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コラム節税対策本則か簡易!?消費税のシミュレーションしていますか?

本則か簡易!?消費税のシミュレーションしていますか?

2017.8.23 節税対策

  • 2種類存在する消費税の計算方法

    ※前回の記事の続きとなります。よりわかりやすくご理解いただくためにも、こちらの記事もぜひご覧ください。
    適正な役員報酬シミュレーションで大幅節税を目指せる!

    株式会社スタートアップHPの会社設立をして2年目、そろそろ第2期の決算を迎えます。
    来期からはいよいよ消費税を納める事業者になってしまいます。

    この決算前に、必ず消費税のシミュレーションをしないといけません。
    というのが、消費税の計算方法は実は2種類存在します。
    本則課税と簡易課税の2種類です。



    どちらを選択するかは、事前に税務署に届出書を提出しないといけません。

    つまり、どっちが有利か結果を見て選択できるわけではなく、予測に基づいて事前に選択しないといけないということになります。
    (この辺の仕組みは後述します。)

    同じ事業者でも、計算方法によって納税額が数十万~数百万変わってくることもありますので、どちらが有利かちゃんとシミュレーションをしましょう。

    では実際にどれぐらい違いが出てくるのか、株式会社スタートアップHPを再度例に考えていきます。
    順調に事業が進み、2期目の決算を迎える時期、来期の予測は以下のようになりました。
    (経費には人件費等の消費税のかからないものは、ないものとします。)



    先ほど消費税の計算方法は2通りあると説明しましたが、
    来期の業績が予測通りに進んだ場合、消費税の納税額はそれぞれの計算方法で下記のようになります。



    このように年間の消費税の納税額に120万円も差が出てくることとなります。
    このシミュレーションを行っていない経営者の方は、かなり損をしている可能性がありますので、しっかりと見直してみて下さい。

    ではここで、少し難しいですが、上記の消費税の計算の仕組みがどのようになっているかご説明しておきますので参考にしてみてください。

     
  • 本則課税とは?

    こちらは上記の、【4年間消費税を免除出来る方法があるって知っていますか!?】でも説明していますが、再度確認してみます。
    考え方としては、「預かった消費税」から「支払った消費税」を控除した残りの消費税を税務署に納める方法です。

    例)
    お金の動きとしては、年間売上 4,320万円 が入ってきて、年間経費972万円が出ていっています。
    この中で消費税部分だけを抜き出して考えると、現在消費税は8%なので
    年間売上の消費税320万円が入ってきて、年間経費の消費税72万円が出ていっています。
    この場合、320万円-72万円の248万円の消費税が手元に残っていることとなります。
    これを税務署に納めるという仕組みになっています。

  • 簡易課税とは?

    売上として預かった消費税に、業種によって決められた一定率を乗じた金額を、支払った消費税としてみなして納税額の計算を行うことができるものです。
    本則課税のように実際に預かった消費税から支払った消費税を差し引くのではありません。

    業種によって決められた一定率は下記のように決められています。



    Aさんが経営する株式会社スタートアップHPの例で考えると、下記のようになります。

    売上予測 6,480万 (消費税480万円)
    経費予測 1,620万 (消費税120万円)

    1.本則課税
    480万円-120万円=360万円 納税金額360万円

    2.簡易課税
    株式会社スタートアップHPは、上記の第5種(サービス業)に該当します。
    そのため、売上部分の消費税480万円に50%を乗じた金額(480万×50%=240万)を控除できる消費税と見なして計算します。

    480万円-240万円=240万円 納税金額240万円

    上記でもご説明しましたが、納税金額に120万円も差が出てきますね。
    このように、ちゃんとシミュレーションをしていないとかなり損をしてしまいます。

    なお、この簡易課税を選択するためには下記の要件があります。

    1.2期前の売上高が5,000万円以下
    2.適用事業年度の前日(上記の例で言うと、2期目の決算日)までに、税務署へ「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する

    ちなみに、一度簡易課税を選択すると2年間は変更できませんので、そこまで考えてシミュレーションしなければいけません。

    いかがでしょうか?
    消費税を4年免税と役員報酬シミュレーションによる節税と合わせると、事業を始めて5年間で1,077万円も節税できたことになります!

    他にも節税方法はいくつもあります。
    効果的な節税をしていかないと事業の継続が難しくなってしまうこともあります。

    他にも様々な節税方法をコラムに記載していますので、事業を継続していく上での参考にしてみて下さい。