税理士に確定申告を依頼したい!費用相場や選び方・注意点を解説
- 記事監修 大堀 優
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税理士・大堀優(オオホリヒロシ)スタートアップ税理士法人代表。1983年、愛媛県出身。2013年に税理士登録をした後、2015年2月に独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。 2017年1月、社会保険労務士事務所を併設する。2021年6月に会計事務所を税理士法人化、8月に横浜オフィスを開設。
【会社設立をしたい方へ一言】みなさんの不安を払拭できるように、“話しやすさNo.1の事務所”として寄り添ったサポートを心掛けています。なんでもお気軽にご相談ください!
会社を設立したり、個人事業主として起業した場合、国税や地方税、青色申告などの確定申告が必要です。
特に会社設立をしている法人の場合は、経費や勘定科目の扱いなどが煩雑になるケースが多く、税理士に相談するケースが多く見られます。
税理士に確定申告を依頼した際の費用や税理士の選び方、選ぶ際の注意点などを事前に知っておきましょう。
- 目次
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確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場
確定申告を税理士に依頼する際、最も気になるのが費用相場です。
いくらくらいが目安なのか、個人の場合、法人の場合をそれぞれみてみましょう。
個人事業主の場合
個人事業主の確定申告を税理士に相談する場合、売上額によって費用が変わります。
【確定申告書類のみを依頼する場合】
数万円~10万円程度
【帳簿作成と確定申告書類作成を依頼する場合】
- 売上額500万円未満:数万円~10万円程度
- 売上額500~1,000万円未満:15万円程度
- 売上額1,000万円以上:20万円程度
※顧問契約料は含めず
税理士と顧問契約を結ぶ場合、個人事業主の場合は月2~3万円が目安です。
多くの税理士が、顧問契約料の4~6ヶ月分を確定申告代行の費用に設定しています。
顧問契約に記帳代行や仕訳が含まれているケース、別途請求されるケースがあるため、事前に確かめておきましょう。
法人の場合
法人のほとんどが税理士と顧問契約を結んでいます。そのため顧問税理士が、確定申告を担当するケースが多いでしょう。
費用相場は年商や業種によって変わりますが、主な目安をチェックしておきましょう。
- 年商1,000万円未満:10万円~20万円
- 年商1,000万円~3,000万円:20~25万円程度
- 年商3,000万円~5,000万円:25万円~30万円程度
- 年商5,000万円~1億円未満:30万円~35万円程度
- 年商1億円以上:顧問税理士と相談の上決定
※顧問契約料は含めず
法人が税理士と顧問契約を結ぶ場合の相場は以下の通りです。
- 年商1,000万円未満:月1万円~
- 年商1,000万円~3,000万円:月1.5万円~
- 年商3,000万円~5,000万円:月2万円~
- 年商5,000万円~1億円未満:月2.5万円~
- 年商1億円以上:顧問税理士と相談の上決定
顧問契約を結ばずに、確定申告のみを相談する場合、相場よりも高めになるケースがあります。これから会社設立を考えている場合は、顧問税理士を見つけておくと安心です。
税理士に確定申告を依頼する7つのメリット
税理士に確定申告を依頼すると、たくさんのメリットが得られます。
なぜ多くの個人、法人が確定申告を税理士へ依頼しているのか、その理由を見てみましょう。
メリット1:時間を節約できる
事業を営んでいると、日々の業務に追われがちです。
やらなければいけないと分かっていても、確定申告手続きが後回しになり、申請期日ギリギリでなんとか済ませる、というケースが少なくありません。
事業に集中したい、その他のやるべきことに時間を割きたい、という場合は、税理士の力を借りて、確定申告を楽に済ませましょう。
記帳もあわせてお願いすると、よりスムーズです。
メリット2:期限までに間違いなく申告できる
確定申告は毎年決められた申告期限があります。
手続きが遅れ期限を過ぎてしまった場合、無申告加算税や延滞税などの追徴課税が課されてしまうため、注意が必要です。
余計な税金負担を発生させないためにも、期限内に申請を済ませてくれる税理士の存在が頼りになります。
とはいえ、プロである税理士であっても、期限ギリギリの相談では間に合わせられません。
できるだけ早めに必要な書類などを用意の上、税理士へ手渡せるようにしましょう。
メリット3:プロによる申告で節税できる
税務のプロである税理士は、節税について知り尽くしています。
支払う税金をできるだけ抑えられるように、最善の形で申告してもらえるでしょう。
顧問契約を結んでいれば、定期的にアドバイスを受けられます。
最大限の節税を検討している場合は、税理士にまかせてみてください。
メリット4:仕訳や書類などに不備が起きる心配がない
自分で確定申告をする場合、勘定科目の仕訳や書類の不備が起きる場合があります。
明細書など添付書類の不足、決算など、自分での作業に不安がある場合は、税理士に相談するとミスなく申告を終えられます。
税務署から余計な指摘を受けたり、何度も税務署を往復したり、といった手間を防ぐなら、専門家に依頼してみましょう。
メリット5:確定申告の信頼性が上がる
税理士に確定申告書類を作成してもらう場合、税理士の署名が入った書類を提出できます。
個人が提出した書類よりも、税理士の署名が入った書類の方が税務署から信頼されやすい点がメリットです。
税理士による確定申告が行われている事業者は、税務調査の対象になりにくいと言われていますので、調査対象になる可能性を減らしたい場合は、税理士に相談してみましょう。
銀行から融資を受ける際、助成金や補助金を申請する際などに、決算書をあわせて提出するケースがあります。この時も、税理士署名の決算書であれば信頼度が上がります。
今度融資などを検討している場合は、確定申告を税理士にすると、良い結果につながる場合がある旨、覚えておきましょう。
メリット6:税理士報酬を経費にできる
税理士へ依頼する際に発生する費用は、事業の経費にできます。
事業の売上げや現在の経費額を計算した結果、自分で申告するより税理士へ報酬を支払った方が節税になる、という場合もあるでしょう。
個人や法人の売上げと経費額を計算の上、どちらが得になるのか検討してみてください。
メリット7:確定申告以外の相談もできる
税理士と顧問契約を結んでいたり、確定申告をお願いしている顔なじみの税理士がいたりする場合、税務の問題で分からないことがあったときやトラブルが起きたときに、気軽に相談できます。
将来売上げが上がったときにどのような点に備えれば良いのか、消費税事業者になった場合に気をつけるべき点はあるのかなど、相談したいことがある場合は、相談できる税理士を見つけておくと助けになります。
税理士に依頼するデメリットもチェック
税理士に確定申告を依頼することで考えられるデメリットもあります。
事前にチェックの上、依頼するべきかどうか、検討してみましょう。
デメリット1:コストが発生する
税理士への確定申告依頼は前述したとおり、売上げや事業規模に応じたコストが必要です。
時間や手間が節約できる点、税理士費用を経費にできる点といったメリットと比較しながら、コストを支払うだけの価値があるかどうか、検討してみましょう。
仕入れや取引先が少ない事業、確定申告の時間を割ける個人事業主などは、会計ソフトを活用した方が経費を抑えられる場合もあります。
デメリット2:お金の知識が蓄積されない
税理士に確定申告を丸投げしている場合、記帳作業などもすべておまかせになるため、お金の動きが分かりづらくなります。
どのような点に注意して企業を経営するべきなのか、といった税務の知識が蓄積されず、事業運営に悪影響を与える場合があるでしょう。
税理士へ確定申告をまかせる場合も、定期的に帳簿をチェックする、税についての知識を高めておく、といった配慮が必要です。
税理士へ相談する際の注意点
税理士に確定申告の相談をする場合、覚えておきたい注意点があります。
スムーズに申告作業を終えるために、気をつけるべき点を知っておきましょう。
できるだけ早めに相談する
確定申告の期間は、税理士がもっとも忙しい時期です。
多くの個人、法人の確定申告作業を請け負っていることもあり、申告の受付がはじまってからではすでに予約でいっぱい、というケースが多くみられます。
確定申告を税理士にお願いしたい場合は、年末までには税理士探しを済ませておきましょう。
「自分で申告する予定だったけれど間に合いそうにない」
「思っていたよりも作業が繁雑で進められない」
という場合は、期限後申告であれば受け付けてもらえるケースがあります。
早めに税理士を探しておくのがベストですが、どうしても間に合わない場合は、事情を話して対応を検討してもらいましょう。
顧問契約していないと断られるケースがある
税理士が扱う確定申告作業は、顧問契約をしている個人や法人が優先です。
そのため、確定申告のみの依頼は受け付けていなかったり、対応できる件数が少なかったり、という場合があります。
毎年の確定申告を同じ税理士に相談するなら、顧問契約を結んでおくと安心です。
税理士によって得意不得意がある
税理士=税務のプロフェッショナルと思いがちですが、税務にはさまざまな種類があります。
中には相続税や贈与税などを専門に取り扱っている税理士法人や税理士事務所もあり、確定申告は受け付けていないケース、知識が少ないケースが考えられます。
間違いなく確定申告を済ませるなら、どの税理士でもOKではなく、個人や法人の確定申告に強い税理士を選びましょう。
税理士へ確定申告を依頼する流れ
確定申告は、できるだけスムーズに終えたい作業です。
トラブルを避けるためにも、税理士へ依頼する流れを覚えておきましょう。
1.税理士を探す
税理士へ確定申告を依頼するなら、まずは力になってくれる税理士事務所や税理士法人を探しましょう。
確定申告時期に突然税理士のもとを訪れても、対応してもらえないケースがほとんどです。
事前に顧問契約や確定申告、記帳業務など、希望する内容で見積もりを取り、契約を済ませておきましょう。
2.必要な書類を渡す
依頼先が決定したら、税理士から指定された期日までに、必要な書類を準備しましょう。
すべて丸投げする場合、必要な部分だけを手伝ってもらう場合、個人か法人かなど、依頼内容によって必要書類が変わります。
- マイナンバーカード
- 印鑑
- 銀行口座の番号
- 源泉徴収票
- 支払調書
- 控除関連の書類
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 領収書
- 決算報告書
など、どの書類が必要なのか事前に確認の上、早めに提出してください。
書類を受け取った後、税理士が必要に応じて記帳、決算書、確定申告書を作成の上、申告書の提出を行います。
税理士からの連絡を待つ
確定申告が無事に終わると、税理士から連絡が入ります。
その後、確定申告書類の控えや預けていた書類などを返却してもらいましょう。
利益に準じた納税が必要な場合は、所定の手続きを行います。
還付金がある場合は、指定の口座へ入金されますので、後ほど確認してください。
信頼の置ける税理士の選び方
確定申告や記帳、顧問契約を依頼するなら、安心して相談できる税理士選びが欠かせません。
どのように税理士を選んだら良いのか、3つのポイントをみてみましょう。
ポイント1:価格が適正
税理士事務所や税理士法人によって、確定申告や顧問契約に関連する費用相場がそれぞれ違います。相談したい内容と価格が相場に合っているかどうか、たしかめておきましょう。
相談費用は安ければ安いほど良い、というわけではありません。報酬は高めだけれどその他のサポートが充実している、という場合もあります。
金額と内容の両面を考えて、依頼する税理士を決定してください。
ポイント2:確定申告や業界に強い
確定申告に強いだけでなく、業界知識が深い税理士を選ぶと、今後の強い味方になってもらえます。独自の会計方法が使われている業種の場合は、特に注意して選びましょう。
相談の際に、「○○業界の確定申告を依頼したいのですが、対応可能でしょうか?」といった形で確認しておくと安心です。得意分野は、税理士事務所や税理士法人の広告やホームページなどにも記載されていますので、事前にチェックしておきましょう。
ポイント3:対応が親切
確定申告をお願いする税理士とは、事業が続く限り長くお世話になるケースがほとんどです。だからこそ、気軽に話せる雰囲気の税理士選びが重要になります。
威圧的な税理士、いつも不機嫌な税理士では、相談するハードルが高くなってしまいます。
こまめに連絡してくれる、必要に応じてメールやLINEで対応してもらえる、いつも快く対応してくれる税理士やスタッフがいる税理士事務所や税理士法人を探してみてください。
まとめ
本記事では下記の流れで、税理士に確定申告を依頼することについて解説してきました。
- 確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場
- 税理士に確定申告を依頼する7つのメリット
- 税理士に依頼するデメリットもチェック
- 税理士へ相談する際の注意点
- 税理士へ確定申告を依頼する流れ
- 信頼の置ける税理士の選び方
確定申告は税理士に依頼するとスムーズに間違いなく進められます。
作業が大変、申告に割く時間が少ない、という場合は、税理士を頼ってみましょう。
税理士と良好な関係が築けていると、経営のあらゆる面でサポートが受けられます。
企業を成長させていくために、税務署や銀行などから信頼を得るために、税理士とタッグを組んだ企業運営を目指してみてください。
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