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◎所得控除シリーズ◎【勤労学生控除】ってどういう制度なの?

所得控除の種類を1つずつ深掘りしていく、所得控除シリーズ

今回は勤労学生控除について紹介していきます!

  • 勤労学生控除とは?
  • 対象となる学生は?
  • 控除額と計算方法は?
  • 手続き方法は?

勤労学生控除について、基本事項~注意点まで幅広くお届け。

学生の方はもちろん、身の周りに学生さんがいる方にも必見の内容です!

目次

【対象となる学生】3つの条件

まず前提として、学生がアルバイトの収入のみ年収103万円以下(=給与所得控除55万円+基礎控除額48万円)なら、所得税の課税はありません。

さらに踏み込むと、勤労学生控除の対象となるのは、アルバイト収入のみの場合、年収103万円超~130万円以下の学生のみです。

  1. 給与所得など勤労による所得がある
  2. 合計所得金額が75万円以下かつ勤労による所得以外の所得が10万円以下
  3. 特定の学校の学生、生徒である

①:給与所得など勤労による所得がある

まず大前提として、勤労による給与所得がなければなりません。

給与所得とは、簡単に言うと働いて得た給与から各種控除を引いたあとのお金のことです。

学生の場合は、アルバイトで得たお金がほとんだと思います。

短期バイトだとしても勤労して得たお金という点では変わらないので、OKです。

ただし両親からの仕送りで得たお金などは、当てはまらないので注意しましょう。

②:合計所得金額が「75万円以下」かつ①の所得以外の所得が「10万円以下」

2つ目の条件で求められるのは、以下の要件です。

  • 合計所得金額が75万円以下
  • 勤労による給与所得など以外の所得10万円以下

合計所得金額を簡単に説明すると、年収から各種控除を引いた後の金額です。

給与所得控除は、55万円が差し引かれます(年収が162.5万円以下の場合)。

つまり年収が130万円までなら、給与所得控除を利用して合計所得金額を75万円にすることが可能です。

ただしその場合は、勤労による給与所得など以外の所得10万円以下である必要があります。

たとえばFXアフィリエイトでの報酬による所得が10万円を超えてしまうと、勤労学生控除の対象にはなりません。

③:特定の学校の学生、生徒である

この場合の特定の学校とは、以下のいずれかに当てはまる学校のことです。

イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など

ロ 国、地方公共団体、私立学校法の第3条に規定する学校法人、同法第64条第4項に規定する法人、これらに準ずる一定の者(注1)により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程(注2)を履修させるもの

ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程(注2)を履修させるもの

引用元:勤労学生控除|国税庁

(注1)一定の者について

(1)独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康安全機構、日本赤十字社、商工会議所、健康保険組合、健康保険組合連合会、国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合連合会、社会福祉法人、宗教法人、一般社団法人及び一般財団法人並びに農業協同組合法第10条第1項第11号に掲げる事業を行う農業協同組合連合会及び医療法人

(2)学校教育法第124条に規定する専修学校又は同法第134条第1項に規定する各種学校のうち、教育水準を維持するための教員の数その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものを設置する者((1)に掲げる者を除きます。)

引用元:勤労学生控除|国税庁

 (注2)一定の課程について

(1)専修学校の高等課程及び専門課程

イ 職業に必要な技術の教授をすること。

ロ その修業期間が一年以上であること。

ハ その一年の授業時間数が800時間以上であること(夜間その他特別な時間において授業を行う場合には、その1年の授業時間数が450時間以上であり、かつ、その修業期間を通ずる授業時間数が800時間以上であること。)。

ニ その授業が年2回を超えない一定の時期に開始され、かつ、その終期が明確に定められていること。

(2)(1)に掲げる課程以外の課程

イ 職業に必要な技術の教授をすること。

ロ その修業期間(普通科、専攻科その他これらに類する区別された課程があり、それぞれの修業期間が1年以上であって一の課程に他の課程が継続する場合には、これらの課程の修業期間を通算した期間)が2年以上であること。

ハ その1年の授業時間数(普通科、専攻科その他これらに類する区別された課程がある場合には、それぞれの課程の授業時間数)が680時間以上であること。

ニ その授業が年2回を超えない一定の時期に開始され、かつ、その終期が明確に定められていること。

引用元:勤労学生控除|国税庁

高校生・大学生をはじめ、職業訓練をしている方や、専修学校に通っている方も対象になる可能性があります。

気になる方は、ご自身の学校が勤労学生控除の対象になるのか、確認してみてくださいね。

控除額と計算方法は?

勤労学生控除の控除額は27万円です。(住民税の控除額は26万円

勤労学生控除を利用した際の計算方法は、次の例を参考にしながら確認してみましょう。

例)アルバイトによる年収が85万円の大学生Aさん

年収に利用できる所得税の控除は、主に次の3つです。

  1. 給与所得控除…55万円
  2. 基礎控除…48万円
  3. 勤労学生控除…27万円

85万円ー(55万円+48万円+27万円)=-45万円

上記の計算の結果、年収が控除額を下回っているので、所得税は一切かかりません

最高で130万円までは所得税がかからない計算になります。

続いて住民税の計算もしてみましょう。

  1. 給与所得控除…55万円
  2. 基礎控除…43万円
  3. 住民税勤労学生控除…26万円

85万円ー(55万円+43万円+26万円)=ー39万円

こちらも年収が控除額を下回っているので、住民税がかかりません

最高で124万円までは所得税がかからない計算になります。

ただし自治体により課税額が異なりますが、収入が93万円~100万円超の場合は、住民税均等割が発生します。(年間約5000円ほど)

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【ワンポイント】年収103万円を超えると、扶養控除の対象外になる⁉

上記では所得税の場合、年収130万円までは所得税がかからないと説明しました。

ただ「103万円の壁」という言葉は聞いたことありませんか?

これは扶養控除を受けられるか否かのボーダーラインの金額です。

たしかに130万円までは所得税は0円ですが、103万円を超えると扶養控除の対象外です。

つまり両親などの扶養に入りつつアルバイトをしている場合、103万円を超えると親御さんの税負担が重くなってしまいます。

扶養に入っている場合は、103万円を超えない程度に抑えたほうが無難でしょう。

【勤労学生控除】手続き方法は?

続いて勤労学生控除の手続き方法を確認していきましょう。

アルバイト先が1ヶ所のみの場合は、年末調整時に勤務先から渡される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記入するだけで手続き完了です。

2ヶ所以上のアルバイトを掛け持ちしている場合は、年収合計が103万円超の場合、確定申告が必要になります。

また年収合計が103万円以下でも、源泉徴収されていて年末調整をしていない場合は、確定申告により税金が戻ってくるかもしれません。

確定申告時には、期限内(例年2月中旬~3月中旬)に以下の書類を揃えます。

  • 通学先の在籍(在学)証明書
  • 全てのアルバイト先の源泉徴収票

あとは確定申告書の該当欄に記入して税務署に提出すればOKです。

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まとめ

今回は勤労学生控除について、基本事項をざっとお伝えしてきました。

勤労学生控除の対象者は、アルバイトによる年収が103万円超~130万円(アルバイト収入のみ)の学生です。

基本的に103万円以下の学生は、控除のことは気にする必要ありません。

ただし103万円~130万円以下の方は、勤労学生控除を使うことで所得税はかからなくても、扶養控除は使えなくなってしまうことを、頭に入れておきましょう。

そのほか細かい相談などは、いつでもスタートアップ税理士法人までお尋ねください!

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