【運送会社】を設立するには?設立の流れと必要な許可・資格を確認!
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。2023年4月に銀座オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
「運送会社を設立したいけど、何からはじめればいいのかわからない…」
「特別な許可が必要なのかな?」
運送業での起業を考えている方のなかには、このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では運送会社の設立について、下記の順に解説していきます。
- 運送会社設立の流れ&かかる費用と期間
- 運送会社の設立要件
- 必要な許可・資格
- 注意点
なお、一般貨物自動車運送事業*の会社設立について説明していく点にご注意ください。
最後まで読んで、運送会社設立に必要な手続きや流れを確認してみてくださいね。
- 目次
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運送会社設立の流れ&かかる費用と期間
まずは下記を頭に入れておくことで、運送会社設立の全貌を理解しやすくなります。
- 運送会社設立の流れ
- 必要な費用と期間
運送会社設立の流れ
はじめに、運送会社を設立する流れをみていきましょう。
大まかには下記3つのステップに分けられます。
- まず会社を設立する
- 運送業許可を取得する
- 手続きを経て業務開始
① まず会社を設立する
株式会社の場合、設立するには下記のような手続きをします。
- 法人用の実印を作成する
- 定款を作成し、認証を受ける
- 資本金を払い込む
- 登記申請書類を作成し、法務局で申請する
② 運送業許可を取得する
会社設立後に一般貨物自動車運送業の運送業許可を申請し、取得します。
申請から取得までにかかる標準審査期間は、4ヶ月~5ヶ月です。
会社を設立する①の段階で、運送業許可取得のための書類を準備しておくとスムーズです。
③ 手続きを経て業務開始
無事に運送業許可を取得しても、業務をスタートさせるためには次のような手続きを踏まなければいけません。
- 社会保険・労働保険の加入
- 36協定の締結
- 運送業許可証の交付式
- 登録免許税納付書類取得
- トラックの緑ナンバーを取得
- 運行管理者と整備管理者の選任届、運輸開始前届を地方運輸支局に提出 など
これらを経てやっと、運送会社としての業務を開始できます。
運送会社の設立要件
運送会社の設立には、さまざまな要件があるのをご存知ですか?
主な要件を下記の順に説明していきます。
- 車両の要件
- ドライバーの要件
- スペースの要件
車両の要件
運送会社を設立する際は、営業所ごとに5台以上の事業用自動車を揃えましょう。
使用する車両にはトラックだけでなく、ハイエースなどの小型車も含められます。
事業計画や資金によって揃う車両は変わってきますが、下記の点に注意してください。
- トラクター5台のみの場合
- 軽自動車や自動二輪を含んでいる場合
ドライバーの要件
運送会社の設立には、最低でも5人のドライバーが必要です。
乗車する車両の免許を持っている、下記のような人をドライバーにすることができます。
- 社長
- 雇い入れた人
- 派遣社員(2ヶ月以上の長期雇用の場合)
スペースの要件
運送会社のスペースに関する要件を、順番にみていきましょう!
- 営業所・休憩室
- 駐車場(車庫)
営業所・休憩室
運送業の許可を得るためには、下記のようなスペースが必要になります。
- 営業所…運送会社の拠点
- 休憩室…業務中にドライバーが休憩するための場所
営業所や休憩室としての使用が法律上認められている場所であれば、賃貸マンションやオフィスの一室でも問題ありません。
駐車場(車庫)
運送業の駐車場にはさまざまな規定があり、全国の運輸局ごとに異なる部分もあります。
一般的には、使用するすべての事業用自動車を余裕を持って収容でき、壁や隣の車両との間隔が50cm以上空けられるようなスペースが必要です。
駐車場の出入口の幅が約6m以上あるかなど、細かい点をクリアしなければ駐車場にすることができないので注意しましょう。
必要な許可・資格
運送会社を設立するために必要な許可・資格は、主に下記の5つです。
- 一般貨物自動車運送事業許可
- 整備管理者
- 運行管理者の資格
- 運行管理補助者の資格
- 法令試験の合格
順番にみていきましょう!
① 一般貨物自動車運送事業許可
運動会社を設立するにあたって、一番重要なのが一般貨物自動車運送事業許可です。
ほぼすべての運送会社が一般貨物自動車運送事業にあたるので、まずはこの経営許可を取得しましょう。
運送事業を行うための要件を満たした上で、運送業許可申請書類を添付書類とあわせて運輸支局に提出することで申請できます。
② 整備管理者
整備管理者は各営業所に必ず1人は必要です。
資格は必須ではなく、運送会社などで整備管理の経験が2年以上ある人であれば整備管理者になれます。
③ 運行管理者の資格
運行管理者の資格を持った人も各営業所に1人は必要です。
運行管理者が社長である必要はありませんが、ドライバーは運行管理者になることができません。
そのため、ドライバー以外で運行管理者の資格を持っている人が必須です。
④ 運行管理補助者の資格
運行管理者補助の資格を持った人も必要です。
運送業者が貨物自動車を使用し運行する場合には、必ず点呼を行わなければいけませんが、点呼は運行管理者が運行管理補助者しか行うことができません。
運行管理者が不在の場合に、運行管理補助者がいなければ運送業務ができなくなります。
運行管理者基礎講習を修了すれば運行管理補助者になれるので、要件を満たす人を運送業許可が下りるまでに確保しておきましょう。
⑤ 法令試験の合格
一般貨物自動車運送事業許可を申請したら、役員法令試験を受験することになります。
法令試験とは運送業許可の申請者が受ける試験で、受験できる人は下記の通りです。
- 個人事業主…事業主本人のみ
- 法人…常勤の役員のうち1人
法令試験は都道府県に1つずつ置かれている地方運輸局で、奇数月に実施されます。
運送業許可申請の受付日以降に受験が可能となるので、スケジュールに注意してください。
法令試験に合格しなければ運送業許可を得られず、また2回までしか受験できません。
2回とも不合格の場合は、一般貨物自動車運送事業の許可申請を取り下げることになります。
注意点
運送会社の設立で主に注意すべき点は、下記2点です。
- 定款の事業目的
- 各種契約時の名義
定款の事業目的
定款を作成する際に、事業目的に「運送業」と書くだけでは運送業の許可を取ることができません。
「一般貨物自動車運送事業」と記載し、事業目的を明確にすることが大切です。
各種契約時の名義
各種契約を行う際の名義にも注意しましょう。
運送業許可を取得するためには、営業所や駐車場の賃貸借契約書、車両の売買契約書など、さまざまな契約書を提出します。
これらの名義は、すべて会社名義でなければいけません。
設備を整えるために会社設立前に個人名義で契約を結んでしまった場合は、許可の取得前に会社名義へ変更する必要が出てきてしまいます。
まとめ
本記事では運送会社の設立について、下記の流れで解説してきました。
- 運送会社設立の流れ&かかる費用と期間
- 運送会社の設立要件
- 開業に必要な許可・資格
- 注意点
運送会社の設立には、特別な許可が必要です。
先を見据えながら準備することで、設立にかかる期間を短縮することができます。
運送会社の設立を検討する中で迷うことがあれば、ぜひ弊社にご相談ください。
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