討してみてください。

中小企業経営力強化資金

日本政策金融公庫には、新創業融資制度以外にも融資制度がたくさんあります。
その中の一つが、中小企業経営力強化資金です。

令和5年5月1日現在、基準利率(1.07~1.80%)で利用できます
利用条件によっては、特別利率①(0.67~1.40%)が適用される、低金利の制度です。

【参考】
日本政策金融公庫HP/中小企業事業(主要利率一覧表)

利用条件は、以下のページに記載されています。

【参考】
日本政策金融公庫HP/中小企業経営力強化資金

すでに事業を行っている中小企業向けだけでなく、創業時でも利用できるため、まずは自分が対象かどうかチェックしてみてください。

すぐの利用が難しい場合も、今後事業が安定したタイミングなどで活用できる制度のため、ぜひ覚えておきましょう。

銀行での融資

創業間もない場合、銀行融資の審査に通過するのは難しいのですが、仮に借入れられる場合、1~15%程度までの幅広い金利相場となっています

金利は、融資金額、融資先によって変わりますが、創業間もない個人事業主、法人は信頼を得るのが難しい時期です。融資を受けられたとしても、新創業融資制度より高い金利になる可能性が高いでしょう

ノンバンクでの融資

銀行以外のノンバンクを利用して融資を受ける方法もあります
多くの貸金業者でビジネスローンの取り扱いがあり、創業をサポートしてくれます。

銀行と比較して審査が厳しくない、必要な場合は即日融資も可能、というメリットがある一方で、金利は3~18%が相場と高めの設定です。

どうしても急ぎで運転資金が必要、という場合以外は、その他の方法を選ぶのがおすすめです。

ファイナンスの計画

ビジネスの開始には資金計画も重要です。

開始初期の設備投資や運転資金、将来の拡大計画にともなう投資の見通しを立て、調達方法を計画しましょう。

詳細

開始初期に予想される収益と必要な出費を計算してみましょう

あなたが開発した『日常の習慣を管理するツール』のアプリを例にとると、以下の計算が考えられます。

予想される収益

  • 広告収入

月間のアクティブユーザー数が1万人で、1人あたりの月間広告表示回数が100回、クリック率が0.5%、1クリックあたりの収益が10円とすると、月間の広告収入は1万人×100回×0.5%×10円=5万円と算出できます。

  • プレミアム機能の収益

月間のユーザー数のうち2%がプレミアム機能を300円で購入すると、1万人×2%×300円=6万円と算出できます。

以上を合算すると、月間の収益は11万円年間では132万円となります。

必要な出費

次に、必要な出費を計算しましょう。

  • サーバー代:月5,000円
  • 広告宣伝費:月10,000円
  • その他の経費:月5,000円

以上を合算すると、月間の出費は2万円年間では24万円となります。

収益と出費を差し引いた年間の純利益は108万円となります。この数字を基に、税金や将来の投資、さらには利益確保のための戦略を計画することができます。

上記のように具体的な数字をベースに、ファイナンスの計画を立てることで、ビジネスの持続性や拡大の可能性を明確にしてみましょう!

税務対策の重要性

収益化した際には、適切な税務対策が必要になります

税金の種類や計算方法を理解し、どのように対応すべきか計画を立てましょう。

 

詳細

以下に、税務対策の具体的なポイントを挙げます。

①青色申告の利用

確定申告の際に青色申告を選択すると、一定の条件下で税金を削減することができるのをご存知ですか

青色申告を選択することにより、損益通算など、自営業者や個人事業主にとって有利な税制が適用され、所得税が低く抑えられるなどのメリットがあります。

ただし、青色申告は帳簿の整備と正確な申告が必要となります綿密な記録管理が求められるため、事前の準備が重要となりますが、税制上はとても有利になることを覚えておきましょう。

②必要経費の正確な計上

アプリの開発や運営に関わる経費(サーバー代、広告宣伝費、ソフトウェアライセンス費用など)は、事業経費として計上することができます

これにより所得を減少させ、税負担を軽減することができます。

③法人化の検討

収益が一定の規模に達した場合、法人化を検討することで、法人特有の税制優遇を受けられる可能性が高いです

特に成長を目指すビジネスにおいては、法人化によるメリットを最大限活用することが推奨されます。

④税務専門家との連携

税法は複雑であり、最新の制度や法改正に常に目を配る必要があります。

税理士と連携し、適切なアドバイスを受けることで、無駄な税金の支払いを避け、法的リスクを低減することができます

税務対策はビジネスの成功を支える基盤となります。細部まで注意を払い、安定した運営を実現しましょう。

融資制度はどこを選ぶのが正解?

日本政策金融公庫や信用保証協会、銀行など、創業者を支援してくれる融資制度が数多くあります。そのため、どれを選んだら良いのか迷いがちです。

事業の規模、自己資金などによって、利用するべき融資制度が変わりますが、迷ったときは新創業融資制度がおすすめです

銀行などと比較して金利が安いこと、融資までのスピードが早いことから、スムーズな事業経営をサポートしてくれます。

一方で、新創業融資制度をはじめとする融資相談は、担当者を納得させる創業計画書や面談対策が欠かせません

一度審査に落ちてしまうと、半年後まで再申請できないため、必要に応じて専門家の手も借りながら、着実に進めていきましょう。

事業計画だけでなく、融資希望額にいたった根拠や返済能力の証明、ローンなどの滞納がないかどうかなど、信頼されるための材料も用意しておいてください。

融資額、返済計画の内容によっては、信用保証協会付き融資制度、自治体の制度融資の方が、保証料を支払っても得になる場合もあります。

「返済が滞ってしまった場合の不安に備えたい」

という気持ちが強い場合も、立て替え払いをお願いできる制度を検討してみましょう。

まとめ

新創業融資制度や中小企業経営力強化資金を取り扱う日本政策金融公庫は、政府が100%出資している金融機関です

低金利で利用できる融資先を探しているなら、まず日本政策金融公庫の窓口で、相談してみましょう

融資審査を通過するためには、自己資金の準備や創業計画書の策定など、入念な準備が欠かせません。

できる対策、用意をしっかり済ませて、融資実行を目指してください。

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